中学受験の勉強が佳境に入ると、いよいよ志望校の過去問に取り組む時期になります。
でも、この過去問はいつから取り組むといいのでしょう?
また、何年分解くと良いのでしょうか?
過去問を取り組むスケジュールなどについて解き方もあわせてお話ししたいと思います。
この過去問が、志望校を決定する、また合否を左右する大切なものなので、後から遅かった!しまった!ということにならないように参考にしてくださいね。
中学受験の過去問はいつから取り組む?
本屋さんに行くとズラッと並んでいる各中学の過去問題集、いわゆる「赤本」や「過去問」はいつから取り組むと良いのでしょう?
この章では取り組むタイミングについてお話ししようと思います。
国語の過去問を一番先に手を付けよう!
小5の後半、中には中学校受験を意識している段階から、志望校が決まっていると思います。
この志望校、この時期はあくまでも「志望」する学校で、「受験校」ではありません。
つまり、行きたい学校が志望校、興味がある学校が志望校、受けるかもしれないと想定している学校が志望校となります。
その志望校の過去問はいつから解いたら良いのでしょう?
塾によっては
「御家庭で過去問は解かないでください」という指示や、
「過去問は夏休みに入ってからご家庭で解いてください」と指示など
塾によって様々です。
志望校別特訓などの講座では、この過去問を「単元別」にまとめて取り組ませて、志望校の傾向と対策をするところもあるからです。
それで、受験が初めての御家庭は素直に、塾の指示を聞いてしまうのですが、受験経験者の御家庭は違いました。
子供の成長や調子にもよりますが、過去問は早い時期から家庭で取り組んでいました。
このように、受験が終わってから、我が家が一番後悔しているのは過去問の開始時期。
特に国語についてです。
結論から申しますと、新小6になる前の2月から国語の過去問をスタートがオススメ。
小5終了時には一応、中学校受験の一通りは終わっています。
でも、算数や理科は発展問題、入試レベルの応用問題などは上位クラスや最高レベル演習などの受講者でないとなかなか小5では触れていないことでしょう。
そんな新小6でも解ける過去問があります。
それは、
国語です。
漢字も終わっているでしょうし、語句やことわざ、慣用句、文法なども一通り終了していることでしょう。
国語はこの時期からスタートしても、十分問題を解くことができます。
また、この時期からスタートするほうが、メリットがたくさんあります。
入試問題の実際をイメージし、それを意識した勉強をすることができる。
志望校の傾向に合うかどうか見極められる。
後から伸びにくい国語だからこそ、先にスタートさせる。
このようなメリットがあります。
入試問題は中々イメージできないと思います。最後の方では過去問を時間内で解くテクニックを鍛えますが、その時に初めて、塾の先生のアドバイスが「このためだったんだ・・・」と納得することでしょう。
でも、その時期が遅かったら、入試まで間に合いません。
2月スタートしておくと、入試問題の構成やレベル、出題傾向などもイメージしやすく、普段の授業でも「志望校の問題に必要だ」という意識で、更に注意深く学ぶことができるでしょう。
志望校の過去問を早くから解くメリットは?特に国語にメリットがある。
先にお話ししたように、志望校を解く時期を2月ころにしておくとメリットがたくさんあります。
例えば、志望校の傾向に合っているかどうかも、過去問を解いてみないと解らない場合があります。
偏差値が同じ学校であっても、場合によっては偏差値が下の学校であっても、問題との相性が悪ければ、厳しいものとなります。
特に併願校やおさえの学校は「確実に合格」が欲しい所。
校風や立地と同じく、問題傾向がお子さんとマッチしているかどうか見極めて、決定するほうが安心でしょう。
科目によって効果がでるタイミングが違うので、先にスタートする必要があります。
つまり、後から伸びにくい国語だからこそ、早くスタートさせておくほうがタイムアップにならないで済むのです。
我が子は受験直前期の本当にギリギリで国語を驚異的にアップさせました。
これは先に挙げた「志望校の傾向をイメージする」ことをした上で塾の授業や宿題で学んだからでしょう。
