猫ブームの昨今、一匹だけでなく、多頭飼いする人も増えてきているようです。
でも、猫の多頭飼いにはメリットもデメリットもあります。
でも、新しいにゃんこを迎える前の注意点として、自身の許容範囲を慎重に考えてみましょう。
大切な家族の一員となるにゃんこ、飼う側、飼われる側双方にとって幸せな環境になるためにも、多頭飼いのメリットとデメリットを知るべきです。
これからもう一匹家族として迎えたいと思っている方はぜひ参考なさってくださいね。
目次
猫の多頭飼いのメリット
我が家には昔からずっと猫が居ます。
一匹の時もあれば、多頭飼いの時もあり、様々な事を共有した時間はかけがえのない想い出となっています。
一匹の時、多頭飼いの両方を経験していること、また、両親や知り合いでも多頭飼いのケースが多い事から、様々な視点から、猫の多頭飼いのメリット、デメリットをご紹介したいと思います。
まずは猫の多頭飼いのメリットについて。
猫自身の寂しさが解消される
仕事に出かける時、また外出する時に、寂しそうにするのは犬だけではありません。
にゃんこも、寂しそうに玄関までついてきたり、なんとも言えない瞳で見つめたりということもあるのです。
実家で飼われている猫たち、親子、兄弟のにゃんこたちでしたが、仲の良い兄弟が先に逝ってしまうと、その相棒の悲しみようは、それは傍から見ていても悲しそうな様子でした。
それほど、猫同士の絆は深いものなのでしょう。
その絆の対象が猫一匹だと飼い主なります。にゃんこの愛情を独り占めできますが、その分、お留守番の時は寂しい思いをさせてしまうでしょう。
帰宅したら喉を鳴らしながら飛んで迎えてくれます。
きっとお留守番の時は寂しい思いをしているのでしょう。
そんな寂しさが解消される、それが多頭飼いのメリットの一つです。
猫のいたずらが減る。
これは①の影響でもあるのですが、寂しさからストレスが溜まり、いたずらをするケースがあります。
多頭飼いだと、遊ぶ相手がいるので、家具や電化製品などにいたずらするリスクが減ります。
飼っている人の心が癒される。
猫はルックスも様々ですが、性格も本当に様々です。
同じ兄弟であっても性格が全く違ったりします。
その個性が愛らしく、そして見ているだけで癒されます。
一匹だとその対象がひとつですが、二匹だと倍増。さらに増えると・・・。
頭数に対して癒され度も比例していきます。
猫それぞれのおかげで飼っている人の心が本当に癒しで満たされますよ。
ペットロスのダメージが少ない
ペットと一緒に生活していて、いつか必ず経験すること、それが「別れ」です。
犬や猫に囲まれている私でも、これは絶対に慣れません。
でも、多頭飼いだと、この心のダメージがほんのちょっぴり、少ないように感じます。
他に代わりのにゃんこがいるから・・・。
というのではなく、
他のにゃんこがいることで、「逝ってしまったにゃんこの存在」を感じることができる気がするのです。
いつも座っていた場所、寝ていた場所にいないと認識するのが、動物との別れを実感する瞬間でもあり、それは毎日、ふとした瞬間に襲ってきます。
そんな時に他の猫がいると、その猫と遊んでいた様子など、楽しい想い出がよみがえり、それを、他の猫と共有できる気がします。
そうすることで、ペットロスのダメージが、一頭飼いよりも少ないと思うのです。
何よりも、ペットロスの心を慰めてくれる・・・それが多頭飼いのメリットの一つでしょう。
家族で取り合いにならない
猫は気ままと言いますが、気ままというよりも、意思がはっきりしていると言えるでしょう。
同じ家族と過ごしていても「寝る時はこの人の足元で」など、自分の意思をはっきりと押し通します。
大好きなにゃんこと一緒に眠りたいのは、家族の誰しも思うことでしょう。
そんな時、多頭飼いだと取り合いになりません。
もちろん、ある一人が「にゃんこに熱烈に愛されて、人気ナンバーワン」になれば別ですが・・・・。
不思議なもので、猫は眠るときなどは相手を独占したくなる傾向にあります。
多頭飼いで友達や兄弟にゃんこと一緒に寝たがる猫もいますが、飼い主家族の誰かと決めて、その人と一緒に寝ると決める猫も多いようです。
一匹でしたら、猫の意中の人になるべく、家族みんな争奪戦でしょうが、多頭飼いだと、だれか自分と一緒にいてくれる、そんな可能性がアップします。
猫の多頭飼いのデメリット
では、反対に猫の多頭飼いのデメリットはあるのでしょうか?
