大神神社の御神体登山。三輪山登拝とは?参拝方法と服装と注意点

大神神社 御神体 登山

日本屈指のパワースポット、最古の神社である大神神社

大神神社の御神体は背後にそびえる神聖なる山「三輪山」です。

三輪山はずっと禁足の山として入山が厳しく制限されていました。

でも、近年は「登拝」という形で三輪山へ登山、参拝することができます。

そこで三輪山登拝の時間、服装や注意点、参拝方法などをまとめてみました。

これから三輪山登拝をしようと思う方、ご興味のある方は参考になさってくださいね。

神聖な山、三輪山は「登山」のような気軽な気持ちではなく、心構えはもちろんですが、約束事、注意点など気を付ける点があります。

神の山そのものに入山することになるので、気を引き締めて参拝しましょう。

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大神神社 御神体登山 三輪山登拝とは?

大神神社はパワースポットとしても知られている神社。

大神神社

大神神社 photoACより https://www.photo-ac.com/

また神秘的な要因の一つとして、ご神体が神社境内にあるのではなく、背後の三輪山そのものが御神体であるということがあります。

三輪山

三輪山 photoACより https://www.photo-ac.com/

パワースポット故、有名なスピリチュアルカウンセラーさんなどが訪れたり、その美しく整った円錐形と頂上にある巨岩などから「宇宙人が創った最古のピラミッド」などとミステリー特集番組が組まれたりで、全国でも知る人ぞ知る場所なのです。

でも、知っているようで知らない大神神社と三輪山

登拝前に、御神体である三輪山について学んでおくと、神様の存在をより近く感じられることと思います。

聖なる山 三輪山

標高467m、周囲16km、面積350haの三輪山は、『古事記』や『日本書紀』にも三諸山(みもろやま)や美和山、三諸岳と記され、古来より「大物主大神」が鎮まる神の山として崇められてきました。

また、新元号改元で注目を浴びた『万葉集』においても「三輪の神杉」として三輪山の杉が神聖視されています。

そのことから、大神神社は酒の神様としても信仰を集め、酒に携わる人々が参拝にやってきます。

酒蔵などでよく見かける「杉玉」は神聖な三輪の杉葉で造られたことに由来しているのはご存知でしょうか?

地元では本当に特別な山、三輪山。三輪山を御神体とする大神神社は気軽に訪れ親しみのある神社でありながら、荘厳で神聖な特別な神社でもあるという両面を持ち合わせています。

ご祭神は
大物主大神です。
三輪山の頂上の磐座に大物主大神
中腹の磐座には大己貴神
山麓の磐座には少彦名神
が鎮まると大神神社の縁起書に書かれているそうです。

大物神大神(おおものぬしのおおかみ)は、「国造りの神」として知られていて、とても強力な力を持った神様だと知られています。

国造りの神様ということから農業、工業、商業など全ての産業、酒造、治病、縁結びなど、生活全般にかかわる事全てを助けて下さる神様です。

その強力なパワー故、登拝にも気を引き締める必要があるのでしょう。

大神神社と三輪山登拝

「大神神社と三輪山登拝ってどういうこと?なんかルールがたくさんあるみたいだけど。」

と奈良に遊びに来た友人に聞かれました。

どうも、伏見稲荷大社の稲荷山のように気軽に楽しく登山という感覚があったようで、調べてびっくりしたそうです。

『古事記』に記されている大物主大神と活玉依姫(いくたまよりひめ)の恋物語に登場する国造りの神様「大物主大神」が御山に鎮まっておられます。

そのことから、葉や草などの植物、生き物全て、そして石などに至るまで「山にあるもの全て」神が宿る聖なるものとされています。

山に入山したら、何かを持ち帰るのも殺生も厳禁。

行動、立ち居振る舞いが制限されています。

聖なる山、三輪山はずっと「禁足の地」とされていて、入山が厳しく制限されてきました。

でも、近年になって「特別」に入山が許可されるようになったのです。

山そのものが御神体なのですから、一歩踏み入れたら神様の領域ではなく、神そのものに触れることとなります

そのことから、他の神社にはないくらいのルール、そして伝えられる暗黙のルールなどが存在しているのでしょう。

大神神社の境内には実は「御神体」がありません。

背後にそびえる三輪山が御神体なので拝殿の奥には三ツ鳥居が禁足地である三輪山と人間界との「結界」として設けられているのです。

普段の大神神社へのお参りは、拝殿で三輪山へお向かいして参拝するようになっています。

三輪山登拝は特別な参拝

先にお話ししたように、「大神神社にお参り」となると神社境内の拝殿からお参りしますし、境内にある摂社や末社へお参りをします。

大神神社拝殿

大神神社拝殿

パワースポットとして知られていることから全国から登拝社が訪れます。

でも、三輪山にまつわる不思議な話として「呼ばれた人しか入れない」というものがあります。

急に用事が出来た。
体調や天候が悪くなった。
渋滞などにより、大神神社へ到着できなかった。
などなど、何らかの理由で「登拝」できない人は「まだ三輪山に呼ばれていない」というそうです。
呼ばれるように、日常の心がけや振る舞いを見直すべきとも言われています。

