ドラマ「瑠璃の島」のあらすじと感想。成海璃子って天才!

瑠璃の島 あらすじ

「瑠璃の島」というドラマをご覧になった事がありますか?

隠れた名作だと思う、この「瑠璃の島」のあらすじや感想、そして、このドラマの主人公成海璃子ちゃんについてまとめてみました。

最近観なおして、このドラマのすばらしさを再考しました。現

在にこそまた、観てみて欲しいドラマ、「瑠璃の島」の世界をご紹介しましょう。

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ドラマ「瑠璃の島」のあらすじ

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ドラマ「瑠璃の島」とは?

ドラマ「瑠璃の島」は2005年4月~6月まで日本テレビの「土曜ドラマ」枠で放映されていました。

このドラマの前後のクールが前に「ごくせんシーズン2」後に「女王の教室」と学園もののヒット作だったので、テーマが少し重いこともあり、この「瑠璃の島」が埋もれてしまっていたかもしれません。

ただ、やはり好評だったのか、2007年にはスペシャルが放映されています。

この「瑠璃の島」は小学校が廃校寸前の八重山諸島の鳩海島(はとみじま)という島が舞台に繰り広げられています。この鳩海島は沖縄県の鳩間島がモデルとなっています。

瑠璃色の海と白い砂浜、緑豊かな自然に澄み切った空、そして静かにゆったりと流れる島の時間に目を奪われ、心も癒されますが、扱っているテーマが心を打つため、その対比がなんともいえない効果を生んでいます。

瑠璃の島 あらすじ

元々、森口豁のノンフィクション作品の「子乞いー沖縄孤島の歳月」を原作としてつくられたのですが、森口作品とは、主人公が女の子になっていたり、その他の設定も変わっていたりするので、原作というよりも原案なのかなと感じています。

でも、両者が伝えようとしていることは、放映されてからかなり経った現在でも、いえ、現在だからこそ、胸に響くことがある・・・そんなドラマなのです。

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ドラマ「瑠璃の島」のあらすじ

八重山諸島の鳩海島は人口49人子供1人、警察署もなければコンビニや病院や銀行もない小さな島。

サンゴ礁に囲まれた美しい瑠璃色の海と白い砂浜、ヤギがいて、ヤシガニが道を歩き、ハイビスカスが咲き乱れ、緑豊かな美しい島ですが、唯一の公共機関である小学校が廃校寸前となっていました。

中学校は10年前に廃校し、その影響もあり、中学生がいる家族は島を出て、小学生がいる家族も「中学がないから」ということで島を出て、と、唯一の子供がいる家族も島を出ていき、いよいよ廃校目前となっていたのです。

瑠璃の島 あらすじ

小学校の存続が、今後の鳩海島の運命を決めると危機感を感じた住人がそれぞれ子供を島に連れてこようと奮闘しますが、里子を迎えるにはお役所的な手続きがあり、それを待っていては廃校になってしまうという状況。

平均年齢63.5歳の島は高齢化と過疎化が進み無人島になってしまうと皆危機感を募らせていました。

そんな時、最初は東京に住んでいる孫を連れてこようと思って上京していた仲間勇三(緒形拳)が孫を島に連れて行くことを娘に断られ、ならば、里子をと、施設を捜し歩いていた時に、偶然にもある少女に出会います。

その少女は父を小さい時に亡くし、母親は育児放棄をして施設に預けられていた藤沢瑠璃(成海璃子)。

パーマをかけ、化粧をし、若い子に声をかけてくるおじさんからちゃっかりとお金を脅し取るくらい、世の中と大人を舐め切っていた小学六年生。

何かを渇望しつつも諦め、そして大人の汚い所を見透かすような大きな瞳を持つ美しい少女でした。

瑠璃の島 あらすじ

その瑠璃の心の痛みを我が事のように感じた勇三は、瑠璃を里子として島へ連れて行くことにしました。

そして、母から捨てられていた瑠璃は鳩海島で新たな人生を始めることになるのですが、それは瑠璃自身の再生の物語ではなく、わけがあって同時期に島にやってきた高原信(竹野内豊)や、優秀だが「何か足りない」と校長に指摘されている小学校教師、島袋さなえ(小西真奈美)、その他の島の住人の再生の物語となっていくのでした。

