道路や隣家との境界の塀や柵の代わりに生垣はいかがでしょう?
ブロックや柵などと違ったメリットがある生垣は景観も美しく、防風、防火、防犯の役目も果たしてくれます。
でも、手入れが大変なのでは?と悩みますよね。
そこで手入れが簡単で楽なものや不要な生垣を5つご紹介しようと思います。
品種を選べば、手間いらずの生垣が家と庭を美しく演出しれくれますので、ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか?
目次
生垣の手入れで簡単なものってあるの?
生垣の手入れとは?
生垣と聞くと「なんだか手入れが大変・・・」というイメージがある人も多いかもしれません。
しょっちゅう落ち葉をほうきで掃いて掃除したり、剪定や水やりを定期的に行ったりが必要で、そんなのは面倒だ!と思ってしまいますよね。
では、本当のところ、生垣の手入れってどんなことが必要なのか?
それから整理してから、「手入れが楽」ということを考えてみましょう。
水やり
肥料
消毒(病害虫対策)
剪定
掃除
大きく分けてこれら5つの点となるでしょう。
つまり、「手入れが楽」というのは、上記の5つの点について「いかに労力が少ないか」ということになるのです。
手入れが簡単で楽な生垣とは?
前述のように5つの点の労力が少ない品種がベストです。
「水やりや肥料を頻繁にする必要がなく、病害虫にも強いので定期的な消毒も不要。剪定も必要がない、若しくは素人が強く剪定しても枯れたり樹形や枝が乱れたりしないもの」
となるのではないでしょうか?
最後の手間であるお掃除についてはどうでしょう?
生垣は外からの視線を隠す目的が大きいので、選ぶ樹木は「常緑樹」となるでしょう。
常緑樹だと落葉がないので、「落ち葉の掃除が必要ない」と思われるかもしれませんが、葉を定期的に入れ替えるのでやはり落ち葉はあります。
落葉樹のように秋に一気に落ちてそれをお掃除するというよりも、一年中ちょこちょこ掃除をするというイメージです。
また、花を咲かせる品種は、花が終わると花びらの掃除も必要となるでしょう。
サザンカやツバキ、ツツジのような大きな花の品種は落ち葉のようにお掃除が必要です。
一方、キンモクセイのような小さい花だと、軽く掃除するか、株元に掃いて戻すのも可能なので掃除の労力が減ることになるでしょう。
葉についても同様です。
針葉樹の場合は落葉樹のように葉が大きくないので、掃除もかなり楽になります。
細かい葉を株元に掃いて戻すくらいでも大丈夫な品種もあるからです。
剪定が楽なものは剪定いらず?
剪定が楽なもの=手入れが簡単で楽と思いますよね。
剪定が楽なものというものにも、いくつかのカラクリがあります。
一つは剪定が不要ということについて。
樹木の種類によっては、成長が非常に遅いので、剪定がほぼ要らないというものもあります。
このような品種を選ぶと、手入れが簡単で楽なものといえると思います。
二つめは先の成長スピードに関係することです。
樹木の高さの成長スピードや萌芽力が強いものは剪定を定期的に行う必要があります。
もっとも、萌芽力に関しては「びっしりと詰まった垣根が欲しい」という時には必須条件となりますが、それはここでは考えず、あくまでも高さや幅を抑えるための剪定の必要性としましょう。
もし、生垣を取り入れる場所が隣家の日光が遮られたり、北向きだったりの『日陰』という条件でしたら、成長のスピードも遅くなるケースが多いです。
耐陰性のある樹木でしたら、そのような条件下でも生垣に植えることが可能です。
その場合はおなじ樹木であっても、日向に植える場合と幹の太さも育つ高さのスピードも萌芽力も変わってきます。
ですから、例えば成長が早い高木である「シラカシ」であっても、北向きや日光が遮られる場所では取り入れてみてもいいということになるのです。
三つめは剪定の回数と強さについて
萌芽力があったら密度の濃い美しい生垣になります。
刈り込むと立体的な形に整えることもできるので、和にも洋にもアレンジがしやすいでしょう。
萌芽力がない、もしくは成長スピードが遅い樹木ですと剪定の回数も少なくて済みます。
逆に、萌芽力があって、剪定を何度か必要であったとしても手入れが楽な場合があります。
剪定の時期が限定され過ぎない樹木の場合は、気になった時にいつでも剪定ができます。
また、初心者であったとしても、強く剪定したり、大雑把に剪定したりしても枯れたり、枝が暴れたりしなければ、剪定に気を遣いませんよね?