逆に、呼ばれた人が登拝とその急登にも関わらず
「楽に登れた」
「体が軽くなった」
など不思議体験もあるそうです。

ちょっとコラム~大物主大神の恋話~

『古事記』には大物主大神の恋話が出てきます。

大物主大神と活玉依姫との恋話

活玉依姫の元へ夜ごと通う麗しくも謎多い青年。身籠った姫を心配した両親が、青年の素性を調べるために、庭に赤土を撒き、糸巻の麻糸を針に通して青年の衣の裾に刺すようにと言いました。
翌朝、糸は鍵穴を通って、後に残っていた糸巻は三勾(みわ)だけでした。

さらに糸を辿っていくと、三輪山の社へ到着。そのことから、青年の正体が大物主大神とわかり、お腹の中の子は神の子と知ったのだそう。
糸巻がわずか三巻(三勾みわ)残っていたことから、美和(三輪)という地名になったそうです。

ちなみに、この神の子が初代天皇神武天皇の妻となり、現代まで続く皇室の基となっています。

大物主大神と倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の恋話

第七代孝霊天皇の娘である姫は聡明な姫として知られていました。

この姫の夫は夜しか現れず、顔を見たいと願う姫に、姫の櫛を入れた箱に入るが翌朝に見ても決して驚いてはいけないと申し伝えます。

翌朝、箱を開けた姫は中に白蛇がいるのに驚き悲鳴を上げてしまいました。
その白蛇は大物主大神が姿を変えた白蛇だったのです。

約束を破ったことに怒った大物主大神は姫に二度度会えぬと伝えて、三輪山へ帰ってしまわれました。
後悔した姫は箸で自害し命を落とします。姫を弔った墓とされるのが三輪山の近くにある箸墓古墳です。

⇒ 山の辺の道の記事はこちら
チェック 山の辺の道の南コース、おすすめルートとプラン。万葉歌碑(万葉集)もこのコース

大物主大神の姿を変えたお姿が白蛇であるということは古事記のその他の話にも出てくることから、大神神社では巳も祀っています。

境内にあちこちには酒の神様ということから日本酒が、巳の神様ということから卵がお供えされています。

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大神神社 三輪山登拝方法は?所要時間なども。

三輪山登拝をする方法と所要時間

いよいよ、三輪山に登拝すると決心したら、大神神社へ向かいましょう。
第1章でも触れましたが、決して「登山」感覚で入山してはならないといわれています。

パワーが強い分、山での行動の不備が自分に跳ね返ってくるのでしょうか・・・。

さて、三輪山登拝方法をまとめてみました。

入山までの手順と一緒に、境内のスポットもあわせてご紹介。

三輪山登拝

受付時間:午前9時~午後14時(時間厳守です)
下山報告:午後16時まで   (時間厳守です)
登拝料: 300円  (団体申し込みは不可です)
入山登拝禁止日:1月1日~3日、2月17日、4月9日、4月18日(午前のみ)、10月24日、11月23日

※気象状況、その他の状況で入山禁止となる場合があるそうです。

登拝手順と申し込み方法

①祓戸神社へ参拝

二ノ鳥居から参道を歩くと左手に祓戸神社があります。

ここにまず参拝し、心身を清めていただきましょう。

祓戸神社で心身を清めてから参拝しましょう 

祓戸神社で心身を清めてから参拝しましょう

②手水舎で清める

手水舎にて清めましょう。

③拝殿に参拝

三ツ鳥居にて人間界と結界が張られています。

三ツ鳥居拝観を希望の方は参集殿で申し込みましょう。

④夫婦岩

拝殿に行く階段の前にあります。
この岩も神様が宿る「磐座」です。夫婦円満のご利益があります。

⑤巳の神杉

大物主大神の化身とされる白蛇が住むという伝説から名付けられた御神木で樹齢は約500年。
拝殿の右手前にあり、ここへも多くの人がお参りをされています。

お酒と卵がお供えされています。

⑥参集殿のなでうさぎ

願い事が叶うという「なでうさぎ」帰りに撫でにいくといいでしょう。

⑦くすり道

拝殿から左方向に案内図に「くすり道」と書かれています。

薬の神様「狭井神社」への参道です。

数々の薬草が奉納され植えられている小道を狭井神社(さいじんじゃ)方向へ向かいましょう。

くすり道から狭井神社へ

くすり道から狭井神社へ

⑧磐座神社 

くすり道を歩くと右手に社殿のない磐座があります。
「神農さん」と呼ばれる薬の神様、少彦名神をまつっています。

⑨狭井神社

三輪山登拝の申し込み場所、入口となっています。

狭井神社

狭井神社

ご祭神の荒魂を祀る延喜式神社です。

力強いご神威から病気平癒、身体健康の神様として、全国から参拝に訪れます。
『薬井戸』が境内にあり、万病に効くという御神水を汲みにやってくる人が後を絶ちません。

※空のペットボトルを必ず持参しましょう!

