窓から緑が見えると癒されませんか?室内でも外からの視線が気にならないような目隠しの木があると安心ですよね。
そんな目隠し用の樹木としては常緑樹がおすすめです。
そこで、目隠し用常緑樹の選び方や選ぶときの注意点、おすすめの品種、虫がつかない、ベランダに向いているものなど目的別におすすめの品種もピックアップしてみました。
「外からの視線が気になるから植えたいな。」「ベランダが殺風景だし、丸見えだから目隠しの木を置きたいな。」「虫がつかない常緑樹はないの?」と迷っている方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目隠し用の木、常緑樹の選び方
目隠し用の常緑樹を選ぼうと思うと、ネットで調べたり、園芸やガーデニングの本をチェックしたり、ホームセンターなどで現物をチェックしたりしますよね。
本や画像で見てもいまひとつピンとこなかったり、ホームセンターで現物を見ても、苗木じゃイメージが湧かなかったりして困ったりしませんか?
ホームセンターで、我が家にぴったりに見えた若木を植えてみて、後から後悔する・・・なんてことにならないように、いくつか注意する点があるのでご紹介したいと思います。
こんなイメージの常緑樹が欲しい!
この目的のために常緑樹が欲しい!
という方は、まずは、次の項目に気を付けて選ぶようにしましょう。
目隠し用の常緑樹を選ぶ前に
常緑樹で好みの花や葉なら、なんでもいいというわけではありません。
目隠し用の常緑樹を選ぶ前に、ちょっと注意点と選ぶ際のコツをお伝えしようと思います。
そもそも、常緑樹といってもかなりの種類があります。
そして、木の種類によって花が咲くかどうかはもちろん、葉の大きさ、成長のスピードや根の張り方、好みの土壌や日当たりなど、性質がかなり異なります。
ネットで庭木の画像をチェックしてみると、樹木自体のイメージはつかめますが、その木がどんな土壌で植えられているのか、また、土地の気候や植樹している方角など、植えられている環境の条件は判りにくいことでしょう。
「とにかく庭や家のイメージに合う常緑樹が一番!」と焦ってはいけません。
植えてみたけれど、イメージと違って後悔することになるかもしれませんから。
実は目隠し用の常緑樹を選ぶ際には、画像ではわかりにくい、木が植えられている条件を知ることがとても大切なのです。
目隠し用の常緑樹を選ぶ前に大切な事は?
目隠し用の常緑樹を選ぶ前に大切な事、それは、その常緑樹の性質を知って選ぶということなのです。
例えば、洋風の庭に人気のコニファー。
垣根や、門柱近くのシンボルツリーなど、様々な場所に植えられているのを見かけませんか?
親戚の家のコニファーは高さが結構あるのに、台風でいとも簡単に倒れてしまいました。
実は、このコニファー、根が浅く張る性質のものが多いのです。
一般的に「針葉樹は根が浅い」と言いますよね。
風が強く吹き抜ける場所に、根が浅く張る性質のコニファーを植えると倒木の可能性があるので、避けたほうが無難なのです。
また、同じ木の種類でも、『株立ち』のものと『幹立ち』のものとはイメージが全く異なります。
太い幹立ちの一本の木はシンボルツリーの役割としては存在感がありますが、目隠しとなると重々しかったり、目隠ししたい部分は幹の部分となり隠せなかったりということも。
高く成長する性質の樹木の場合は日当たりのよい場所に植えると、一気に成長することになってしまいます。
ホームセンターでは細い株立ちの木だったのに、日当たりの良い場所に植えたらあっという間に屋根や家を覆い、目隠しというよりも、鬱蒼と茂り、屋根や壁を傷めてしまうかもしれませんよね。
また、好みの樹形を保つために、頻繁に剪定が必要で、そういう時間が取れなかったら、イメージと違った樹形の常緑になってしまいます。
水や肥料を枯れさせてはいけない種類の木を鉢植えで植えたものの、出張や外泊などで、家を空けるライフスタイルだと、折角の常緑樹を枯らしてしまうかもしれません。
自分好みのイメージを優先するよりも樹木の性質を知って選ぶことが大切なのです。
目隠し用の常緑樹を選ぶときには性質や樹形を考えて選ぼう
目隠し用の常緑樹を選ぶとき、樹形や葉の好みだけで選ぶと後で後悔してしまうケースもあるので注意しましょう。
先にお話ししたように
「思ったよりもすぐに大きくなって大変なことに!」
「一本の木なので成長してしまって屋根を隠して肝心の目隠の役割になってない」
「密生して枝が茂る上に葉が大きいので、なんだか重たい印象に・・・」
などという事態になってしまうこともあるからです。
画像でチェックした時やホームセンターで購入する時に見た苗木や若木の印象とは違うように成長しまうこともあります。
時にはスペースを取るくらい成長して庭や通路が窮屈になったり、暗くなりすぎたりなったりしてしまうこともあります。
