皇帝ダリアの育て方(鉢植え・地植え)挿し木と剪定の仕方。

皇帝ダリア

皇帝ダリアという花をご存知でしょうか?

1mもないダリアの中で背丈が3~5mにもなり、皇帝という名の通り立派なダリアで、茎が木質化するので別名、ツリーダリアとも言われています。

晩秋に開花し、暗くなりがちな庭を明るくする皇帝ダリア。

今回は、そんな皇帝ダリアの地植えや鉢植えの育て方、挿し木の仕方などご紹介したいと思います。

思ったよりも簡単に増やすことができるので、コツさえつかめば、1苗から増やすこともできると思います。

秋に堂々と咲き誇る皇帝ダリアをぜひ、育ててみてはいかがでしょうか?

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皇帝ダリアの育て方

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皇帝ダリアの特性

中米からメキシコに分布している27種ダリア属のうち、茎が木質化(木のような枝)になるものを「ツリーダリア」といいます。

皇帝ダリアはその中でも最も背丈が高く、茎が細い竹のようになる品種です。

私がはじめて皇帝ダリアを見たのは、実家に行った11月ごろ、2mはある御隣との塀の上からにょっきりと紫がかったピンクの花を覗かせていた時でした。

葉が見えなかったので新種のコスモス?と思ったのですが、「皇帝ダリアよ。」と教えられ、こんなに背丈が高く、この時期に咲く花があるのだと驚いたものです。

皇帝ダリア

形態: 落葉性多年草
原産地:メキシコ、中南米
開花期:11月下旬~12月上旬
背丈:1~6m
耐寒性:普通(霜には注意)
耐暑性:普通
植え付け:3~5月
肥料(鉢植え):5~10月
切り戻し:6~8月

 
皇帝ダリア

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皇帝ダリアの鉢植えの仕方

 
背丈が高く、枝ぶりも大きく育つ皇帝ダリア、地植えでしか栽培は無理なのではないか?と諦めている方も多いのではないでしょうか?

皇帝ダリア

安心してください!

鉢を選べば、鉢植えでも皇帝ダリアは栽培できますよ。
 
皇帝ダリアの鉢植え方法とポイントをご紹介しましょう。

皇帝ダリアの鉢植え方法

ポイント 8号(直径24)㎝以上の鉢に鉢底ネットとゴロ石を敷きます。私は炭を割ったものも使っています。
 ↓
ポイント 水はけと水持ちの良く有機物豊富な土(赤玉土中5 腐葉土3酸度調整済みピートモス2の配合土)を用意しましょう。調整土を使用しても構いません。
 ↓
ポイント 3~5月頃が植え付け時期です。種から塊根(球根)になるまでは年数がかかるので、挿し木から育てた苗を植えると良いでしょう。
 ↓
ポイント 鉢の1/2ほどの土を入れ塊根、または苗を置きます。塊根を囲むように支柱を立てて残りの用土を入れる。
 ↓
ポイント 植え付け後は鉢底から水が出るくらい、たっぷりと水やりをしましょう。

植え付け後の管理方法とポイント

生育期間中は日当たりの良い場所に置きましょう。

冬は霜が当たったり、土が凍ったりすると球根が腐るので注意が必要です。
5℃以下がボーダーラインです。

土が凍るのを避けるために、マルチングをして表土の凍土を防いだり、大きな木の下で霜を防ぐために鉢ごと地中に埋めたりするといいです。

また、暖房のしていない室内に置くのも効果があります。

植え替え適期は3月です。

ポイント① 塊根を植える時には向きに注意!
発芽点(芽が出てくる場所)を中心に向けて置くこと。

ポイント② 支柱を先に立てる

皇帝ダリアは風の影響を受けてしまいます。

台風などで傾いたりすることを防ぐために支柱が必要となります。

太く長い支柱(1.5m以上)を、株を囲むように立てます。

先に立てておくと根や芽を傷つける恐れがありません。

ポイント③ 植え付け直後には水をたっぷりと
種や苗を植えた後は、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりあげましょう。
その後は発芽するまでは水は控えます。

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皇帝ダリアの鉢植えの 用土の作り方、水やり、肥料について

皇帝ダリアの鉢植えの用土の作り方、水やりの仕方、肥料のやり方をご紹介しましょう。
  

用土の作り方

赤玉土(中粒)5 
腐葉土3 
調整済みピートモス2

の割合の配合土に有機堆肥を混ぜます。

2週間後に苦土石灰(1㎡あたり一握り、約100g)を混ぜ込み、更に2週間ほど置きます。

配合は違いますが、これが畑でも草花でも基本的な用土の作り方となります。

調整土を使う場合はバーミキュライトやパーライトを2ほど混ぜ込みましょう。

水やり

 
植え付け後は鉢の底から水が出てくるくらいたっぷりと水を与えます。

発芽するまでは水を控えます。

発芽後は表土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。

ポイント 夏は朝夕2回たっぷりと水やりしましょう。
表土が白っぽくなっていたら乾燥しているので注意して下さいね。

ポイント 冬は乾燥気味にしますが、完全に乾燥させないようにしましょう。

肥料

5月~10月の生育期間中は緩効性化成肥料(N-P-K 10-10-10)を月に1回施すか、液肥を月3回与えましょう。

皇帝ダリアの剪定

剪定の適期は5~10月です。

環境が合えば5m以上にも大きく育つので育てたい大きさになる前に切り戻し、つまり剪定をする必要があります。

1m以上に成長後、育てたい大きさ(抑えたい大きさ)になったら枝を短く切って丈を調整。
11月が開花時期なので、できるだけ8~9月までに剪定を終えておくことがポイントです。

