お伊勢参りのご利益と意味?お参りの順番と所要時間は?

お伊勢参り

「一生に一度はお伊勢参り」といわれるように、私達日本人にとって特別な聖地へのお参り『お伊勢参り』を考えている人は多いと思います。

で参詣前に、お伊勢参りの意味やご利益を知っておくことがご利益を受けるためにも重要ですし、気持ちが全く違うと思います。

また気になるお参りの順番や所要時間についてもご紹介したいと思うので、ぜひ参考になさってくださいね。

意味のある「お伊勢参り」にするためにも、事前情報を知っておくことは重要なポイントです。

お伊勢参りに、一層の深みが出ると思うので御覧いただければ幸いです。

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お伊勢参りのご利益は? 

「伊勢へ七度、熊野へ三度、愛宕様へは月参り」と『東海道中膝栗毛』に出てくる一節にあるように、かつて江戸時代において、伊勢と熊野が全国的な信仰を集めていたことが分かります。

特にお伊勢参りは江戸時代に大流行、周期的に伊勢神宮への群参が置き、その現象が「お蔭参り」と呼ばれたほどです。

現代においても「一生に一度はお伊勢参り」というように、死ぬまでにはお伊勢参りをしたいと思っている人が全国各地から参拝しています。

特に二十年に一度の式年遷宮の年は参詣者の数が膨れ上がり、平成二十五年の式年遷宮時の参詣者は千四百万人を超えたそうです。

でも、お伊勢参りといってもお伊勢参りの意味はもちろん、伊勢神宮に祀られている神社についての詳細やどんなご利益があるのか知らない人も多いと聞きます。
そこで、伊勢神宮について、お伊勢参りのご利益について、まずはご紹介したいと思います。

1

お伊勢参りとは?

そもそも「お伊勢参り」とは何でしょう?

伊勢神宮に祀られる神は八百万の神の中で最高位の神です。

全国津々浦々の神社の神様のトップ、つまり総氏神の地位にあります。

伊勢神宮は創建以来、天皇家、公家、貴族などから経済的支援を受けていましたが、平安中期以降、武士がとってかわり朝廷が力を失うと、伊勢神宮は経済的な支援を十分に享受できなくなり、財政難に陥りました。

そこで、財政基盤を他に求めた結果、武士階級への依存を強めていきます。
戦勝祈願を通じて武士の間にも伊勢信仰が拡がっていきました。室町幕府は京都に置かれたため、伊勢との距離が近くなり、足利義満をはじめ将軍が参詣し、その配下の武士たちも参詣するようになりました。

その一方で、伊勢神宮は庶民の間でも信徒を増やし、商売繁盛、家内安全などの現世利益に応じることで伊勢信仰の拡大を目指しました。
ここで、大きな役割を担ったのが「御師」です。伊勢参宮の呼びかけをする、つまり仲介役となった人たちである「御師」が、伊勢信仰を拡大させました。

春の外宮

春の外宮

先にご紹介したように、江戸時代になると伊勢神宮への参詣の流れが「お蔭参り」という社会現象になり、約六十年に一度の割合で三度にわたって熱狂的な群参がおきました。

きっかけは京都の宇治の子供達の親に内緒でお伊勢参りをしたことが発端だということです。
それが大人たちにも広がり、熱狂的な参詣行動へと発展。
集団的に日常生活から抜け出し、主人や親の許可も得ずにお伊勢参りをしたことから「抜け参り」と呼ばれたほど、一大ムーブメントを引き起こしました。

それだけ熱狂的なブームになった背景には所謂「ご利益」があります。
「伊勢信仰により病気が治った」「子宝に恵まれた」などいう人々のお礼参りが広がりを見せ、それが雪だるま式に参詣者が膨れ上がる現象へとなったようです。

当時の日本の人口からすると約六人に一人が参拝した計算になるというから驚きですよね。

そうした伊勢信仰が現代でも「お伊勢参り」として残っており、日本人の心を惹きつけているのでしょう。

2

特定のご利益はあるの?

