そろそろ家を購入しよう!と決断した時に悩むこと。
それは一戸建てにするか、マンションにするか。そこで一戸建て住宅のメリットとデメリットをまとめてみました。
また、マンションと比較もしてみたので、『家』という大きな買い物をする方必見です。
家を買うだけでなく、維持するだけで結構かかる費用もあるので、購入資金だけでなく維持費も大切です。
あとから慌てないように、購入前にメリットデメリットを考えて決断しましょう。
一戸建て住宅のメリット
住宅購入を考えると、選択肢にあがるのが「一戸建て住宅」か「マンション」か。
厳密にいうと、一戸建て住宅にも新築、中古と違いがありますし、新築一戸建て住宅でも注文住宅か建売住宅で費用は変わります。
ここでは、マンションと購入を比較検討しやすいように「新築一戸建ての建売住宅」でお話ししようと思います。
資産価値がある
一戸建て住宅でも、築年数を経ると上物、つまり家自体の資産価値はびっくりするほど下がってしまいます。
でも、土地の価格は災害や暴落など、不測の事態が無い限り、ほぼ「路線価」の価値がある場合が多いそうです。
資産価値があるというのは、投資はもちろん、将来の資産として安心材料となり、大きなメリットといえるでしょう。
専用の庭が持てる。
もちろん土地がありますから、ガーデニング好きな人にはたまらないですね^^
建売住宅の家でも、小さいながら庭があります。
専用の駐車場を持てるし、駐車場までが近い
ほとんどの一戸建て住宅では駐車スペースが庭の一角にあると思います。
たくさんの買い物をして、玄関までの距離が短いと、重い買い物も、大きな買い物も楽ですよね。
また、買い物だけではありません。
赤ちゃんの移動は、案外荷物も多くなるもの。移動中に寝ていたのを起こしたくありません。
家から出たらすぐ車に乗れるという利点(マンションは駐車場が別のところにあったり、立体駐車場になると、車が出てくるのに時間がかかって面倒です)
広ければ2~3台の車を置けて、駐車場代は無料。
これは都会に限らずとても助かります。駐車場代は高いですから。
プライバシーが確保できる
マンションのようにエントランス、エレベーター、駐車場など、スペースを共有することがないので、プライバシーが保てます。
ノーメークを気にすることもないですし、上下左右の音や臭いにも神経質になることがないので、安心です。
もちろん、一戸建てでも隣家の食事の用意の匂いや音、声は聞こえますが、独立した建物なので、プライバシーはかなり保てると思います。
管理費、駐車場費用、修理積立金や維持費積立金などが必要なく資金が自由
マンションでは、管理費、駐車場、修理積立金など、「毎月の出費」が結構あるようです。
一方、一戸建てでもやはり将来の家のメンテナンス費用を想定して積み立てたり、ちょっとした修理修繕の出費があったりしますが、それらの積立や出費はあくまでも「自由」ということが大きなポイントです。
ローンを払っている人は、ローンが終わるころには、戸建ては固定資産税だけで済みます。
将来のメンテナンス費用に・・・と貯めていたものの、急に大きなお金が入用で、貯金を使う、という自由があります。
これが、マンションなどの積立金ではそうはいきません。
リフォーム、増築、建て替えが自由
費用に関しての自由と同じく、家のリフォームや増築、建て替えも自由です。
もちろん、工事の前に近隣にご挨拶は必要ですが、外観、内装、建て替えなど、自由にできるのは大きなポイントです。
管理組合の参加の義務がない
これはマンションによりますが、管理組合への参加の義務が時には大きな負担になることもあるようです。
逆に、管理組合がしっかりし機能して、助け合っているからこそ、もしもの時に安心という側面もあるようですが、「入る、入らない」の自由がない、選びにくいと思う人も多いようです。
一方、一戸建て住宅でも「自治会」に加入する場合が多いです。
班長や自治会役員、ゴミ当番などありますが、自分の城を守るという意識が働くためか、自治会の加入に抵抗感がない人も多いようです。
ライフスタイルが自由
ペットを飼う、趣味のために時間を気にしなくていいなど、ここでもライフスタイルの自由が確保されます。
もちろん、近隣に迷惑をかけてはいけないのは共通ですが、マンション規約などで縛られることがないので、自由なライフスタイルを楽しむことができますね。
ご近所付き合いが濃い
マンションでもご近所付き合いが濃厚なところもあるようですが、一戸建て住宅はそれぞれの家を守る意識が強いためか、「お互いに助け合おう」という意識が働くようです。
困った時はお互い様、という精神からか、ご近所との付き合いが濃くなるのも特徴といえるでしょう。
音をめぐるトラブルが少ない
TVでやっている騒音トラブルは別ですよ。
通常に生活している中で、一戸建てだとやはり、壁や天井、床を「共有」していないので音のトラブルが格段に少ないです。
また、室内だけでなく、エントランスや廊下、エレベーターなどの共有スペースにおいてもマンションでは気を遣ってしまいます。
一戸建てだと、気配りは必要ですが、神経質になるほどではない。というメリットがありますので安心ですね。
一戸建て住宅のデメリット
では、一戸建て住宅のデメリットはないのでしょうか?
