東大生が三人に一人は公文指揮経験があるという。
昔から「自学自習」の定番である公文。そんな公文のデメリットについて、検索してみたらたくさんのヒットが!
そこで、子供を習わせてみた立場から見た公文のメリット、デメリットをまとめてみました。
また公文のオススメ教科や効果的な学習法もご紹介。
私の子供も公文に通っていたので、メリットやデメリット、知っているつもりです。
これからはじめようと思う方も、現在習っていて悩んでいる方もぜひ参考になさってくださいね。
公文の7つのメリット
うちの子は公文を2年の終わりころに始めました。入塾(小3の2月である新小4)時期までの約1年間限定でお願いして公文教室へ通うことに。
そんな経験からメリットをお伝えしようと思います。
学習習慣が身につく
よくCMに「自学自習」というフレーズが流れていますよね。
塾のように先生が一方通行で講義するのではなく、公文はひたすら「プリント」をこなします。
中には幼稚園に入るか入らないかで(ベビー公文などは別として)、公文の学習をスタートするお子さんもいます。
なので、CMで流れているように「自学自習」というのではなく、ある意味親がセッティングした「学習の習慣」を強制的に確保するという意味合いが大きいと思います。
だって、好きで自分でどんどん進めるお子さんだったら、公文でも市販の問題集でも親の誘導やフォロー無しに学習するでしょうから。
我が子がそんな神童だったら・・・。もう公文も進学塾もいらないでしょう。
公文の凄いところは「どんなお子さん」でも学習習慣が強制的につくという点でしょう。
もちろん親の管理やチェックも必要でしょう。
宿題のプリントを毎日決まった枚数、「歯磨き習慣」のように学習する。
それが「当たり前」という環境に持っていくのが公文の最大のメリットです。
やらない日はなく、「やらなかった気持ち悪い・・・」となったらしめたもの。
教室にもよりますが、週に2回は最低教室に通って宿題を提出、教室で学習(ここで定着をチェックされる)するので、否が応でもプリントを仕上げなければなりません。
反抗期などに入る前に公文で「プリントするのが当たり前」という習慣がつくと、公文も楽ですし、何よりもその後、受験塾などへ移行する時も楽ですよ。
すでに、学習習慣がついているというのは、学校の宿題はもちろん、通塾した際にも大きなメリットです。
先取り学習ができる
幼稚園児でも、面白いくらいにどんどん学年を進めるお子さんもいます。
低学年で中学生の学習をしているお子さんも多いくらい。
ぴたっと公文が合えば、水を得た魚のように、どんどん先取り学習が可能です。
もちろんこれは、「先取り学習」に限りません。
学年相当か少し前から始めるお子さんが多いようですが、ずっと戻って学習するお子さんもいるようです。
それでも、気づけば学年相当を通り越して先取り学習になっている・・・というケースがほとんどだそう。
繰り返しのプリントで、苦手な単元を「できたつもりにならない」ための工夫が、プリントの繰り返し学習にあるというわけです。
先取り学習ができること、これは受験塾の入塾にも大きなメリットとなります。
計算が早いというのは大きなアドバンテージですが、中学分野などを学習しておけば、特殊算なども柔軟に学習することができるでしょう。
国語においても、学年を超えた文章に触れることで「読書」に対して抵抗感が薄れます。
難しい文章でも、「続きを読みたい」と図書館で借りていましたね。
子供の躓きと好奇心、両方に臨機応変に対応できるシステムが公文で、その結果、先取り学習ができるというメリットがあるというわけです。
基礎学力が身につく
「読み書きそろばん」と昔から言いますが、この全てが公文にあてはまると思います。
基礎学力が身につくということは、学校生活においても、受験においても大きなメリットです。
学校での学習が困らないという点。
宿題に時間がかからないという点。
基礎学力が身につくと応用力を育てる時間が確保できるという点。
これらの点は大きなメリットです。
そして何よりも
自分はできるんだ!