ですから、樹木のイメージだけでなく、性質や成長した時の樹形も考慮して、目隠し用の常緑樹を選ぶことが大切なのです。
好みの樹木を選ぶことも、毎日眺める樹木なので重要なポイントなのですが、それぞれの樹木の性質を見極めて、適切な場所に植えることはさらに重要なポイントなのです。
おすすめの目隠し用常緑樹の種類とその性質
シラカシ
ブナ科コナラ属の常緑高木
耐陰性、耐寒性があるので、北向き玄関前におすすめ。
株立ちのものを選ぶようにしましょう。
日当たりが良い場所では成長が早いので、日当たりが良い狭い場所にはおすすめできません。
和にも洋にも使え、丈夫で強剪定にも耐える強健な樹木です。
高さを留めたい時は芯を留めて樹形を抑制する必要があります。
高い場所の目隠し用や垣根、シンボルツリーとしても使えます。
日陰では枝も太くなりにくく、成長も遅いので、日当たりの悪い場所にこそ使いたい常緑樹です。
シマトネリコ
モクセイ科トネリコ属
暑さ、乾燥に強い樹木なので、猛暑が厳しい日当たりの場所にも植えることができます。
細い幹に涼しげな小さな葉が、常緑樹でも重たい雰囲気を感じさせないことから、洋にも和にも使える常緑樹です。
株立ちのシマトネリコは鉢植えとしてもシンボルツリーとしても人気ですが、成長が強い樹木です。
放っておくと4~5mまであっという間に伸びてしまいます。
この性質を活かして、高さの高い位置の目隠しや、半地下や中庭に植えて、窓を目隠しするという役割としても活躍してくれます。
日当たりが良い場所に植えると、どんどん成長して、目隠ししたい場所が幹になってしまう・・・ということもあるので、注意が必要です。
寒さと冷たい風には弱い性質なので、方角だけでなく、風の通り具合も考えて植えるようにしましょう。
ソヨゴ
モチノキ科モチノキ属の常緑高木
雌雄異株で、果実も観賞用に優れています。
耐陰性、耐寒性に優れ、成長も遅いので剪定に手間がいりません。
ソヨソヨと風に葉がそよぐことから『ソヨゴ』と名付けられたように、優しい雰囲気の枝や葉は玄関前にピッタリです。
病害虫にも強いので、手間も要らないので、シンボルツリーや目隠し用の常緑樹として人気の樹木です。
成長が遅いので、目隠ししたい高さを決めてから、それに応じた高さの苗木(若木)を植えるようにしましょう。
常緑ヤマボウシ
ミズキ科ミズキ属
一般的にヤマボウシは落葉高木ですが、最近は常緑のヤマボウシがシンボルツリーや目隠し用として人気です。
ハヤミズキよりも葉も花も小さいので、木漏れ日が適度な明るさを演出してくれます。
鉢植えでも育つので、狭い場所やベランダなどでも利用できます。
和にも洋にもマッチし、丈夫なので初心者にもおすすめの樹木です。
ヤマボウシも株立ちのものを選ぶようにしましょう。
放任していても、自然な枝ぶりで成長するので剪定もあまり必要はありませんが、場所に合った大きさで楽しむ為には、やはり剪定は必要です。
病害虫はほとんど見られません。
果実は観賞用にはもちろん、食用でも楽しめます。
果実酒やジャムを作ることもできます。
ニオイシュロラン
リュウゼツラン科コルディリネ属の常緑高木
ニュージーランド原産でコルディリネ・アウストラリスという名前ですが、和名はニオイシュロランとなります。
エキゾチックな風貌で、アジアンテイストや洋にマッチする樹木です。
鉢植えでも可能なので、観葉植物としてはもちろん、ベランダや半地下の日光が差し込む場所の目隠し用としてもオススメの常緑樹です。
成長が遅いので、剪定の手間もいりませんが、目隠ししたい場合はその高さに応じたものを用意する必要があるでしょう。
乾燥に強く、庭植えはよほどの乾燥した場合以外、水やりは必要なく、コンテナでも表面が白く乾いたら水をたっぷりやるくらいでいいでしょう。
病害虫の心配もほとんどいりません。
寒冷地ではコンテナに植え、冬期は防寒しましょう。
霜や寒風に当たらない軒下などに取り込んでおきます。
最近は耐寒性のある品種も増えているので、地植えの場合は耐寒性のあるものを選びましょう。
オリーブ
モクセイ科オリーブ属の常緑高木
年間の平均気温が15~22℃程度で、冬期に-10℃を下回らない地域であれば露地栽培が可能。乾燥に強く、愛発にも耐え、寒さにも強い常緑樹です。
鉢植えなら、さらに寒い地域でも軒下や室内、ベランダなどでも栽培可能です。
水やりは、庭植えについては基本的には不要、もしくは10日に1回程度、鉢植えは根腐れ防止から、受け皿には水を絶対に溜めないようにしましょう。
洋やリゾートスタイルの庭にマッチします。
柑橘類
ミカン科の常緑小高木~低木
昔は玄関わきにミカンの木を植えているところが多かったように、目隠しと実を食すという二つの楽しみができる常緑樹です。
レモンは棘がありますが、葉の形や枝ぶりが涼しげで、ベランダの目隠し用のコンテナ栽培におすすめです。
