せっかく素敵に木や草花を植えても、土がむき出しだとアンバランスですよね。
土の流出や乾燥、直射日光など植物の根を傷めたりする原因にもなります。
そこで活躍するのがグランドカバー。
低木、常緑植物など様々種類がありますが、おすすめなのがハーブでグランドカバーすること。
花も咲き葉の色も豊富、香りも爽やか。飾るのは勿論、お料理やポプリに使えたり、虫除けになったり、リラックス効果を与えてくれたり・・・と良いこと尽くめ。
踏んでも耐えてくれるハーブのグランドカバーは結構あるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
歩く度、素敵な香りに包まれますよ。
目次
グランドカバーになるハーブ ~ボーダーガーデン編~
シンボルツリーやバラ、季節の草花を植えると、足元が寂しいと思う事はありませんか?
庭の小路沿いのスペースも気になりますよね。
そうした、ちょっとしたスペースにハーブを植えてはいかがでしょうか?
小路沿いだと『ボーダーガーデン』にするのがオススメ。
同じ品種のハーブを小道に沿って植えます。
ハーブは匍匐性のものや、こんもりと茂る種類が多いので、ボーダーガーデンにとても適しています。
イングリッシュガーデンのようなイメージで植えるといいでしょう。
シンボルツリーやバラ、その他の花の咲く低木などの手前に植えると、それらの花や木を引き立てつつ、小道を素敵に彩ることができます。
また、駐車場や前庭から裏庭へのアプローチなどの小路沿いに植えるのもオススメ。
ワクワクした気分でメインガーデンへ誘ってくれることでしょう。
そんなボーダーガーデンにオススメのハーブをまとめてみました。
特性に応じて、日当たりの良い場所、日陰、乾燥した場所など、それぞれの品種に合った場所に植えると失敗がありませんよ。
ラベンダー
ハーブと言えばラベンダーを思い浮かべる人が多いことでしょう。
木本性ですが、草花として扱われることが多い常緑低木です。
日本には不向きなラベンダーをグランドカバーオススメに挙げるのは、成功した時の効果が大きいからです。
こんもりと紫色に茂るグランドカバーは素敵ですから。
ラベンダーには様々な品種があり、特性も品種ごとに違います。
花の香りと美しさではアングスティフォリア系のイングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)が一番なのですが、高温多湿には不向きです。その反面、寒さにはとっても強いので、北海道のような積雪の多い場所でも大丈夫な品種です。
お住まいの地域関東以北、暑すぎず乾燥しやすい土地なら大丈夫!
ホームセンターなどで「ふらのぶるー」や「ヒッドコート」「富良野ラベンダー」というタグをつけて販売されているのもアングスティフォリア系です。
20㎝ほどの倭性種はグランドカバーとしても使えます。
どの品種にしても、基本的にラベンダーは高温多湿が苦手です。
本州で植える場合は、蒸れないようにするのが、枯らせないポイント。
株元が蒸れたり、土に湿気があったりすると株元の葉が変色してしまいます。
土壌改良で水はけの良い土にして、根元の風通しに気を付ける、そしてちょっと土を盛って植えてやるだけで、関西でも育っています。
極めて水はけの良い土壌改良をして、根元にバークや軽石などを敷き直射日光を当てないこと、西日に当てない事、梅雨には根透かしの剪定を行うことに気を付けると蒸れて枯れることを防止できます。
株元を透かすと、グランドカバーの役割を果たさないのでは?と小さな株を植える時は不安になるかもしれません。
そこは、グッと我慢しましょう。生育が旺盛なので、すぐにこんもりと茂ってくれます。
なので、株を何株か植える際にも成長した姿をイメージしたスペースを空けるようにすると蒸れを防止できますよ。
イングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)よりも初心者にオススメなのが
ラバンディンラベンダー。
生育旺盛でこんもりと茂るのでアプローチのグランドカバーにオススメです。
コモンラベンダーとスパイクラベンダーの交配種で、比較的暑さにも強く、香りも豊かです。
グロッソは株の間を開けましょう。
また、高温多湿に強い品種の「スーパー・セビリアンブルー」は暑さ、寒さに強く、病気にも強い日本で改良されたラベンダー。
ラバンディンラベンダーは大きく育つ品種が多いので、花壇などの広いスペースのグランドカバーにもオススメです。
基本的には「寒さに強く高温多湿は苦手」なラベンダーです。
それでもイングリッシュガーデンに憧れて、グランドカバーにラベンダーを植えたいと思う人はチャレンジしてみるといいと思います。
花が咲いて、アプローチを彩る様子やいい香りに包まれた時は、頑張って育てた甲斐があった!と思わせてくれますよ。
根透かし剪定をした時に、グランドカバーとして寂しくなるかもしれません。
他の常緑のハーブと組み合わせることでバランスが保てますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
また、乾燥させてドライフラワーやポプリにできるのもラベンダーのいいところ。
香りはリラックス効果を与えてくれるだけでなく、ポプリにして袋に入れたものをタンスに入れると虫除け効果もあります。
オレガノ
ちょっとした日陰でも茂ってくれるので、扱いやすいハーブです。
ハナハッカという和名もある多年草で、耐寒性もあり育てやすいですが、やはりオレガノも多湿は苦手なので蒸れ過ぎないように管理する必要があります。
地下茎で広がるので、グランドカバーとしての役割をきっちり果たしてくれます。