三輪山に入山すると飲食は禁止ですが、水分補給のために水を飲むことは許されています。

この「薬井戸」で水を入れていきましょう。
授与所にて販売もされています。

⑩狭井神社授与所にて登拝申し込み

7登拝申し込みを狭井神社でしましょう

受付時には代表者氏名、住所、緊急連絡先を申込用紙に記入します。
登拝料300円を添えて申し込みましょう。

※ロッカーがあるので、荷物がある方は預けましょう。

山頂への道のりは急な道が続くので、荷物は軽い方がオススメです。

⑪登拝章(襷)をいただき、登拝について説明があるのでしっかりと聞きましょう。

⑫お祓いをしましょう。

自身で左、右、左の順にお祓いをしましょう。

⑬登拝です。

注意点に気を付けて、安全、且つ健康に無理をしないように登拝しましょう。

所要時間

個人の体力や休憩するタイミングなどで変わりますが、

片道約1時間~1.5時間

慣れた人で往復時間は約2時間

初心者や体力がない方は約3時間と言われています。
 

大神神社 三輪山登拝の注意点は?服装は? 

前述のように、三輪山そのものが御神体。
そこへ足を踏み入れるのですから、様々なルールがあります。

狭井神社へ登拝を申し込むと説明と一緒に注意事項もいただけます。
きっちと読んで、ルールを守って登拝しましょう。

大神神社 三輪山登拝のルール

◆三輪山登拝 入山心得 十箇条◆

一、 三輪山は御神体です。敬虔な気持ちで登拝をお願いします。
二、 入山前に各自御幣でお祓いをしてください。
三、 入山中は「三輪山参拝証」の襷を首からかけてください。
四、 行程は行き帰り約四㎞です。
五、 登下山に要する時間は約2~3時間です。
六、 山中での飲食はできません。
七、 山中の草木、土、石は採取できません。
八、 お供え物は必ずお持ち帰りください。
九、 宗教活動及び勧誘行為などは慎んでください。
十、 下山は午後四時までに完了願います。

これ以外に、申し込み時に「禁止事項」として

ポイント 火器の使用
ポイント カメラなどの撮影
ポイント 水分補給以外の飲食
ポイント 三輪山の中では「お参り」だけにとどめてください。

など、の約束事があります。

道中も他の神社仏閣とは違い、静かに登る人が多いのが三輪山。

また、神社では案内されませんが、昔から、入山中の出来事などは他言してはいけないと言われています。

三輪山登拝 服装は?

急な登りが続きます。特に雨のあとなどは滑りやすいので、トレッキングシューズなどグリップの効いたシューズがオススメです。

道中、裸足で登拝人に出くわします。
「神聖な山を靴で歩くのは失礼にあたる」という考え方からはじまったようで、その数が多くなったためか、社務所横には靴置き場や足を洗う場所があるそう。

私は狭井神社では気づきませんでしたが、天候のいい時などは特に多いのかもしれません。

また、服装は体温調節ができるもの。
これも低山やハイキングをイメージして着るといいでしょう。

ただし、肌を露出する服装(短パンやタンクトップ)はやめましょう。

そして、必需品は汗拭きタオル。
冬場でも汗をかくので必要です。

山の中では虫であっても神域です。
殺生できないので、虫除けスプレーなど虫に刺されない服装をしましょう。

その他の注意点

山中はトイレがありません。
必ず狭井神社(鳥居前左に入ったところ)や大神神社参集殿などで済ませておきましょう。

登り口で杖が借りられます。登りだけでなく下りは疲れた足が頼りなくなってしまいがち。
杖を借りて安全に登拝しましょう。

無理しないで杖を借りましょう

無理しないで杖を借りましょう

大神神社 三輪山登拝のまとめ

大神神社の御神体、三輪山への登拝は神そのものに触れることができる貴重な体験。
そのため、入山に関してのルールがあるので、しっかりと守って登拝しましょう。

高低差は約300mほどですが、ほぼまっすぐに登るので、かなりの体力や脚力が必要です。

一歩踏み入れると、そこは全くの神の領域です。
ぜひ大神神社へ参拝は三輪山登拝をして、神様に参拝されてはいかがでしょうか?

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