寒さに弱いので寒風が吹く場所には適していません。また湿気にも気を付けましょう。
クロガネモチ
モチノキ科モチノキ属の常緑高木
モチノキよりも耐寒性があり、苦労がない金持ちという語呂から『お金持ちになる木』として有名です。
また、『火災から家を守る木』として特に関西では昔から庭植えの木として人気がありました。
雌雄異株ですが、実のならない雄木も人気があります。
枝葉が密集するので垣根や目隠しとして、昔から活用されていました。
耐陰性もあり、大気汚染にも強いので、道路に面した場所からの目隠しにおすすめです。
寒さに弱いので冬の寒風が吹く場所や降雪地での栽培は避けるようにしましょう。
病害虫にも強く、強剪定でも大丈夫な強健種です。
成長はやや遅めですが、成長すると10mになります。
アオキ
ミズキ科アオキ属の常緑低木
耐寒性、耐陰性が強く、北海道でも植えることができます。
夏の強い光では葉焼けしやすいので、日陰に植えると良いでしょう。
あまり剪定の必要もないのですが、日当たりで放任すると半円形の自然樹形となるので、スペースを取ってしまいます。
明るい日陰が適していますが、葉が大きいので、室内に日当たりが必要な場合はバランスを見て植えましょう。
高さを抑えて、低い位置の窓の目隠しや、室外機などの目隠しにも適しています。
夏は日陰、冬は日がよくさし込む落葉樹の下に植えるのが理想的です。
ハイビスカス
アオイ科アオイ属の常緑低木
リゾート感あふれる南国のイメージがあるハイビスカス。
新しい枝に花をつけるので剪定が必要です。
3~5℃まで耐えられるので沖縄県などでは地植え可能ですが、その他はコンテナ栽培で栽培しましょう。
水を好むので水枯れさせないようにする必要があり、多肥も好むので肥料を切らさないようにするなど、少し手間がかかるため、家を空ける日が多い(毎日世話できない)人には向いていない常緑樹です。
ツバキ
ツバキ科ツバキ属の常緑小高木
艶のある葉が特徴で、花や樹形もたくさんの種類があります。
古くから、花木の庭木といえばツバキというくらいポピュラーです。
半日陰でも日向でも栽培可能で、狭い庭から広い庭まで対応できる常緑樹です。
垣根、玄関や縁側の目隠し、低く仕立てて雪見窓の目隠しなど多様な使い方ができます。
和のイメージがありますが、花の咲き方で品種を選ぶと洋のイメージにも使えます。
また、樹形もバリエーションがあるので、鉢植えでベランダの目隠しとしても使えます。
難点は、ツバキにつきやすい虫が毒のある「チャドクガ」であるという点。
我が家のツバキやサザンカは一度もチャドクガの発生には至っていないのですが、一般的には注意が必要と言われています。
サザンカ
ツバキ科ツバキ属の常緑小高木
ツバキと同じく、古くから花木の庭木として人気のサザンカ。
同じく、チャドクガが発生することから、最近は避ける人も多いです。
でも、花の少ない時期に花を咲かせてくれる貴重な常緑樹なので、虫が発生しない環境であればおすすめしたい常緑樹です。
垣根や縁側の目隠し、玄関横の目隠しなどにおすすめ。
冬の乾いた風が当たらない場所に植えましょう。
日当たりの良い場所から明るい日陰で地植えか、鉢植えでベランダ栽培などが良いでしょう。
目的別の目隠し用常緑樹
前章では目隠し用としての常緑樹の選び方と種類についてご紹介しました。
この章では、一目でわかりやすいように、目的に応じて選ぶとするとどの常緑樹が良いかピックアップしてみました。
玄関前の目隠し用常緑樹
玄関を開けると中が丸見えになるのが嫌なので、目隠ししたい。そんな方におすすめの常緑樹です。
シラカシ (株立ち) ※玄関前が広い
シマトネリコ(株立ち) ※玄関前が広い
ソヨゴ
クロガネモチ ※玄関前が広い
常緑ヤマボウシ
ニオイシュロラン ※洋風、リゾート風、アジアンリゾート風
オリーブ ※洋風、リゾート風
レモン ※棘があるので通り道から枝に触れない位のスペースがある
サザンカ
ベランダの目隠し用常緑樹
ベランダの目隠し用の常緑樹です。和のイメージがあるものでもデッキ素材や鉢の素材などでイメージを変えることができますよ。
オリーブ
シマトネリコ
ニオイシュロラン
常緑ヤマボウシ
レモン
ツバキ
ハイビスカス
虫がつかない目隠し用常緑樹
ニオイシュロラン
クロガネモチ
ソヨゴ
シマトネリコ
オリーブ
目隠し用常緑樹のおすすめのまとめ
目隠し用でおすすめの常緑樹をご紹介させていただきました。
併せてベランダの目隠し用常緑樹や虫がつきにくい常緑樹などもピックアップしてみました。
植えてから後悔しないために、常緑樹のイメージ以上に、性質や植える環境が大切です。
お好みや目的に応じて選ぶと同時に、性質と環境にあった常緑樹を選ぶようにしましょう。
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