「あと、もう一週間でいい!もう数日欲しい!」と調子が上がってきたからこそ焦りました。もっと早くにスタートしていたら、当日もっと点数が取れたのにと今でも後悔しています。
このように、国語の過去問スタートを早めておくと、後半の演習を繰り返して、国語の点数もアップしますので、時間的な余裕がもう少し欲しい!もう少しあれば安心できる!と感じるのです。
また、各塾では「志望校特訓」なども案内され、各志望校のクラスを受講することでしょう。
その時に資格が取れないと、志望校を変更しなければいけなくなります。
志望校別特訓は公開テストや志望校別模試で資格を得ることができます。
つまり、この資格を取らないと、いくら志望校と熱望していても、それに向かっての勉強すらできないという構図になっています。
周囲には飛び級生もいることでしょう。一年前に過去問題はやっていなくても、通常の授業や季節講習で過去問題と同レベルの問題はやりこんでいます。
また、最難関組ですと、中学年から最高レベル特訓などを受けて、そこで学んだことをしっかりと吸収していることでしょう。
そのような上位層と、志望校別特訓の定員枠を競う場合もあるのです。
国語は精神年齢によって左右される科目です。
中学年では手に負えなかった文章が、高学年ではすっと頭に入り理解できるという現象も起きます。
その変化が、早い時期にきているか、遅い時期にきているかで「国語上位」の位置にあるかどうか判断されます。
過去問の中では国語を先に手を付けている人が多いという事を受験直前に知りました。
「国語は早くからしていたのよ」と。
それを聞いて、そして、過去問を解きだしてからの我が子の国語力アップの効果を実感して、
もっと早くから過去問をしておけば・・・と後悔したものです。
その他の科目はいつから?
社会
同じような理由で、社会も早くから手を付けておく方がオススメです。
ただ、時事問題は「鮮度」があるので、そこそこに。
また、三科受験する人もまだ悩んでいる時期でしょう。
「本当に社会を捨てていいのか?」と。
まだ時間のある小5に理解し、暗記しておくと、小6の勉強がとっても楽です。
そして、その集大成が過去問になるので、やはり早い時期に全てする必要はありませんが、過去問を何年か分をしておくと良いでしょう。
理科
暗記科目は終了しておきましょう。過去問を全て解かなくても、暗記や計算基礎問題などは早くから手を付けておくと安心です。
また、理科の時事も出る学校があると思うので、過去問題で「傾向」を掴んでおくと、日常の「アンテナ」が張りやすいと思います。
算数
これが一番の難関です。
なぜなら、得意、不得意、苦手単元などの個人差が、とても大きいからです。
でも、解ける問題は早く解いて触れておく方がいいと感じました。
特に、過去問の傾向がしっかり決まっている学校程、過去問をすることで点数がアップしていきます。
そして、どれだけ解いても「類題」が出てくるのが算数です。
算数の過去問は特に、親が先に傾向を掴んであげてください。
算数の傾向を知ったうえで、塾の宿題の優先順位や、復習回数などを管理してあげると効率的に目標へ向かうことができますから。
中学受験 過去問は何年分?
塾では第一志望校は10年分解くように言われました。
第二志望校は5年分、第三志望はできれば5年分、最低3年分。
前期、後期、A日程、B日程などある場合は、受ける可能性がある日程を解かなければいけません。
我が家の場合第一志望校は20年分用意しました。科目によって、解いた年数が違います。
第二志望校は10年分用意しました。
国語の過去問は何年分?
国語は先にお話ししたように、早くスタートしている人がいます。
そういう人の中にはお子さんに過去問を20年間解かせた人がいました。
我が家の場合、第一志望校の国語は10年分解きました。
出題傾向や形式が第一志望校から併願校までかなり違っていたので、どれも慣れるまで大変でした。
もっと早くから解いておけば良かったと後悔したものです。
今戻れるなら第一志望校は2月から解いて、20年分は解かせます。
国語が苦手で、点数が上がらないと、他の問題集をこの時期に解き始めるよりも、過去問をするのが一番成績に直結すると感じました。
実際、過去問で国語力が最終段階で飛躍的にアップしたと実感しています。
算数の過去問は何年分?