という自信は子どもにとって大きな力となるでしょうし、更なる好奇心や向上心を育ててくれることでしょう。
月謝が安い
月謝が安いのも大きなメリットです。
最近のお稽古高いですよね・・・。
公文は
立地、教室に関係ありません
プリントの枚数関係なし。
ピアノなどは「上級になればお月謝がアップ」という教室も多いです。
公文は幼児・小学生、中学生、高校生で費用は変わりますが、進度による学年は関係なく同じ月謝です。
例えば、小学生低学年が中学生過程を学習していても、小学生の月謝料金というわけです。
もちろん、躓いて何度もプリントを繰り返しても、希望してプリントの枚数を増やしてもらっても費用は変わりません。
我が子がお世話になっていた時、ちょっとペースを上げたいなと思ってプリントの枚数を多くリクエストしましたが、これも費用は変わりませんし、嫌な顔もされませんでした。
逆に褒めて励ましていただけました。
進学塾では最近低学年からのクラスも増えてきましたが、お月謝は公文の倍以上するところがほとんどです。
学習内容が違うので比べるのはナンセンスですが、費用面から考えると「学習系のお稽古」としての公文は良心的といえると思います。
決まった時間に行かなくても良い
これ、本当に助かりました。
小さいお子さんは疲れて眠い時もありますよね?
そんな時も、教室へ行く時間を気にせず、少し休ませてから行かせることができます。
また、お友達と遊ぶ約束をしてきたり、病院に行く必要があったりと、「急な予定」が入っても大丈夫。
ワーキングマザーにとってもこのシステムは本当に大助かりでした。
学童から直接公文に行ってそこで過ごしてピックアップできる、これは大きなメリットでした。
各種検定に強い
英検や漢検の指定会場になっている教室も多い公文。
元々、公文の教材は英検にも対応できるような教材ですが、英語に力を入れている教室などは英検対策もばっちりです。
うちの子はイーペンシルがお気に入りで、最初は「そんなので発音できるようになるの?」と思ったのですが、気づけば綺麗な発音でびっくりしました。
それぞれの検定が公文での学習量で足りるとは思いませんが、会場になっていることから、受けましょうと誘導してくれるので、子供が自然に検定を受ける形へ誘導してくれます。
自主性が育つ
と関係しますが、自学自習することでの「自主性」が育つのはもちろん、学習に対する意欲と向上心から、自主性が育つというメリットがあります。
具体的にいうと
3学年進んだ進度で学習すると表彰されます。
小学生の子供って表彰されると喜びますよね。
1等賞を取らなければトロフィーがもらえないのではなく、学習をどんどん進めるだけでトロフィーがもらえるのです。
我が子はこのトロフィーが欲しくて頑張っていた節もあります。
いただいた時は、小さいトロフィーなのにとても嬉しそうでした。
こういう達成感を得ることで自信と学習へのモチベーションがアップする。
そして、もっと頑張ろうと学習に対する自主性が育ちます。
親に強制されてするのではなく、スポーツなどと同じように子供が自分で上を目指す自主性。
これもメリットですね。
公文の5つのデメリット
では、公文のデメリットはあるのでしょうか?