古来より、貴族、武士、庶民に至るまで、こぞって参詣されてきた伊勢神宮です。
さぞかし、すごいご利益があるのでは?と思いますよね。
でも、ここで冷静に考えてみて下さい。

伊勢神宮の内宮は皇第神宮という名称で、皇室の祖先であり、日本人の大御祖神である「天照大神」がお祀りされています。

約2000年前、垂仁天皇の皇女、倭姫命が天照大神を遷す場所を求め、各地を旅した後に伊勢にある五十鈴川の上流にたどり着いたのが始まりで、内宮の広大な敷地には正宮をはじめ、2つの別宮と10の所管社が建っています。

時代の流れに沿って、戦勝祈願や商売繁盛など、参詣者の祈りに応じてきた伊勢神宮ですが、「天照大御神」は太陽神である女神で日本の総氏神です。
「天岩戸伝説」で知られるように、私達を明るく照らしてくれる太陽のような存在の神ということに注目すべきです。

内宮の正宮が天照大神をお祀りしているので、一番の聖域です。
ですから、「個人的なお祈りをする場所ではない」ということを心に留めておきましょう。

伊勢神宮の内宮にある正宮(皇大新宮)は私達を日ごろから照らし続けて下さる「天照大御神」が祀られているので「日常の感謝の気持ちを伝える」お宮なのです。
だから「特定のご利益」というものはないのです。

私達が存在していること自体への感謝の気持ちをお伝えする場所となりますし、存在していること自体が「ご利益」ということなのです。

とはいっても、「商売繁盛」や「恋愛成就」など「個人的なお願い」をしたいですし、古来もそうしたことで、それが叶ったことで、「お蔭参り」などのブームが起き、「お伊勢参り」が現代においても廃れることなく、日本人の憧れの参詣となっているのです。

では伊勢神宮のパワースポットや特定のご利益はどうなのでしょう?
個人的なお願いはどこですればよいのでしょうか?

お伊勢参りで個人的なお願いをするには?

正宮では「感謝の気持ちを申し上げる」
別宮では「個人的な願いを申し上げる」

上記のようにすると良いでしょう。

別宮は外宮、内宮それぞれにあり、第一別宮に個人的なお願いをするとよいとされています。

またお願い種類に応えて下さる別宮もあります。

お伊勢参り

※写真はイメージです

外宮

個人的なお願いを申し上げるのは第一別宮の『多賀宮』にすると良いとされています。

『多賀宮』は豊受大御神の荒御魂がお祀りされています。

荒御魂とは神様の積極的な側面や活動的な状態をさし、人々の具体的な願い事をかなえてくれやすいとされています。

『風宮』では風の神様、級長津彦命が祀られている別院で、鎌倉時代の元寇の際に神風を吹かして日本を救ってくれたという伝説があります。
旅の天気のお願いをするといいでしょう。

内宮

御正宮は天照大神がお祀りされている別格の聖地です。

一番神聖な場所です。

ですから、個人的なお願いをするのではなく、「感謝の気持ちを申し上げる場所」です。

『荒祭宮』は天照大神の荒御魂をお祀りしている第一別宮です。
ここで個人的なお願い、具体的なお祈りをしましょう。

『風日祈宮』
風雨をつかさどる神が祀られています。外宮の『風宮』同様、元寇で神風を吹かせた神様です。

『子安神社』は木華咲耶姫神をお祀りしている神社です。暗算や子授けの信仰があり、女性参拝者が多く訪れます。

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伊勢神宮のパワースポットはどこにある?

最近流行りの「パワースポット」信仰。

特に伊勢神宮は日本の神社として別格の聖地なので、特に伊勢神宮には「パワースポット」がたくさんあると捉えている人も多いことでしょう。

ご利益を求めてパワースポットを目当てに神社仏閣を訪れる人も多いはず。

でも伊勢神宮に特定のパワースポットはありません。

そもそも、なぜ伊勢神宮が聖地と言われるのでしょうか?
それは2000年も前に創建され、全国の神社の中心で、日本人の大御祖神である「天照大神」をお祀りしている聖地だからです。

ちなみに、「伊勢神宮」とは外宮、内宮を含めた125社の神社の事で正式名称を「神宮」と言います。

つまり「神の宮」なのです。

広大な神域すべてがパワースポットなのです。

伊勢神宮は広大な宮域全体が聖地なので、特定のパワースポットはありません。
巨木や石もたくさんありますし、別宮もあり、そこではそれぞれの神様がお祀りされています。

特に最近では、パワースポットと特定の木や石を紹介していることもあり、むやみに木を触る参拝客が多く、木が痛む事例があるので困りものだそうです。

むやみに木に触ったり、立ち入ったりルール違反、マナー無視は厳禁です。

一歩足を踏み入れた、全てのエリアが「神様のお住まい」ということを自覚し、『清らかで穏やかな心』になりましょう。

特に「天照大御神」は正しい行いをする人を手助けして下さる神様として知られています。道理に合わないこと、普段からお祀りしていない人には手助けをしてくれません。
困った時の神頼みではなく、日常から感謝の気持ちを持ち、そしてお伊勢参りをすることが重要です。

