酸素吸入の種類と手順。鼻カニューレとは?~看護技術

看護技術

酸素吸入にも様々な種類があります。

患者さんの状態や疾患に合わせた酸素吸入器具の選択ができるよう、まずは種類について、そして手順を理解していきましょう。

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酸素吸入の種類

1

低流量酸素

ポイント 鼻カニューレ
鼻腔から酸素投与できるカニューレ。

装着したまま会話や食事が可能。最大流量は4L、酸素濃度24~44%。

補助的な酸素投与目的で使用する。

鼻カニューレ

2

中流量酸素

ポイント 簡易酸素マスク
一般的に多く使用される酸素マスク。可能な投与量は5~10L、酸素濃度40~60%。
投与量が5Lになる場合には、鼻カニューレに切り替える。

ポイント ベンチュリーマスク
1回換気量に左右されず、酸素濃度(24~50%)を安定して投与できる。
細かな酸素濃度調整が可能。

高流量酸素

ポイント リザーバー付き酸素マスク
酸素をためておけるリザーバーと呼ばれる袋がついているので、より高濃度の酸素が吸入できる。
可能な投与量は6L以上、酸素濃度60%~100%。

 酸素投与量が4L以上の場合には、乾燥するので蒸留水にて加湿を行う。

酸素吸入の必要物品

ポイント 指示に沿った酸素マスクセット(ベンチュリーマスクの場合には酸素濃度に合ったダイリューターも)
ポイント 酸素流量計・加湿器
ポイント 酸素投与量が4L以上の場合には蒸留水
ポイント 鼻カニューレの場合には固定のテープ類

酸素吸入の実施手順

中央配管からの投与

1

患者へ酸素投与開始することを説明

ポイント なぜ酸素吸入が必要なのか、酸素量などを伝える。

2

酸素流量計・加湿器を中央配管に接続

ポイント 酸素投与4L以上の場合には、加湿器の上限目盛りまで蒸留水を入れる。
ポイント 中央配管口の部分がカチッと音が鳴るまでしっかり押し込む。

指示に沿った酸素マスク類を接続する

ポイント ベンチュリーマスクの場合は必要な酸素濃度のダイリューターを選択し、接続する。
ポイント 接続部が緩んで外れないように、チューブはねじ込むようにして接続する。
ポイント マスク類のチューブがベッド上動作で不便にならないように長さを調節する。(短い場合には、中間の接続チューブを追加する)

患者へマスク類を装着する

ポイント 患者のサイズに合うようにマスクの大きさ、ゴムやチューブを調整する。
ポイント 鼻カニューレの場合にはずれ落ちることが多いので、必要であれば頬にテープ固定する。

5

指示に沿った酸素量に調節する

ポイント 流量計の種類によって目盛りの見方が違うので注意。(ボール型浮子はボールの中心を見る) 
ポイント きちんと酸素が流れているか確認。(接続がゆるかったり、亀裂があると接続部などから酸素漏れがあるため、手で触って確認)

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6

患者へ注意点を説明する

ポイント 特に火気厳禁、流量計・ダイリューターなどを勝手に触らないことを、説明する。
ポイント 鼻カニューレの場合には鼻呼吸を促す。
ポイント 安静度(トイレの時は酸素を外していいのか、室内安静・ベッド上安静なのか等)を伝える。

 注意点

ポイント 蒸留水で加湿している場合には、水滴がたまりやすいので適宜排出させる。
ポイント 蒸留水が足りなくならないように数時間おきに確認し、追加する。

酸素ボンベからの投与

1

必要物品

ポイント 酸素ボンベ
ポイント 圧力計
ポイント 流量計
ポイント スパナ
ポイント 必要であれば加湿器・蒸留水(移動時など短い時間での使用であれば不要)

酸素ボンベ

2

実施手順

ポイント 患者説明・マスク類の装着方法は中央配管の場合と同じ。

圧力計と流量計を酸素ボンベに取り付ける

ポイント スパナを使用して設置。必要であれば蒸留水を入れた加湿器も設置。

ハンドルを全開にし、酸素残量の確認

ポイント 酸素の残量と、予定の使用時間で酸素量が足りるかどうか確認する。足りない場合は新しいものを使用。

使用後は圧力計0になるまできっちりハンドルを締め、酸素流量計も0にする

ポイント 酸素残量が少ない場合には、指定の提出場所へ持っていき、酸素補充してもらう。
(病棟などでは残量○L以下の場合には交換などとマニュアルがあることが多い)

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