人によって感じ方はそれぞれかと思いますが、それはさておき、
一戸建てだからこその事情としてデメリットを挙げてみました。
維持、管理が自己責任である
メリットで、マンションのように、維持管理費用や修理積立金などが要らないと書きましたが、それは裏返すと、一戸建てでは所有者が自分自身なので、維持費用、修理費用、メンテナンス費用などを計画的に用意する必要があるということになります。
メリット①で資産価値を挙げましたが、この計画的な維持、管理状態次第で資産価値そのものも変わってきてしまうので重要です。
もちろん必要な修理やメンテナンスの有無の判断はもちろん、それらをお願いする業者の選択、依頼、施工後のチェックも全て行わなければいけません。
防犯も自己責任
一戸建てでパッケージとして防犯会社の設備と契約がパックというところも、まれにありますが、ほとんどの一戸建て住宅に防犯設備はついていません。
センサー付きライトやカメラ付インターホン、防犯カメラくらいでしょうか。
マンションのように管理人がいて、専属契約している防犯会社があって・・・というわけにはいかないので、防犯対策は個人の自己責任となります。
上下移動がある一戸建てでは高齢化したら大変かも
ほとんどの一戸建てが「バリアフリー」住宅となっている昨今。
敷居や引き戸などの段差も無くなっています。(あえてデザインや住宅の個性としてスキップフロアなどで残している場合もあります)
でも、二階建て以上、地下の有無などで上下移動の負担が変わります。
マンションでは上下移動はエレベーターが担ってくれることが多いですが(エレベーター設置マンションを前提にしています)一戸建て住宅でホームエレベーターを設置するとなるとかなり高額となります。
共用施設がない
最近建てられた大規模マンションには、
エレベーターはもちろん、
子供用公園が併設されている場合が多いです。
また、もっと工夫されたマンションでは
来客用駐車場完備
来客用宿泊部屋完備
割引で使えるジムや託児所完備
コンビニ併設
駅から傘なしでマンションへ・・・駅中マンション
など、便利さを追求しているものもあります。
一戸建て住宅では、購入する際に、学校や駅までの経路の安全性や時間、来客用の部屋の確保、学校や幼稚園、保育園などの情報収集などが必要不可欠です。
マンションは立地や条件の良い場所に建てるケースが多いので、上記がクリアされている場合が多いですね。
もちろん、マンションも都市計画税や固定資産税はかかってしまいます。
これについての比較は第3章でご紹介させていただきますね。
マンションに比べて、断熱効果に劣り、夏は暑く冬は寒い
つまり断熱効果が劣るということです。(RCの戸建てはこの限りにあらず)
最近では、断熱材をたくさん入れる住宅も増えてきましたが、やはり夏は、クーラーっをつけっぱなしで寝るとか、冬も軽く暖房を入れて寝る人も多いようです。
マンションだったら、夏は、いったん冷えた部屋で寝るには、扇風機のタイマーで就寝することができ、冬は、夜暖まった空気で、朝は起きてから暖房を入れれば大丈夫という意見が多いです。
自然災害に弱い。
地震があると、マンションの方が頑丈ですね。
また台風の風や、豪雨の増水、堤防決壊では、家が壊れたり流されたり、床上浸水も。
マンションも1階だと床上浸水はありますが、壊れることはまずないですね。
(マンションでも小ぶりな鉄骨作りは、地震で壊れることもあります)
耐火性能が低い
木造の一戸建てだと、火災に弱い。(RCだとこの限りにあらず)
庭の手入れが大変。
庭の手入れは思ったより大変です。毎年の剪定や、枯葉の処理、雑草を抜くのも大変です。
ただ最近は。床コンクリートの駐車場スペースにして、庭園はほんの一部にしている住宅は多くなっています。
虫などに悩ませられる