残念ながら、あるように感じています。
それをまとめてみようと思います。
猫が相手をしてくれなくなる
これはメリットのに関係します。
猫が一匹だと、猫の遊び相手も甘える相手も常に飼い主です。
その猫の求愛、甘えを飼い主が一身に受けることができます。
でも、多頭飼いだと、友達にゃんこ、兄弟にゃんこに甘えて猫の愛情は飼い主に100%ではなくなります。
寂しさがまぎれるということが多頭飼いのメリットであるということは、寂しいよ~と甘えてくれることが減るという事。
さあ、にゃんこと遊ぼうと思っても、猫同士で遊んで相手をしてくれない・・・。
なんて、ことになってしまうこともしばしばあります。
家にダメージが発生する
心理的なダメージではなく、これは物理的、現実的なダメージです。
猫は爪とぎをしたがります。爪とぎマットを置いていても、気ままで自由なにゃんこです。
飼い主の意図した場所以外で爪とぎをすることもあります。
また、障子が破れたり、毛が舞ったり・・・。
ダメージは頭数に比例するといえるでしょう。
メリットの一つに「いたずらが減る」と挙げましたが、これは一匹だけで寂しく、遊び相手がいないからのいたずら。
猫同士、プロレス遊びをして、ヒートアップして壁をよじ登る・・・なんてことは、猫を多頭飼いしているとよくある光景でしょう。
とはいっても、これは性格にもよるので、一概には言えません。
実家の猫はある使命感に燃えていました。
ある技術を磨くべく、毎日トレーニングを欠かしませんでした。
それは「障子の枠に当たることなく、いかに美しく潜り抜けることができるか」というものです。
廊下でじっと狙いを定め、障子に美しい穴を開けていました。
しまいには、そのお気に入りの枠だけ障子を取ったことで、潜り抜けトレーニングへの興味は薄れてしまいましたが・・・。
多頭飼いの弊害ではなく、これはこの猫の性格なので、一匹で飼っていても、多頭飼いであっても関係なかったでしょう。
こういうケースもありますが、やはり多頭飼いだと、家具や建具などへの影響が大きくなるでしょう。
また、毛の量も違いますし、引っかいたり、吐き戻しなど、汚れや破損のリスクは増える、これは明らかなデメリットでしょう。
コストがかかる
これは文字通りコストアップということです。
フード代、グッズ代、獣医代と買うにゃんこの数に比例して増えます。
よくTVで猫屋敷などと紹介され、動物愛護団体が劣悪な環境下にいる猫たちを保護する様子を見ますが、この問題の大きな点は「猫にかける費用がなくなった」ということが挙げられるでしょう。
費用がないと、適切な医療(避妊、去勢含む)ことが出来ず、自家繁殖で増えてしまいます。
また、トイレも適当な数で設置できず、家自体がトイレに・・・なんてことも起こります。
そうすると、家のダメージが②でご紹介したダメージとは比べ物になりません。
猫の糞尿で床や壁が腐ってしまう・・・なんて事態になりかねません。
また、適量のフード、適切な医療を受けさせてあげないと、猫の生育環境が著しく損なわれ、不健康な状態になってしまいます。
猫を捨てにくる人がいる
昨今では猫も犬と同じように、猫を外に出す人が少なくなってきました。
人に迷惑をかけない為、猫の安全を守るため、室内飼いするのが当たり前になりつつあります。
でも少し前は、自由に家から出入りしていて、「ああ、この家は猫ちゃんがたくさん飼われているな」と地域の人に認識されると、猫を捨てる場所のターゲットとなるリスクがありました。
私が子供のころは、実家の猫たちは自由に生活していたので、ご近所では猫のたくさんいる家、と認識されていました。
そうすると、子猫や保護した猫を捨てに来る人や、猫をもらってくれないかと頼みに来る人がありました。
猫を飼っている人なら、一匹くらい増えても飼ってくれるだろう・・・
そんな心理が働くようです。
多頭飼いの頭数制限がルーズになる可能性
不思議なもので、
「猫を飼おう」と一匹目に関しては、みんな結構悩み、吟味し、自己決断を客観的に見ることができます。
それが、二匹目になると、その意識が少し減り、三匹目になると、その境界線はかなりルーズになるようです。
頭数制限に対する意識がだんだん麻痺すると危険です。
猫屋敷になってしまうかもしれません。
猫の多頭飼いの注意点と解決方法。無秩序に増やさないで!