最初は荒れていた瑠璃ですが、ドラマが進むとともに、美しい自然とあたたかい島の住人に、いつしか傷ついた心が癒され、成長し、その変化が、島の住人達にも影響するまでなるのです。

瑠璃という少女が再生する物語と同時に、鳩海島とその住人達の再生の物語でもあるのでした。

ドラマ「瑠璃の島」豪華キャスト

ポイント 藤沢瑠璃(成海璃子) 東京生まれの11歳小学六年生の少女。親から育児放棄され施設に預けられていた。

ポイント 仲間勇三(緒形拳)  鳩海島へ瑠璃を連れて来て里親になる。カッとなると手が出るが、瑠璃の為に泣き、本気で向き合い、本当の親子のような存在に。

ポイント 仲間 恵(賠償美津子) 勇三の妻で、何事にも動じないさっぱりした性格。瑠璃も瑠璃の母親も最初は何事にも動じず、心を見透かす恵が苦手に感じた。

ポイント 高原 信(竹野内豊) 瑠璃と同じ船で鳩海島にやってきた謎の人物。海で溺れた瑠璃を助けたことから、最初は仲間家が経営する民宿で居候をしていたが、途中から照明のところで居候することに。瑠璃と同じように心の傷を負っているためか、特別な心の繋がりがある。

ポイント 島袋さなえ(小西真奈美) 鳩海小学校の教師。有能だが「何か足りないものがある」と校長に言われている。鳩海島が好きではなく、転勤したいと考えている時にやってきた瑠璃と衝突しつつも、いつしか瑠璃と向き合うことで「足りない何か」に気づき、成長していく。

ポイント 米盛照明(小日向文世) 子供が実の子ではないと知ってからアル中になり、DVがもとで妻子に逃げられた後は、純粋に子の事を想い子供のようなきれいな心を持つようになる。瑠璃や高原を連れてウミガメの子が生まれて海へ帰るのを見に連れて行ったが、それが瑠璃の心を成長させる大きな転機となったと同時に、その変化を高原が感じることで、高原の心の浄化にもつながった。中盤で、台風の中、ヤギと祭りの道具を守ろうとし、死亡する。

ポイント 小浜 学(岸部一徳) 鳩海島の校長で、定年間近であるものの、瑠璃やさなえをやさしく見守る温厚な人柄だが、鳩海小学校の存続や中学校存続のために教育委員へ直談判する、教育に強い信念を持っている。

ポイント 新垣治衛(平泉 成) 鳩海島自治会長。勇三とは衝突する時もあるが仲が良い。心配性が玉に傷だが、島の事を思う優しい人物。三味の名手で、瑠璃の三味の手ほどきをする。

ポイント 新垣佳枝(市毛良枝) 治衛の妻で小学校の給食担当。治衛の隠し子、暁を里子にしていたとわかり、家出するも、帰ってきてからは暁を可愛がる。

ポイント 今井 暁(内田流果) 治衛と佳枝の里子だが、実は治衛の隠し子。鳩海島の二人目の子供となり、瑠璃にも弟のように可愛がられる。

ポイント 松隈浩二(勝村政信)  鳩海小学校の用務員。照明の義娘、有川いずみの里親となる。

ポイント 松隈奈津美(西山繭子) 浩二の妻で、米盛商店で働いていた。照明の死後商店の経営をしている。洞察力が優れているが、昔に子供を堕胎したことが心の傷になっていた。瑠璃と勇三の関係を観て、いずみを里親にしたいと考えるようになった。

ポイント 斎藤 茂(賀集利樹)  旅の途中、美月と知り合い、一緒に鳩海島へやってきて、島が気に入り居ついた。でカマドおばあ(吉田妙子)の家に居候している。美月が妊娠した時は逃げようとしたが、瑠璃の言葉から美月への想いに気づき、子供を育てようと決心する。