庭から出てきた虫、蚊、蜂、蟻、などが家に入ってくることも多いです。
ゴキブリさんも出てきます。
マンションだったら、もう5階以上にはまず蚊も入ってこないですね。(ただしエレベーターに入って、10階以上でも入り込んでくることあります。)
冬はトイレや、脱衣洗面所、お風呂が極端に寒い。
これは、5番目の断熱効果が低いことの関連しますが、大事なので書きます。
最近では、お風呂や脱衣所にエアコンを入れる家庭が増えてきました。
建てるときは必ずお風呂や洗面所はエアコン完備にしてください。ないと寒いし危険です。
トイレは小さい電熱器や温風ヒーターなどでも代用が効きます。
PS:2×4(ツーバイフォー)構造 洋風の木造住宅の工法です。
木造ですが、断面2インチ×4インチの柱状のものと、木の合板を組み合わせて、壁構造になっています(一般の和風建築は、柱と梁の枠組み構造です)ので、地震でも揺れも少なく強度も一般の木造よりあります。
が、壁構造なので、壁を取り除いてのリフォームの自由度に劣ります。
一戸建て住宅とマンション かかるお金はどれだけ違うの?
前章で一戸建て住宅のメリットとデメリットをマンションと比較してご紹介させていただきました。
その中でもちょっとややこしい、でもきっちりと知らないと損をする費用の話についてご紹介したいと思います。
一戸建て住宅とマンションと、かかるお金の違い
一戸建て、マンションともに4000万円の新築物件として比較してみます。
マンション
頭金
税金
住宅ローン借入費用
修繕積立金
これらが入居前に発生。
月々の管理費
修繕積立金
固定資産税
都市計画税
これが入居後に発生。
住宅ローン控除などではお金が戻ってくるのでそれはマンション、一戸建てともに同じ条件なのでここでは省略しますね。
これらを20年間で換算すると上記の費用、20年後の資産価値などを考えて計算すると
マンションにかかる維持費は約850万となり、20年後のマンションの価値は諸々の費用や維持費を差し引くと、土地と建物合わせて約2800万くらいでしょう。
(※税率、制度によって差が出ますのであくまでも目安です)
一方、一戸建住宅では
入居時の諸費用(不動産会社仲介料など)
頭金
税金
住宅ローン借入費用
ここまではマンションと同じですが、
修繕積立金
これが発生しません。
つまり、住居後の費用を抑えることができます。
でも、建物の下落幅がマンションより大きいため
20年後の資産価値は約2400万
もちろん、自己責任で修繕やメンテナンス費用を計画的に用意する必要がありますが、
それはメリットでご紹介したように「自由」に計画できますし、施工業者によっては10年間保証で初期不良や不備は費用が発生しない場合もあります。
資産価値の下落
ここで特筆すべきはある一定の同じ条件(建っているエリアの評価)が同じとして考えると、マンション、一戸建て住宅のどちらの資産価値が「下がるか」でしょう。
マンション価格にも実は「土地費用」は入っていますし、固定資産税も土地と建物となります。
でも、マンションは土地と建物を分離して販売、評価することはできません。
一方一戸建て住宅ではそれぞれに評価が決まります。
そして、価格の下落についてですが、建物に関してはマンションのほうが、実は下落幅は少ないと言われているそうです。
20年で約四割減が多いケースだそう。
大人気などのエリアでは販売価格が高すぎる場合もあるので、そういうケースは除外
一方、一戸建住宅では築年数20年で約8割減と言われているそうです。
建築方法によっては減る幅が少ないですが、このケースも今は除外
20年後の資産価値
マンション 約2800万
に対して
一戸建て住宅 約2400万
となるのです。
あれ?マンションのほうの資産価値の方が大きい!!