算数は17年分解きました。第一志望校です。
第二志望校は途中で変更したので、5年分。
第三志望校について、最初は第二志望だったのとA、B、C日程があるので、各日程の過去問を解いたため、15回分です。
特に算数は、学校によっては「出題傾向」が偏っている場合があります。
たくさんの年度を解くことによって、傾向も掴めますし、その出題分野の演習を数多くこなせることができます。
理科の過去問は何年分?
理科についても、暗記は覚えても忘れがちですし、計算に関しては算数と同じように、日々の練習でスピードアップすることができるでしょう。
理科についても傾向が掴みやすいのが過去問です。
理科の過去問は範囲も広いので第一志望校は18年分取り組みました。
理科についても、もっと早くから過去問を解いておけばよかったと後悔しました。
どうしても、算数を優先しがちだったので、理科を夏休み以降から取り組みましたが、もっと早くから過去問を取り組んでいたら、算数と同じく「類題」をたくさん解くことができたでしょう。
理科の過去問は「死に問」で全く同じものは出ない傾向にあります。
例えば天体で月を扱っても、一回出たものは出ませんが、違う学校で出た同分野の問題は出たりします。
ですから、過去問で傾向をつかみ、類題をどんどんすることで、実力がつくと感じました。
社会の過去問は3~5年分
但し、社会は要注意です。
歴史についてそれほど変更はありませんが、地理や公民はどんどん変わっているので5年ほどしか取り組みませんでした。
抜粋して、昔にさかのぼっても良いでしょう。それでも地理や公民、時事問題は解いてしまうと、違う答えを覚えてしまう可能性がありますので、注意が必要です。
問題集の探し方【楽天ブックスで】
灘中学の過去問は、こんなにあります。
灘中学校 過去問
上記の「灘中学校 過去問」に希望の「中学名」と、「過去問」を入れて探してみてください。
中学受験 過去問の解き方とスケジュール
過去問のスケジュールと管理は親の重要ミッション
過去問は計画的に取り組む必要があります。
最近の年度から遡るやり方。
古い年度から取り組むやり方。
簡単な(合格最低点が高い)年度から取り組むやり方。
このように様々あります。
親は管理とスケジューリングをしましょう。
子供任せにしておくと、抜けの年度が出てきますし、間に合わなかったら大変ですから。
志望校別の過去問一覧表を作りましょう
志望校別の過去問一覧表を作ることは絶対に必要です。
取り組んだ日、各科目について、次の項目を作ります。
採点結果の点数
その年度の合格最低点
受験者平均点
そして、
合計点数
合計の合格最低点
受験者平均点
以上の欄も作りましょう。
これらを第一志望校から併願校まで全て用意し、ファイリングしておきます。
過去問のスケジューリングをしましょう
過去問のスケジューリングはとても大切です。



上記を書き記します。
そして、これらを計画しても、模試の直しや復習テストの直しなどがあって、なかなか予定通りに進まないかもしれません。
その場合は、必ず予定を組み直しましょう。
これを怠ると「抜けが生じた」や「間に合わなかった」という事態になりかねません。
お子さんが勉強だけに専念できるように、過去問のスタート時期の設定や声掛け、そしてその結果の管理やスケジューリングは親の大切な役割と言えるでしょう。
中学受験 過去問はいつから?のまとめ
中学受験では過去問を取り組むことがとても大切です。
でも、過去問はいつから解くの?と不安に思っている方も多いことでしょう。
塾の指示に従うべきなのかどうか悩んでいる人もいることでしょう。
受験終了して思うのは、国語は新小6の2月からスタートすればよかったということ。
そして、親が志望校の過去問を研究して、傾向を掴んだうえで、お子さんにとってベストタイミングで過去問に取り掛かり始め、その点数や取り組む日程のスケジューリングは必ず親がしてあげましょう。