お伊勢参りの意味 

前章でお伝えしたように、『お伊勢参り』は古来より人々が願いをするためにお参りです。

また、ご利益があった人が「お礼参り」をすることで「お蔭参り」という一大ムーブメントが江戸時代に起こり、それが現在でも「お伊勢参り」として親しまれているのです。

私達を照らてくれる「天照大御神」に「死ぬまでに正式にお礼を申し上げる」ことが『お伊勢参り』の本来の目的です。
「一生に一度はお伊勢参り」と言われる所以です。

内宮の御正宮に感謝の気持ちを申し上げること。
そしてそれ以外の具体的な個人的なお願いは第一別宮にするほうがいいとされています。

つまり、『お伊勢参り』の本来の意味は、私達が神様へ感謝の気持ちをお伝えすることなのです。

御正宮では個人的なお願いをしないこと。神様へ感謝の気持ちを申し上げること。
個人的なお願い、具体的なお願いは第一別宮で申し上げること。

『お伊勢参り』の意味は『お礼参り』であり、神様へお礼を申し上げる、また個人的なお願いが叶った場合の『お礼参り』であるといえるのです。

お伊勢参りの順番は?

前章で触れましたが、伊勢神宮は外宮、内宮を含めた125社の神社で、正式名称は『神宮』です。お伊勢参りでは参詣の順番はとても重要です。

お伊勢参りは外宮、内宮の順番で参拝するのが昔からの習わしです。
一方だけをお参りする「片参り」は避けた方が良いとされています。

では、お伊勢参りの順番を具体的にご紹介したいと思います。


1

手水でお清めをします。

ひしゃく一杯の水を汲み、左手、右手の順に洗ったら、左手に水を受けて口を漱ぎ、再び左手を洗い、最後にひしゃくを立てて水を流し、ひしゃくの柄を清めます。

お伊勢参り

※写真はイメージです

外宮では『手水舎』で。鳥居をくぐる手前にあります。

内宮では『五十鈴川御手洗場』で。せっかくなので手水舎ではなく五十鈴川の水で手を清めましょう。


2

御正宮を参詣

最も神聖な御正宮を最初に参拝します。
「二拝、二拍手、一拝」※をし、神様に日々の感謝を申し上げましょう。

(※注)深いお辞儀を2回、胸の高さで手を合わせ、右指先を少し下にずらして2拍手、再び深いお辞儀を一回しましょう。

鳥居は手前で一礼してからくぐるようにしましょう。


別宮を参詣

最も格式の高い第一別宮を参詣、次に他の別宮、摂社、末社の順に参詣します。
具体的なお願い、個人的なお願いは第一別宮でしましょう。

外宮の第一別宮は『多賀宮』
内宮の第一別宮は『荒祭宮』

その後の順番は別記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてくださいね。

チェック 伊勢神宮参拝ルートと外宮と内宮の所要時間は?正しくお参り!

お伊勢参りの所要時間は?

 
広大な神域の伊勢神宮です。
しかも内宮と外宮は離れていますし、内宮、外宮の中にある別宮以外の別宮は離れた場所に建っています。

お伊勢参りの所要時間の目安は

外宮:約50分
内宮:約90分

外宮から内宮までの移動:バスで約15分

上記が基本の所要時間となります。

これに加えて、下記の別宮、遥宮を参詣するとプラスの時間が必要です。

別宮

月読宮:内宮から自転車で15分、バスで5分
倭姫宮:月読宮から自転車で15分、バスで5分
月夜見宮:倭姫宮から自転車で15分、バスで5分

遥宮

瀧原宮:内宮から車で30分
伊雑宮:内宮から車で50分

おはらい町、おかげ横丁

伊勢神宮の内宮の門前にあるおはらい町、おかげ横丁はお土産屋さんやグルメショップがたくさんあります。
ここでの時間も忘れずに入れておきましょう。

お伊勢参りのまとめ

お伊勢参りの本当の意味は、神様に感謝を申し上げる「お礼参り」です。

お参りする順番は外宮、内宮の順番でしましょう。
参詣前には手水舎でのお清めを忘れずに。
鳥居の前には一礼。そしてその後には先に御正宮へお参りしましょう。

御正宮では日々の感謝を述べることが大切です。
そして、個人的に具体的なお願いがある場合は第一別宮でお願いを申し上げましょう。
広大な神域で、外宮、内宮の移動もあるので、事前のプランニングが重要です。

現地で時間のロスや、取りこぼしがないように、事前に下調べをして計画をたてましょう。

焦ることなく、心穏やかに、清らかな気持ちでお伊勢参りをすることで、ご利益を授かるだけでなく、心が穏やかになると思います。

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