つまり、萌芽力がある植物だとしても、剪定の時期や強さに耐えるのなら、それは手入れが簡単だといえるでしょう。
樹木は生きているので成長もしますし、葉や花を落としたりもします。
それらに関して、最低限度、もしくは簡単な手入れは必要となるでしょう。
それでも、植える場所や品種を選ぶことで「簡単で楽な生垣づくり」が可能となりますので、ぜひ、生垣を取り入れる場所に応じて、適切な品種を選んでみてはいかがでしょうか?
手入れが簡単で楽な生垣のおすすめ5選
それではこの章では前章でご説明した「簡単で楽な手入れ」を前提に、おすすめ順で生垣の樹木をご紹介したいと思います。
マサキ
ニシキギ科ニシキギ属の常緑樹です。
カラーリーフもあるので洋にも和にも対応できます。
耐寒性、耐暑性に強く、耐陰性あり。潮風や大気汚染にも強く、土質も選びません。
成長スピードも緩やかで、病害虫はうどん粉病に気を付けるくらい。
芽吹きも良いので刈込による樹形維持も簡単なので初心者でも大丈夫という、全てにオールマイティーの樹木です。
キンモクセイ(ギンモクセイ)
モクセイ科モクセイ属の常緑樹でキンモクセイはオレンジの小花、ギンモクセイは白の小花をつけ、とても良い香りがします。
本当に小さい花なので、花が終わって落ちても掃き掃除で根元に寄せるだけで大丈夫なので、手間がいりません。
洋にも和にもマッチするので使いやすく、夜に特に香る花は生垣という役割だけでなく五感も楽しませてくれるのが嬉しいですね。
初心者が強く刈り込んでも枯れたりせず、病害虫に強いので手入れが簡単です。
寒さは苦手なので霜が下りる地域では使えないという点を除いては、おすすめの樹木です。
ラカンマキ
マキ科マキ属の雌雄異株の常緑樹で、昔から日本庭園でもイヌマキが御馴染みの樹木として親しまれてきました。
ラカンマキはイヌマキよりも葉が小さくて密集している、生育スピードも緩やかなことから、手入れが簡単な生垣としてとてもおすすめの樹木です。
ただ、ちょっと和の雰囲気が強いのがネックかもしれませんが、きっちりとしたフォルムで刈り込むとイングリッシュガーデン風にも使えるかもしれません。
病害虫の心配がないので、消毒も必要がないのでとっても楽な樹木です。
カイズカイブキ
ヒノキ科ビャクシン属
昔から生垣でおなじみのカイズカイブキも、病害虫の心配もない点から手入れが簡単で楽な樹木といえるでしょう。
ただ、剪定を刈り込んでしまうやり方だと厚みが出るので気を付ける必要があります。
耐寒性、耐暑性、耐陰性が強く、成長も緩やかと手入れが楽な条件が揃っている初心者にも扱いやすい樹木ですが、一つだけ要注意点があります。
カイズカイブキは病害虫にも強い樹木ですが、さび病(赤星病)にかかってしまうことがあります。
カイズカイブキそのものには大きな被害はないものの、近所にリンゴやボケ、カイドウなどバラ科の植物に大きな被害を与えてしまうので要注意です。
トキワマンサク
マンサク科トクワマンサク属の常緑樹です。
白い花、紅い花を咲かせ、葉もカラーリーフなので洋風やナチュラルガーデンにぴったりです。
耐暑性もありますが、萌芽力があるので、剪定が必要です。
生垣の手入れが不要なものは?
前章では生垣の手入れが簡単で楽な樹木をご紹介させていただきました。
これでもまだ悩みますよね?
結局どれが一番いいのか?と気になるところ。
また、この中で手入れが不要なものってあるのか?ということも気になりますよね。
手入れが不要なものとしては
マサキ
ラカンマキ
が挙げられるでしょう。
この二つは生育スピードが緩やかなので剪定の回数が格段に少なくて済みます。
また、耐寒性、耐暑性、大気汚染や塩害に強いということは、環境を選びすぎない、しかも強健な樹木といえるでしょう。
そして、共通して、病害虫に強いので、消毒の必要もありません。
生垣は字の通り、生きている樹木を垣根とするもの。
完全に放置というわけにはいかないかもしれませんが、その手入れの回数が少なく、初心者でも簡単に世話ができ、その回数が少なければ、世話が不要に近いのではないでしょうか。
生垣の手入れが簡単で楽なもの5選のまとめ
生垣の手入れが簡単で楽なもの5選をご紹介させていただきました。
また、そのうち、ほぼ剪定が頻繁に必要ないものを「手入れ不要」のものとして2つご紹介。
生垣はその通り生きている樹木なので、完全に手入れ不要というものはありませんが、環境を選び、楽な樹木を選ぶことで、各段に手入れの負担が少なくてすむでしょう。
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