阪神淡路大震災以降の日本列島は毎年大きな災害が多発しています。
地球温暖化による気候変動によって、ゲリラ豪雨、線状降水帯による大雨や土砂災害も多発していています。
私達もニュースや自治体から防災に備えておくことや備えておくもの等の情報を意識して得るようになりました。
防災に役立つ知識はもちろん、間違った防災知識もあるので、ここでそれらを整理してご紹介したいと思います。
『災害は忘れた頃にやって来る』といいますが、忘れる暇もないくらいの頻度で災害に見舞われていている現状で、私達に出来ることは『もしもの時に備えること』と同時に『もしもの時のための役立つ知識』を知っておくことではないでしょうか。
防災のために備えておくものとしての防災グッズ、見落としがちなワンポイントなどもご紹介したいと思います。
もしもの時の備えの参考になれば幸いです。
これをアップしている現在、台風10号が九州四国地方に近づいています。
大きな災害になりませんように。
防災に備えておくものは?
防災のそなえておくものの例として防災セットがあります。
防災リュック、
防災グッズ、
防災セット
などの名前で販売されています。
楽天第1位の売れ筋防災リュックの中身を例としてご紹介してみましょう。
リュックサック(止水ジッパー、防水仕様)
多機能ダイナモラジオライト
高輝能調光ランタン
保存水(賞味期限 製造日より7年)
アルファ米(賞味期限 製造日より7年)
クッキー(賞味期限 製造日より5年)
野菜ジュース(製造日より5年)
防災エアーマット
非常時簡易トイレ
ウォーターバッグ(水入れ)
体拭きシート
応急、救急セット
蓄光ホイッスル
軍手
レスキュー寝袋
レインコート
目隠しポンチョ(ポンチョの中で着替えられる)
マスク
レスキューシート
乾電池
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その他に備えておきたいもの
非常持ち出し袋、防災リュック、防災セット、様々な名前で防災に備えてのセットが発売されています。
防災士が監修しているのでとても考えられて、コンパクトに持つこともできます。果たしてそれだけで十分でしょうか?
防災リュックはどんな時に必要?
防災リュックは災害発生時に必要というのは認知されていますが、確かに、『家族と最低限の荷物で避難所に』という場合には最適なセットだと思います。
でも、災害は地震、大雨、土砂災害など、災害の種類によって必要なものも変わってきますし、避難所に避難するのか、自宅で待機するなど避難場所をどこにするのかでも必要なものが変わってくると思います。
例えば、地震や台風で街が被災した場合、自宅は倒壊する恐れがない、そのまま留まっていても危険がない状況や避難指示が出ていない場合では避難所に行かない人も多いはず。
それでもライフラインはストップし、移動する道が寸断されて救援物資などの輸送に数日かかるという場合もあります。
政府の指針では、近くの店で調達できないと考えて一週間は自力で過ごせるようにとしているのも、これらを想定しているからです。
実際、避難所は物資が自衛隊やボランティアから早く、直接届きやすいですが、各戸にはなかなか手が回らない現実もあります。
そんな時、自宅でも「避難生活」が快適に安全にできるような準備が必要となるのです。
普段の食品や用品も「防災グッズ」
いわゆる、「防災グッズ」として販売されている品物はとても考えられて、賞味期限も長いですし、コンパクトに便利に作られています。
それらは防災グッズにお任せとして、それ以外に私達が備えとしてできることはないでしょうか?
実は、ちょっとした工夫で災害時に役立つものがあるのです。
それは、普段の食品や用品を「防災グッズ」として意識することです。
普段使用しているものを「災害時に使えるように」と心掛けているだけで、普段の食材や用品が「防災グッズ」となるのです。
実際の災害現場で冷蔵庫の卵でしのいだ、という話を聞いたことがあります。
卵は常温でも保存可能なので、納得です。
それでは普段の食品や用品について考えてみましょう。
【食材編】
防災リュックに入っている食品は「非常食」つまり、災害時に使用するもの(もちろん日常にも食べることができます)です。
日常の食材を「災害時にも」使用することもできるストック品として活用しましょう。
水
まずは「水」です。
水道が出ればいいですが、断水ということも考えられます。
ペットボトルを2リットル半ダースでもあれば自宅で飲み水は数日はしのげます。
合わせて停電の時は、その水とカセットコンロを使って、簡単な料理もできます。
トイレ用の水は、お風呂に水を普段から貯める習慣にしておくと良いでしょう。
賞味期限は新しいものを選ぶ
ふりかけ、おにぎりに混ぜる乾物
⇒ 栄養バランスが抜群なのでオススメ(食物繊維、ビタミン、カルシウム、タンパク質、塩を摂取できます)
パック白米
⇒ レンジが使えなくてもお湯があれば美味しいですいし、最悪そのままでも食用可。
フリーズドライの具沢山汁物