ネットで検索してみるとたくさん出てくるので驚きですよ。
おそらくその多くは「公文の学習システムが合わなかった」お子さんや親御さんの感想によるものだと思います。
自学自習の習慣がつくといっても、親がほったらかしでは低学年のお子さんが一人でプリントを黙々することは少ないはず。
やはり、親の管理や励ましなどがあってこそ。
また、「プリントを機械的にこなすだけなので、思考力や応用力が育たない」というデメリットを挙げる人が多いです。
知り合いの小学校教師もこのコメントを挙げていました。
ただ、これは公文で扱う単元によるものだけで、システムやプリント学習の弊害ではないと、実際に通わせて感じています。
つまり、特に算数は思考や応用を必要としない単元がほとんどのカリキュラムなので、そこから「思考力が育たない」となったのだと思います。
野球で例えるならば
「キャッチボールとバッティングだけで試合に勝てない」
だからキャッチボールとバッティング練習は無駄!というのに例えられるのかも。
もちろんゲーム方式の練習も練習試合も必要です。
つまり公文で扱う学習は基礎学力に特化した分野で、学習過程全てではないという点。
これを過大に期待して通わせたり、足りない部分(応用問題、思考問題)を学習させなかったりということから、問題となるのだと思います。
それでも、ちょっとしたデメリットがあるのでそれをまとめてみましょう。
即効性に学力があがるわけではない
補習塾のようにすぐさま学力があがるわけではないケースが多いようです。
特に躓いた学年や単元に「遡って」学習するわけですから、現学年の単元がすぐにできるようになったり、すぐにクリアして学力が上がったりするわけではないでしょう。
メリットに挙げたように基礎学力を上げる公文なのですぐに学力がアップさせたい、入塾時にトップのクラスで入塾したいというニーズには合いません。
先にご紹介したように基礎学力の向上なので「応用問題や思考問題」は別に学習する必要があります。
そしてこれらの問題を学習する上で、例えば算数でしたら計算力が必須となるわけです。
計算で躓いていては応用問題を解けませんから・・・。
ですから、即効性を求める方には合わないというデメリットがあるでしょう。
学習できる科目が3科目だけ
学校での学習に限ってですが(教室によってはフランス語などの外国語があるところもあるので)算数、国語、英語が学習科目です。
国語では古文なども扱うのですが、その他の理科、社会、物理、生物など、学校で学ぶ他の教科を学ぶことができません。
暗記分野などは公文のシステムは合っているのでしょうけれど、
「読み書きそろばん」
という基礎学習に特化した学習教室なのでしょう。
学べない単元、分野がある
例えば算数ならば「図形」を学ぶことはできません。
文章題もないので、これが
「思考力、応用力が育たない」という所以でしょう。
また、少数分野のボリュームが少ないと個人的には感じました。
この少数計算は受験勉強では必須ですから、これをもっと鍛えてくれていれば、ミスが少ないのにと感じましたね。
同じく英語では長文読解もほとんどありません。
国語に関しても、中学受験に直結したものではないと思います。
それでも公文の国語のおかげで国語が得意になったお子さんも多いので、これは個性や能力によってなのかもしれません。
教室による差が大きい
これはどのお稽古や学習塾でもいえるかもしれませんね。
フランチャイズに限らず、中学受験塾でも「〇〇教室では講師がいい。レベルが高い」など良く聞く話です。
それでも、公文はその教室によって全くカラーが違います。
絶対に同じ単元を3回繰り返させる
方針の教室
先生が怖い
教室がうるさい
など、教室によって雰囲気も学習の進め方も違います。
正直言って公文の教室は教室数が多い分「当たり外れがある」と思います。
字が汚くなる
知り合いの小学教師は「字が汚いと思ったら公文に通っている子だった」と言います。
スピード感が必要なので・・・
でも、これはお子さんの性格によるものでしょう。
もちろん、時間制限がある中でプリントを仕上げるので「丁寧な字」はなかなか厳しいでしょう。
それでも、教室によっては「字が汚いと×」という教室もあります。
また、几帳面な性格のお子さんだったら綺麗な字で書いていますし、女の子は綺麗な字で書くお子さんが多かったです。
それでもやはり、時間制限によって、字が乱暴になってしまうデメリットはあるでしょう。
公文のデメリットをメリットにするには?効果的な使い方
前章でメリット、デメリットをまとめてみましたが、公文はある分野に特化したシステムだと割り切れば、デメリットは簡単にメリットに変えることができます。
親が公文に任せっきりにしないこと、これが重要なポイントと思います。
それではデメリットを例に、デメリットをメリットにする方法をまとめてみます。
即効性に学力が上がらない
このデメリットについては少し触れましたが、親が過大に期待することからのギャップによるものが大きいと思います。
「すぐに通知簿がよくなるだろう」
「すぐに計算が得意になるだろう」
「すぐに英語がペラペラになるだろう」
と思ったらきっと「こんなはずじゃ・・・」となるでしょう。
基礎学力を養うという事は、「基礎の取りこぼしを作らない」ということです。
躓いた部分は学年を遡って学習するでしょうし、どの学年でも躓いた箇所は何度もプリントを繰り返します。
躓きを作らないから基礎学力が上がるというシステムを理解することで、親の希望とのギャップが小さくなるでしょう。
基礎って大事です。
初めに野球のことを例に挙げました。
キャッチボールとバッティングだけ!