ポイント 斎藤美月(井川 遥)  自分にコンプレックスを持っていて依存心が強い女性だが、茂と出会ったことで、自信を取り戻していく。そんな中、妊娠がわかり、茂に最初は拒否されたが、子供を一人で育てるという強い決心をするくらい強く成長する。茂と一緒にカマドおばあの畑で「鳩海島パンプキン」を育てる。

主な登場人物だけでこの豪華俳優陣。

このドラマの凄いところは、豪華なだけでなく、配役の絶妙さにも表れていると思います。

ドラマを観ていると「この役は、あの俳優さんでもよかったかも」と思うこともあります
この「瑠璃の島」ではそれが思い浮かびません。

俳優たちそれぞれにリアリティさがあり、実際のモデルの島「鳩間島」へ行くと彼らに会えるようなきさえなることでしょう。


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瑠璃の島の主題歌

そして、主題歌を担当するコブクロ

米津玄師のlemonがドラマ「アンナチュラル」の終盤の絶妙なシーンで流れたことで、ドラマに更なる効果が生まれたのは記憶に新しいと思いますが、2005年という昔にも関わらず、ドラマが盛り上がるシーンで、コブクロの「ここにしか咲かない花」が流れると、いっそう、心を動かされ
てしまいます。

この「ここにしか咲かない花」はコブクロがドラマの内容から考えた歌詞で、この歌詞のが島の事、瑠璃の事、島民のことを表現しているから、また目が潤んできてしまいます。

コブクロはこの歌を土台に、皆さんご承知のようなビッグアーティストとなりました。

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ドラマ「瑠璃の島」の感想

心に傷を負った少女が、島の存続をかけた里子政策のために、八重山諸島の鳩海島で過ごすうちに、心の傷が癒え、そしてその瑠璃の成長と、本来持っていた純粋で優しい心に島の人たちのそれぞれが抱える問題や悩みに向き合わせるようになる・・・・

という、たった1行でも書ける「あらすじ」

でも、この1行では記せない、もっと奥深いドラマが「瑠璃の島」にはあります。

過疎化の島国独特のプライバシーの無さがある時には面倒に感じるものの、何かあれば支え合う。

行き交う人が顔なじみで、島民の問題は自分たちの問題と感じるくらい近しい存在。
ゲームなどもなく、ただ、自然と戯れているだけで、声を上げて笑う子供たち、夜になっても夜空を見上げて遊んでいる。

現代の大人や子供が失ってしまった「良き時代」が瑠璃の島には存在します。

瑠璃が言うように「何もなくなんかない。この島にはたくさんのものがある」というように、鳩海島には本当に素晴らしいものがたくさんあるのです。

これがNHKの連ドラだったら!

何度思ったことでしょう。

視聴率はとてもじゃないけれど納得いくものではありません。

これが連ドラだったら、もっと視聴率を取っていたのではないかと、いつも感じていました。

テーマは重いのに、鳩海島の自然描写と島民の素朴な人柄が、その重さを感じさせずにドラマの世界へ誘ってくれます。

瑠璃自身の生い立ちや背景、それを大きく包み込み、時には頬をひっぱたくくらい瑠璃に「本気で向き合い」、島で過ごす時間が長くなるにつれて「本当の親子」のようになる、瑠璃と昭三。

この、緒形拳演じる勇三と瑠璃が絡むシーンは「瑠璃の島」の名シーンがたくさんあります。

トレンディドラマでもないし、恋愛ドラマでも学園ものでもない。

ヒューマンドラマというには薄っぺらに感じてしまうし、血の繋がらない親子の物語でも不足する。

瑠璃の島 あらすじ

子を持つ親なら瑠璃に我が子を重ねていることでしょう。
田舎がある人は、田舎で暮らす親のことを、過疎化についても重ねることでしょう。

つまり、観る人の心によって、どんなジャンルの話なのか七変化する話だと言えると思います。

成海璃子って天才!