⇒ 栄養バランス抜群、暖も取れます。
昔ながらの保存食
⇒ 優秀な非常食(例、氷餅、ドライフルーツ、小魚乾物、漬物など)
缶詰
⇒普段からストックしておこう(鯖缶、ツナ缶、ヒジキなどの煮物類、豆缶など)
調味料のストック
⇒マヨネーズやケチャップは優秀。味に変化だけでなく、栄養面でも重要です。
カップ麺は「水」カセットコンロを用意しておけば、断水と停電の時に食べられます。
⇒残っても日常で消費できますよね。 最悪そのままかじることができます。
自分や家族が好きなもの
⇒ストレスのたまる災害時の効果的な気分転換(おやつ、調味料、ふりかけなど)
例を挙げればきりがありませんが、ここで気を付けることは「タンパク質、ミネラル、食物繊維を摂れるものを選ぶこと」です。
災害時は支給されるものも炭水化物の割合が多くなります。
被災地では、食物繊維やビタミンの摂取が減ることで、便秘や口内炎などの症状が出やすくなります。
日常でも辛い体調の変化は、災害時には何十倍もつらいだけでなく、時には小さな体調の変化が命に係わる場合もあります。
そういう事を想定して、家庭用品をストックしておくことで、災害時に役立ちます。
そして、自分や家族の好きなものをストックしておくことは、実はとても大切です。
災害時はストレスがとてもかかります。
そんな時に好きなものを口にするだけで、少しだけでも気分転換になるのです。
【用品編】
サランラップ
⇒ 食器に被せて使うと食器を汚さず、洗う必要がない
ジップロップ
アルミホイル
⇒ジップロップ、アルミホイルは洗わずに済む調理道具
牛乳パックを洗って開いて干したもの
⇒ 洗わずに済むまな板、細く切ったら着火剤になる
カセットコンロとカセットガス
⇒ ライフラインがストップした際の調理器具として大活躍。家庭用でも十分ですが、アウトドア用なら高価ですが避難所にも持っていけるサイズです。
自宅で停電の時、特に有効です、カセットコンロで簡単な料理ができるし、冷蔵庫の食糧がだめになっても、カップめんとかを用意しておけば、お湯を沸かせば、すぐに食べられます。
太いロウソク
⇒ 明かりですが、懐中電灯は、スポットが多いので結構不便です。
太めのろうそく数本はあった方が役に立ちます。
セットで、ホームセンターなどに売っていますから用意しておきましょう。
各部屋に明かりがあるといいですよね(ただ地震の時は、余震で倒れる可能性があるので使わないようにしましょう。)
トイレットペーパー
⇒ トイレの際だけでなく、食器を拭く時にも使用できます。
除菌ウェットシート
⇒ 体を清潔に保つだけでなく、食器などの仕上げ拭き、その他の用品の衛生を保ちます。
新聞紙
⇒寒い時には断熱材、燃やして熱源、重ねてマットに、丸めて添え木に、湿気取りとしても万能(濡れた服を干した場所の下に丸めて置く、濡れた靴の中に丸めて入れるなど)
また、断水時にトイレとして使用してゴミ回収までゴミ袋に入れるという使い方もできる。
銀テープ
⇒ 何かを束ねる、長靴とズボンの隙間をグルグル留める(水や泥の侵入防止)
ゴム手袋
⇒軍手では濡れる場面も多々あります。水が使えない時は手を汚さない事が重要。
貴重品グッズポシェット
⇒ お金類、処方薬、保険証、お薬手帳、非常連絡先メモなどは身に着けるかすぐに身に着けられる場所に。
できればジップロップなどの防水パックに入れてからポシェットに。
ヘッドランプ
⇒ 両手が空くヘッドランプは、安全な移動だけでなく、トイレの時も便利です。
ライター、マッチ、チャッカマン等
⇒ 着火する時に必要
100均は防災グッズに使えるものがたくさん
防災グッズのセットって高いですよね。防災専用のグッズも単品では高いので、揃えるとなると大変です。
そんな時は、上手に100均ショップを利用してみるのもオススメです。
我が家では
アウトドア用ナイフやLEDペンライト(キーホルダーとして使用)
水パック
蛍光ライト(パキっと折ったら光るペンライト)
持ち出し袋に入れておく用のレインコート、
除菌ウェットシート、
ジップロップやサランラップ、
折りたたみコップ
光るロープ
などは100均ショップで購入して持ち出し袋に入れています。
また、
ペット用の「におわない袋」も汚物入れなどにオススメです。
ペット用シーツや猫砂も非常トイレの代用となります。
バケツ。川や海の水を汲んで生活用水に使用する時に便利です。
紐がつけられるようにしておくといいですよ。
防災に備えておくこと。
防災と聞くと非常時に持ち出すものなどをイメージしていますが、その前に大切なのは「身を守ること」です。これが第一優先です。
災害発生時の行動を家族と話し合っておきましょう。
無理に帰宅して道中被災しない事は重要です。
また、家族を待っていた結果被災する場合もあります。まずは、それぞれが安全に避難、身を守る。
その行動パターンを家族で共有しておきましょう。
寝室に靴と手袋とヘッドランプを
自宅の部屋や廊下にガラスや建材などの危険物がある中の移動も想定されます。
非常持ち出し袋とは別に、「非常装備」としての袋を一つ寝ている場所の近くに置いておきましょう。