でもこの反復は大事です。
実践だけやっている人に比べて、後々この基礎練習は大きく開花します。
学習できる単元が3科目だけ
理科や社会、中学生以上あれば物理や生物、公民など暗記分野もあればいいのに・・・と思うことでしょう。
これもに関連しますが、公文は
「読み書きそろばん」の基礎学習に特化した教室と理解し、他の教科は塾や通信講座で学ぼうと割り切るといいでしょう。
学べない単元、分野がある
「公文で中学過程を学んでいたのに入塾テストに落ちた」
「入塾時のクラスが下だった」
こんな話も良く聞きます。
公文では算数では、図形や文章題などは扱いません。
なので、入塾テストでそれらを学習していなければ手も足も出ないわけです。
これは単に親が「カリキュラムの補充」をしていないだけなので、それを補充してやると問題解決となります。
図形、文章題は家庭学習や通信講座で学べばいいのです。
それらの分野においても、必ず計算が関係するので、その計算分野を鍛えてくれる公文と割り切るといいでしょう。
この計算で躓いては、応用問題は解けませんから。
柔軟な応用力や思考力をつけたいなら、パズル系の問題を楽しむのも良いでしょう。
入塾テストを見据えているのなら、中学受験を目的としたドリルを取り組むと良いでしょう。
教室による差が大きい
これこそ親の力の見せどころです。
ママ友のネットワークをフルに活用しましょう。
また、ネットでもクチコミをリサーチするのも良いでしょう。
とにかく「評判の良い教室」を探すことが後悔しないコツです。
先生との相性もあるので、評判の良い教室を何教室かピックアップしたら体験教室へ行きましょう。
そこで、その教室の方針を確認することも重要です。
「絶対に確実に定着させるために最低3回は繰り返させます」
という方針の教室もあります。
そのおかげで基礎の取りこぼしがなく、確実に学力の土台が築けると評判の教室もあるでしょう。
我が子のケースでは「受験塾へ入塾まで限定期間」ということがあったので
「無駄な繰り返しはさせない」という方針の教室を選びました。
もちろんいい加減に進めさせる教室ではありません。
理解して定着している部分はさらっと一回で、どんどん進めてくれる教室なので助かりました。
中には「どれだけ理解していても、公文は繰り返し学習方法です。必ず全て最低3回、怪しかったら5回繰り返してもらいます」という教室もあるという話も聞きました。
お友達が通っていた教室は理解していても3回繰り返すので進度が進まない・・・とよくぼやいていました。
それでもそのお子さんは慎重なお子さんだったので、親はさておき、本人はストレスに感じてなかったようで、基礎学力が定着し、中学受験塾に入塾後もすぐにトップクラスに上がりました。
字が汚くなる
これは我が子を見ていて思いますが、性格によるところが大きいと思います。
公文のせいで字が汚いというのは、親がきちんと注意してなかったからだと。
また注意していても、聞く耳持たず(うちの子のパターン)というケースもあるでしょう。
女の子は綺麗な字の子も多かったですよ。
また、お習字を習っている子も多いですし、「公文では汚いけれど普段は綺麗に書く」なんて使い分けしているお子さんもいて・・・。
公文のせいで汚くなるというのはちょっと乱暴かなと思います。
お習字を習わせるのもいいですが、学校の宿題などの機会に「綺麗に書く」ということを親が伝えるといいでしょう。
公文のメリットデメリットのまとめ
実際に公文に通わせて感じた公文のメリット、デメリットをご紹介しました。
もちろん、「合う、合わない」があるかと思いますが、公文のシステムはどんなお子さんでも基礎学力と学習習慣がつけられるというメリットが大きいでしょう。
デメリットもありますが、それは親次第で解決できることがほとんどなので、うまく公文を利用すると良いでしょう。