そう思うことでしょう。
一戸建て住宅の資産価値は早く下がりますが、マンションの資産価値は緩やかに下がっていきます。
木造の一戸建て住宅のほうの耐久年数が少ないという評価からですね。
一戸建て住宅は約25年で建物の資産価値がゼロになるのが一般的のようです。
もちろんマンションもずっと資産価値は減っていきます。
そして、30年を過ぎたあたりからは一戸建て住宅とマンションの資産価値は、前述の資産価値の比較から逆転すると言われています。
一戸建て住宅の建物がゼロになってからも土地の資産価値は継続します。
一方、マンションの資産価値が築30年まで目減りし続けています。
つまり、一戸建て住宅の方は25年を過ぎると、建物の価値がゼロになっても土地の資産価値がそのままキープされるので、逆転現象がおこるわけです。
例えば35年住み続けるとすると、一戸建て住宅の方が資産価値があるということになりますね。(ほぼ土地の資産ですが)
また、これらは固定資産税と都市計画税にも連動します。
マンション、一戸建て住宅ともに固定資産税・都市計画税を払う必要がありますが、マンションの内訳は建物が大きく占め、逆に一戸建て住宅は土地の割合が大きく占めます。
木造住宅だと、25年で価値はほぼゼロとなり、マンションは鉄筋コンクリートという「強固な建築物」の為価値の下落が緩やかとなり、25年を過ぎても建物にかかる高い税金を納めなくてはなりません。もちろん土地にも税金が発生します。
つまり、資産価値の下落が緩やかという事は、建物に対しての固定資産税・都市計画税の減り方も緩やかということになるのです。
最初は同じくらいの固定資産税、都市計画税の支出かもしれませんが、固定資産税・都市計画税に関してはマンションのほうが高く掃い続ける必要が出てきます。
一戸建て住宅では22年経つと、固定資産税に関しては建物の評価額がゼロに近づくので固定資産税の費用がかなり下がります。
これは一戸建て住宅を長い間住み続ける人にとってはメリットと言えるでしょう。
資産価値のメリットがあるのは土地のついてる戸建て住宅
資産価値-(固定資産税+都市計画税)を単純に考えると一戸建て住宅の方がメリットが大きいように感じます。
若い時に購入して、転勤などなく、住み続ける場合ですと、子供が独立するまではそこで住むことを考えて費用を考えてみましょう。
一戸建ての方が土地の資産価値が維持され、なおかつ建物にかかる固定資産税が下がるということになりますね。
また、資産として、子供に相続をと考えるのなら、マンションはずっと価値が減り続けますが、一戸建て住宅の方は、建物の資産価値がゼロになって以降は土地の資産価値がそのままキープされます。(土地の下落や上昇は考慮なし)
この点が、一戸建て住宅の「資産価値」といえるのかもしれません。
でも、転勤などがある、便利なほうがいい、引っ越しもするかも、庭はいらないなど、ライフスタイルによってはマンションのほうがいいのかもしれません。
一戸建て住宅のメリットデメリットのまとめ
一戸建て住宅にはメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。
マンションと購入をどちらにしようか迷う人も多いことでしょう。
そんな時は、それぞれのメリットデメリットを比較し、自分の家族構成やライフスタイル、計画を見つめてみて下さい。
資産価値に関しては、住む年数によって価値が変わります。
一戸建て住宅とマンションでは住まいとしての特徴が大きく異なるので、自分のライフスタイルはもちろん、求めるものを冷静に見つめることが後悔しない家選び、購入となるでしょう。
どちらを選ぶにしても、メリット、デメリットをよく比較し、冷静に見つめて、ライフスタイルにあった家を購入しましょう。