うちの子はベッドの横のすぐ手が届くところに、靴と手袋とレインコートを入れた袋とヘッドランプを置いています。
親が助けに行けない場合も想定して子供自身が安全に移動できるように準備することも重要です。
同線の各箇所にランプ類を
階段の上や下、廊下の端などの棚や壁にランプやランタン類を置いておくと、停電時に安全に移動できます。
場所を決めて、暗がりでも取れる場所を決めておきましょう。
非常用グッズは数か所に
家が損壊した時も考えて屋外の物置、駐車場、自転車置き場など、屋内以外にも非常用グッズや非常用リュックを分けて置いておきましょう。
一か所に置いていて、災害時にその場所から必ず取り出せるとは限りません。
また、持ち出す暇もなく飛び出す場合も想定されます。
屋内でも数か所、屋外にも置いてあると便利です。
防災に役立つ知識
情報の更新を
防災に役立つ知識は、災害時の不便な生活を少しでも快適にしてくれるばかりか、命を助けてくれる大切なものです。
残念ながら、日本では近年、毎年のように大きな災害が発生し、各地で避難生活を余儀なくされる人がいます。
防災グッズや役立つ情報は、そうした被災者の声から生まれるものが、本当に使える知識という側面もあります。
災害が発生したら、ニュースなどの報道ではキャスターが救援物資の呼びかけをしてくれていますが、それも重要ですが、被災者の生の声を聞いてみて下さい。
家族構成によって必要なものが違っています。
家族の年齢や病気、障害などで必要な支援、物資が変わります。
ペットの有無で避難場所や必要なものも変わります。
また、季節によっても上記の条件で必要なものは大きく違ってきます。
ご自身の家族構成と状況を見て、必要な物、「一週間自宅で過ごすのに必要なもの」「一週間避難場所で過ごすのに必要なもの」をリストアップしておきましょう。
そうすると、何が絶対に必要か整理できます。
被災者が実際の被災地で「不便」「困った」と感じたものに備えることが防災に役立つのです。
毎年起こる災害で、私達も準備しているにも関わらず、実際に災害に遭うと「不便」「困った」という状況になっているので、やはりその都度「さらにこれが必要だった」と情報を更新する必要があるのです。
自治体、官公庁のHPを見ましょう
。
自分の身を守るために知識は重要です。
「ハザードマップ」は必ず見ておきましょう。
自宅場所の災害時の災害のレベル、状況を知ることはもちろんですが、避難所までの経路も安全かどうか確認しておきましょう。
ハザードマップは過去の事例と科学的根拠を元に、かなり信頼のおける災害状況を記してあります。近年の災害でもかなり正確にマップどおりの被災状況となっています。
また、官公庁のHPは有益な情報がたくさん載っています。
例えば、農林水産省のHPには「あって良かった!家庭備蓄の実践アイデア 災害時に備えた食料ストックガイド」として、前述の家庭用品や食品を災害時に使うことを紹介しています。
種類や調理方法までも紹介されているので、一度ご覧になってみてください。
間違った防災知識
SNSは両刃の剣、情報は慎重に取り入れましょう。
SNS情報はリアルタイムで役立つ情報で助けてくれる反面フェイクニュースも多いです。
雨が止んだから大丈夫
雨が止んだから大丈夫と自宅に戻ったり、移動したりしては危険な場合もあります。
天気予報はもちろんですが、「土壌の水分量」も必ず調べておきましょう。
それまでに降っ雨の量から危険度を想定して「警報」を出しているので、小雨でも警報が出る場合があります。
自己判断で動くのは危険です。
装備よりもまずは避難
装備や非常用グッズも重要ですが、持ち出すよりもまずは安全確保を。
安全が確認されてから持ち出しましょう。
貴重品、グッズ、どれも大切ですが、一番大切なのは自分と家族の身です。
状況次第ではすぐに飛び出すことが必要です。
防災に備えておくものやことのまとめ
防災に備えておくものは「防災グッズ」「防災リュック」だけでなく、それ以上に大切なのが「防災に対する正しい知識」です。
まずは、自分の身の安全を自分で守る、これが最優先です。
そのために、ハザードマップで自分の住んでいる場所の危険度を知る、避難所までの移動経路の安全なルートを確認することが重要です。
また、仕事中は帰宅難民となることも想定されます。無理に帰宅して被災しては元も子もありません。
非常時の避難場所を普段から家族と話し合い、また避難時の伝達方法も話し合っておきましょう。
そして、自宅避難、避難所でも出来る限り快適に、安全に、一週間過ごせる準備をしてくことが大切です。
災害発生時だけでなく、被災して生活している間も健康と命の危険があるということを考えておく必要があります。
防災に備えておくことで重要なのは『、必要なものを備えておくこと』『必要な知識を備えておくこと』です。
いまひとつ、家族で話し合って、備えておきましょう。
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