強剪定すると花芽が少なくなるので注意してくださいね。

皇帝ダリア お悩み解決ポイント

皇帝ダリアで困ったことで悩んでいる人もいらっしゃるかと思います。

そんな人に解決方法をご紹介させていただこうと思います。

お悩み① 花芽をつけない

⇒ 人工的な光が日没後に当たらないようにする

皇帝ダリアは日照の影響をとても受けやすい植物です。
日の当たる時間が短くならないと「花芽」ができません。

開花期は栽培地によりますが、おおむね11月下旬です。

開花の為の「花芽」を付けるためには日照と同時に「人工的な明かりが当がらない場所」に置くことが重要です。
街灯や玄関ライトやガーデンライト、家の中の明かりが皇帝ダリアを照らすと「日が短くなっていない」と勘違いし「花芽」を付けてくれない時があります。

秋の日照時間を狂わさない場所に植えると、花芽を付けてくれます。

お悩み② 背丈が高すぎる

⇒まめに切り戻しをする

水はけや日照などの環境にもよりますが、適した環境で植えると3m以上、立派なものでは5m以上にもなる皇帝ダリア。
背丈が高く、株も大きくなるので雄大に咲き誇る姿を見るなら地植えが適しています。

その際には二階の窓から眺められる場所だと、皇帝ダリアを一層楽しむことができるでしょう。

でも、そんなに高くはしたくないとお思いの方には「切り戻し」をおすすめします。
草丈を高くしたくない場合は何度か「切り戻し」をすることで高さを調整することができます。

お悩み③ 風で傾いた

     
⇒植え付け時に支柱を立てておく
 
切り戻していても、やはり背丈の高い皇帝ダリアは風の影響を受けやすいです。

木質化した枝でも、台風の時には傾きやすく、つぼみや花の重みで傾く場合もあります。
根や芽、枝を傷めない為にも、植え付け時に支柱を立てておきましょう

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皇帝ダリアの挿し木の仕方

  
皇帝ダリアの増やし方は「株分け」と「挿し木」があります。

ここでは「挿し木」の方法をご紹介したいと思います。

挿し木の方法

霜が下りると地上部が枯れるので、茎をノコギリで切ります。
これを切って挿し木にすることができます。

①12月ごろ、地上部が枯れる前にノコギリで茎を切り倒す。
 ↓
②状態の良い茎を1~2節(約5~10㎝)位に輪切り切る。この時、どちらが上かわかるように上になるほうの節の長さを短くしておく。
 ↓
③風通しの良い場所で1月中旬まで乾燥させておく。輪切り後、日陰の場所の土に埋めても芽が出る場合があります。水はけの良い場所だったら後者の方法でもOKです。
 ↓
④冬の間は湿らせた土(赤玉土など)か水苔などで切り口を包み、箱などに3月まで保管する。
黒いビニールポットに水苔と一緒にさして保管しておくのも良いでしょう。③の土に植えた場合はそのままで大丈夫。
 ↓
⑤3月になったら土に挿しましょう。指す場合は必ず節が土に埋まるようにしましょう。
 ↓
⑥新芽を利用する場合は、5月~6月、新芽が太く大きく育つ前に先端から2~3節切り取り挿しましょう。

上記はスタンダードな挿し木方法です。

少しご紹介しましたが、

ポイント 乾燥させずに輪切り後、すぐに次に挿す。
ポイント 乾燥させずにポットに水苔を入れて挿す
ポイント 乾燥させてから、ポットの水苔に入れて挿す。
ポイント 1月中旬まで土の中に全て埋める。
ポイント 挿し芽する場合は水苔で節まで覆う。(芽や根が出やすい)

等の方法があります。

土質や気温などによって、「成功」「失敗」があるようです。
切り分けた枝がたくさんできるので、様々な方法を平行して試してみるといいでしょう。

環境に一番適した挿し木方法が見つかるはずです。

皇帝ダリア 地植え方法

前章までは、皇帝ダリアの鉢植え方法を中心にご紹介させていただきました。

やっぱり大きく育てたいと思う方もいらっしゃることでしょう。
そんな方には地植えをおすすめします。

株が横にも大きく広がりますし、花芽もつきやすいです。

用土

鉢植えと同じものがベースでOKですが、根が育つように、掘るスペースも広く深くして、根腐れしない様に、肥沃で水はけのよい土を作るのがコツです。

追肥しなくていいように緩効性化成肥料(鉢植え肥料参照)か骨粉や油かす、鶏糞、馬糞などの有機肥料を混ぜ込んでおきましょう。

水やり

地植えならよほどの乾燥でない限り水やりの必要はありません。雨水で大丈です。

肥料

  
地植えは植え付けの際に入れた肥料だけでOK!追肥の必要がありません。

支柱

鉢植えよりも大きく育つので、庭木やフェンスを利用して支える方法もあります。
鉢植えと同じく、台風などの強風、つぼみや花の重さでの傾きなどに注意しましょう。

その他

鉢植えよりも株が大きく育ちます。
高さだけでなく、幅や奥行きなども考慮して、植えるスぺースを作りましょう。

皇帝ダリアの育て方のまとめ

威風堂々と高く咲き誇る皇帝ダリア、実は育てやすく、増やしやすい花です。
 
暗くなりがちな秋の庭を明るくしてくれるピンクや紫の花は、気分を明るくさせてくれることでしょう。

育て方と増やし方(挿し木)の主なポイントをまとめます。

ポイント 日照時間に気を付けて花芽をつけさせる。
ポイント 支柱を立てて折れない様にする
ポイント 挿し木に使う枝は枯れる前に切り倒して輪切りにして使い、色々な方法で芽吹きを試す。
ポイント 新芽を挿す場合は、太く大きな枝になる前に切って挿す。

思ったより簡単と思いませんか?

虫や病気にも強い品種の皇帝ダリア、ぜひ育ててみてくださいね。

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