前章でメリットとデメリットをまとめてみました。
もちろん、これらは一例で、猫の性格はもちろん、飼い主の性格や住居環境、経済状況などで猫を取り巻く環境は大きく変わります。
そしてその違いがメリット、デメリットの減少へも影響があると思います。
猫の多頭飼いの、注意点を書きます。
それでもに挙げた
猫が寂しがらない⇔猫が相手をしてくれなくなる
にあるように、ほとんどのメリットとデメリットは『表裏一体』
ちょっとしたきっかけでメリットはデメリットになりますし
デメリットはメリットになるでしょう。
そして、ここで注意点です。
デメリットになってしまうと「無秩序な多頭飼い」となってしまいます。
そんな状況の解決方法をまとめてみました。
注意点1:一度に同じ年齢の猫を飼わない。
兄弟に限らず、同じ年齢の猫を同時に飼うと、猫同士の絆が深くなります。
犬は狼に代表されるように、群れで生活しますが、猫もやはり兄弟や親子の絆を大切にします。
ライオンは家族単位で生活しますよね。
猫もやはり親兄弟、友達は大切に感じるようです。
兄弟で飼わない、同じ年齢の猫を同時に飼わないということで、メリット、デメリットのを防ぐことができるでしょう。
また、飼い主と猫との関係を「一対一」の期間を設けることで、飼い主との絆が深まります。
そして、これは家へのダメージも軽減してくれます。
一対一で関係を築くということは、絆を深めるだけでなく、「家の中マナーを躾ける」という面でも大切です。
そうして、躾けられた猫が「先住猫」となり、そこへ新しいにゃんこがやってきたら、自然と先住猫にマナーを教えてもらえます。
これは逆の効果もあるので要注意です。
先住猫のマナーが悪ければ、後から仲間入りするにゃんこも同じような行動をとってしまう可能性が大です。
注意点2:自分の許容範囲を守る
猫と飼い主、双方の健全な環境の為にも自分の許容範囲はしっかり守りましょう。
経済的許容範囲
スペース的許容範囲
精神的許容範囲
上記の三つを守ることで、家に自分の許容以上の数がいることで、落ち着かない・・・・なんてことにもなりませんし、経済的に疲弊することもないでしょう。
また、世話や掃除に追われることもなくなります。
自分の許容範囲をしっかり決めて、そこからはみ出さない事。
これが無秩序な多頭飼いを防ぐことになるでしょう。
猫の多頭飼いのメリット デメリットのまとめ
飼い主の心を癒してくれるにゃんこ。寂しがり屋でいたずら好きのにゃんこ。
そんな愛らしい猫の多頭飼いのメリット、デメリットは表裏一体。
寂しがらないようにと、猫をもう一匹迎え入れたら、猫の愛情が自分から離れてしまったり、寂しがってストレスが溜まり、家具へのいたずらを防ごうとしても、猫同士がヒートアップして遊んで、家の中にダメージが発生したり・・・。
いずれも、表裏一体と思いませんか?
なりゆきまかせ、一時の感情で頭数を増やすなどの無秩序状態に傾くと多頭飼いはデメリットになってしまいます。
大切なのは、多頭飼いするのなら、自信の許容範囲をしっかりと見つめて、それを守ることでしょう。
そうすれば、幸せな猫の多頭飼いライフを過ごすことができると思いますよ。