天才子役はたくさんいますが、この瑠璃役は成海璃子以外考えられません。

美少女という設定で、最初は髪にウェーブをかけたり、酔っ払いのおじさんから財布を盗もうとしたり、どこか「大人を舐めている」瑠璃。
大きな瞳が寂し気で、でも鳩海島では、だんだんと子供らしさを取り戻し、無邪気に笑います。

でも、大人の汚さを知っている子だけあって、洞察力に優れ、先生や島民とぶつかったりします。その演技が凄いのです。
大人っぽく、生意気なくせに、悲しいことがあったら泣きながら走っている。
その走り方は妙に子供っぽく、傷つきやすい瑠璃を表現しています。

大人にならなければいけなかった少女と傷つきやすい少女が共存する瑠璃を見事に演じ切っています。

最終回には肌の色はもちろん、瞳の輝きが「島の子」となっていて感動。

そして、もう一人凄い人物が緒形拳

もう彼の姿は見られないと思うと残念でなりません

勇三役も緒形拳以外に考えられないくらい、はまり役。
瑠璃と、口癖の「イヤイヤイヤ」という時や嬉しいことを言われた時の、だらしない笑顔。

瑠璃の事が心配でオロオロする姿は「父親」そのもの。
肝っ玉母さんの妻役の倍賞美津子がまたはまり役。
この夫婦がまた、仲がいい。

学校へ行く瑠璃に
「道草してこ~い~」と優しい笑顔で見送る勇三。
大好きなシーン。勇三の愛情あふれるデレっとした笑顔が、瑠璃を我が子のように愛しているのがこちらまで伝わってきます。

瑠璃が親に捨てられたことを笑顔で語る姿に、号泣する勇三。
瑠璃に「なんで関係ないおじさんが泣くの?」と問われると「笑顔で言うから」と答えます。

出会った日に、酔っ払った中年から財布を盗もうとしていた瑠璃を咎め、頬を叩きます。
でも悪い行動を叱って叩くのではなく、「こんなことをしていたら危ないだろう」と咎めてなのです。

「子供は我がままでいい」と瑠璃に語りかける勇三。
でも、瑠璃の母に「瑠璃をぶたないと約束して。」と言われると「約束できない。
悪いことをしたら叱るのは親の役目」と答える勇三。
現代ではどう映るのでしょう。

腰や肩が痛い勇三の手伝い、重いものを持つ瑠璃が「子が親の面倒見るのは当たり前」と言われると、帽子を深くかぶって涙を隠します。

愛情にあふれた親子が確かに存在するのです。

強い絆はこの二人だけではありません。

瑠璃と同じく、心に傷を負った高原も、同じ思いを胸に秘めている者同士、瑠璃との特別な絆が存在しています。
男女や年齢に関係なく、お互いに助けられている存在。

瑠璃の成長する姿に高原も助けられ、心が癒されると同時に、自分の過去に向き合いつつも、直視できないでいる。
その姿に勇三は気づきつつも、高原を信じ見守ります。

島の抱える問題は、田舎に親が住んでいる人には同じことに思いを馳せることでしょう。
ドライなご近所関係と安全に子供らしく遊べない現代の子の姿を、島で無邪気に遊ぶ瑠璃たちと比較し、現代社会の無機質さに心が沈むことでしょう。

それでも、美しくのんびりとした鳩海島の自然の描写が対照的に、心を癒しながら、「大切なこと」を伝えてくれる。
そんな稀有なドラマだと思うのです。

連ドラだったら、毎日観られたのに。
もっと視聴率が高かったろうに。

そう思わずにはいられない、特別なドラマ、それが「瑠璃の島」なのです。

ドラマ「瑠璃の島」のあらすじと感想のまとめ

あらすじはその言葉通り、あらい筋です。

こんなことでは語り切れないほどの、深い物語が、ドラマ「瑠璃の島」にはあります。

最近、またもう一度観なおして、以前は子がいなかった時に観ていたこともあり、瑠璃や勇三に対する見方が更に身近に感じられました。

そして、時が経ったにも関わらず、成海璃子や緒形拳をはじめとする名俳優たちの演技が古さを感じさせず、また扱っているテーマが今の社会に何かを伝えてくれる、そんな気がしてなりません。

みんなにぜひ、観て欲しい、それがドラマ「瑠璃の島」なのです。

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