挿し芽や株分けで増やせるので、空いたスペースを埋めるのも簡単。
触れると、とってもいい香りがするだけでなく、イタリア料理には欠かせないハーブです。
繁殖力が旺盛なので、グランドカバーにピッタリのハーブです。
お料理のハーブとしても定番ですし、ポプリ、製油、ドライフラワー、入浴剤など様々な用途で使い、ハーブ療法として服用にも使われています。
妊娠中は服用しないようにしましょう。
グランドカバーになるハーブ~踏んでも大丈夫なハーブ編~
この章では踏んでも大丈夫、踏みつけにも耐えてくれるハーブをまとめてみました。
踏みつけに強いハーブは匍匐性のものが適しています。
石畳の目地に、ちょっとしたスペースに耐踏性のハーブを植えると、踏むたびにいい香りがして、庭で過ごすのがさらに素敵な時間となることでしょう。
ローマンカモミール
カモミールには「ローマンカモミール」と「ジャーマンカモミール」がありますが、グランドカバーにオススメなのがこちらのローマンカモミール。
踏みつけにも耐える優秀なグランドカバー植物としてだけでなく、「植物の医者」との別名の通り、コンパニオンプランツとしても力を発揮してくれます。
成長が遅いので、繁殖力旺盛で管理が大変ということが無い反面、芝生の代わりに使うには時間と手間がかかるので、小さいスペースのグランドカバーや香りのベンチなどに使うといいでしょう。
リラックス効果のある香りからアロマテラピー、入浴剤、ポプリなど万能のハーブです。
こちらも妊娠中の使用は控えましょう。
また、キク科のアレルギーの人は栽培も使用も注意が必要です。
クリーピングタイム
タイムも様々な品種がありますが、クリーピングタイムは匍匐性なので、グランドカバーに適しています。
殺菌防腐効果が高いことから、紙類の虫食い予防に使われました。
常緑で、小さな花を咲かせます。
耐暑性がありますが、やはり蒸れや多湿には弱いので、水はけの良い土壌に植えましょう。
特におすすめの使い方は、花壇のグランドカバー。
花壇を一つのポットとして捉えた寄せ植えのスパイスとなる存在です。
また、石畳やブロックの目地に使用するのもおすすめ。
歩く度にいい香りがしますので、日常生活に自然にハーブの香りを取り入れることができます。
コルシカミント
ミントはタイムと同様、様々な品種があります。
5mmほどの小さな葉を持つ小型の匍匐性ミント。
ペパーミントのような爽やかな香りで、薄紫の小さい花も楽しめます。
やや日陰を好むので、日当たりの悪い場所のグランドカバーに適していますが、耐寒性があまりないので、寒い地域では育てにくいかもしれません。
グランドカバーにおすすめのハーブ~虫除け効果編~
虫除け効果と一概にいっても対象となる虫は様々です。
このハーブにはこの虫除け効果があるというと、万能選手のようにどんな虫に対しても効果があると思う人が多いかもしれません。
多くのハーブの虫除け効果は、特定の虫に対して「忌避効果」があるというのが正しいでしょう。
また、ハーブはアロマで御馴染みの精油として濃縮して精製されますが、それくらいに濃縮してこそ、顕著な効果があるという研究者もいます。
この章では、グランドカバーに使えて、虫除け効果があるものをまとめました。
最初の章でご紹介したラベンダーも虫除けとして、フランスの農家では玄関にドライラベンダーを束ねたものを床に置き、それを踏んで室内に入るという習慣があったそうです。
ハーブはナチュラルなものですが、古代から民間療法の薬として使用されてきたこともあり、様々な効果がある反面、毒性があるものもたくさんあります。
庭にグランドカバーとして植えるくらいでしたら、大丈夫かもしれませんが、小さいお子さんやペットが口にする場合、アレルギーを持っていたり、妊婦さんや授乳中の方は、アロマやポプリでも特に気を付けましょう。
ペニーロイヤルミント
匍匐性のミントです。
効果がある虫はアリとノミとカメムシ。
殺虫効果ではなく忌避効果です。
毒性について、まだ知られていなかったその昔、我が家の犬たちは、昔はペニーロイヤルミントのドライポプリの首輪を使用していました。(現在はダニ予防のために専用の予防薬を使用)
一定の効果があったので、ペニーロイヤルミントはノミに効果があると思います。
今もノミ除けハーブとして商品が出ていますが、毒性が解ってから我が家では犬には使っていません。
ピンク色の花も咲かせるので、香り、花に加えてノミ除け効果があるということから、ペットが庭で遊ぶことを考えて、グランドカバーするといいでしょう。
薬用ハーブとしても紹介されている記事も見かけますし、園芸店でハーブティーにとタグに書かれていたりする場合がありますが、プレゴンという肝毒性があるのでご注意を。
飲食、食用には使用しないようにしてくださいね。
特に妊婦さんや授乳中のママさんは注意してください。昔は堕胎の薬として服用されたハーブです。
繁殖力が高く、雑草を駆逐するくらいだそうですが、我が家では小さいままであまり増えていません。やはり湿気などが影響しているのでしょう。
グランドカバーにおすすめのハーブのまとめ
グランドカバーとしてハーブを使用すると、花や葉の色だけでなく香りも楽しめます。
そして何よりも、土の温度が上がり過ぎたり、土砂が流出したりすることもできます。
背丈が低いグランドカバーとして使用するのなら、クリーピングタイムがオススメ。
また、こんもりと低木としてのグランドカバーがお好みなら、ラベンダーもいいと思います。
そして、虫除けハーブとしてはペニーロイヤルミントがおすすめですが、毒性もあるという研究が最近発表されているので、使用方法には注意が必要です。
それぞれのハーブの特性、適した環境栽培でハーブを楽しまれてはいかがでしょうか?