看護師の技術チェックリストの、膀胱留置カテーテルの手順を説明します。
必要物資と、実施手順(準備事項も含めて)などをチェックしてください。
もちろん男性と女性の場合は、少し違うところがあるので、注意してください。
目次
膀胱留置カテーテル必要物品
カテーテルキット(尿バック、フォーリーカテーテルのセット)
綿球・ポピドンヨード・攝子
滅菌潤滑剤、ガーゼ
滅菌手袋
滅菌水入りシリンジ
防水シーツ
※以上がすべてセットになっている「閉鎖式カテーテルキット」というものがある!
バスタオル
固定用テープ
汚染物廃棄用の膿盆かビニール袋
陰部清拭用タオル
膀胱留置カテーテルの実施手順
患者へ膀胱留置カテーテルを挿入することを説明する
カテーテルを挿入する必要性、挿入時に少し痛みがあることなどを含めて説明。
注意するのは、前立腺肥大や膀胱や尿道の病気の既往がある人は看護師ではなく、医師が挿入することも多いので、事前に既往歴は確認する。
準備、事前確認
カテーテルキットなどはワゴンの上に準備、膿盆やビニール袋はすぐ届くところに準備しておく。
滅菌操作以外のことから準備。
下着を脱いだ後は臀部の下に防水シーツを敷き、膝を立てた体勢をとってもらう。
患者の羞恥心に配慮し、下肢はバスタオルなどで覆う。
ここから滅菌操作!
カテーテルキットを開き、滅菌手袋を滅菌操作で装着する。
※手袋を装着したら、滅菌物以外の者には触らない。
滅菌水入りのシリンジを固定水注入口から挿入し、バルンが膨らむか確認。
シリンジに滅菌水を引いて戻し、シリンジはそのままにしておく。
消毒
利き手ではない方の手で、陰部を固定し、利き手で攝子を持ちポピドンヨードを浸した綿球で消毒。
この時点で利き手ではない方の手は汚染されたので、滅菌物には触らない。
女性の場合→小陰唇を開き、尿道口と小陰唇を真ん中、左右の順番で綿球を変えて消毒する。
男性の場合→尿道口から外側に円を描くように2、3回綿球を変えて消毒する。
消毒した綿球は汚染物となるので、膿盆かビニール袋へ入れる。
カテーテルに潤滑剤をつける
カテーテル先端から5~6㎝の部分を攝子で持ち、カテーテル先端に潤滑剤をつける。
(現在は滅菌手袋のまま挿入するやり方もある)
カテーテル挿入
挿入時の痛みで腹圧がかかると、スムーズに入りにくくなるため、深呼吸を促す。
女性の場合→尿道口からやや下方向に向けて挿入する。
男性の場合→陰茎が身体から垂直になるようにして挿入する。入りづらくなった時点で少し角度を変えながら行う。
膀胱内にカテーテル先端が入ると、尿の流出がみられる。
ここから3~4㎝奥まで進める。
バルンを膨らませる
利き手ではない方の手でカテーテルが動かないように押さえ、滅菌水のシリンジを押して、バルンを膨らませる。
この時点で強い痛みを訴えるようであれば、バルンが尿道内で膨らんでしまった危険があるので、すぐに滅菌水を抜いてバルンを小さくさせる。
バルンを膨らませた後、カテーテルを軽く引っ張っても抜けないか確認。
カテーテルの固定。
カテーテルは少しゆるみをつくって、固定する。
女性の場合→鼠径~大腿部にテープで固定をする。
男性の場合→陰茎を上向きにして、下腹部にテープで固定する。
肌が弱い人にはテープだけでなく、フィルムシートを一番下に貼ってから、固定のテープを貼るとかぶれにくくなる。
陰部を清拭する
ポピドンヨードや潤滑剤が陰部に付着したままだと皮膚トラブルの原因となるため、綺麗に拭き取る。
尿バックを設置する
尿バックを膀胱よりも低い位置で床につかないよう、ベッドサイドや点滴棒の下に設置する。
羞恥心に配慮し、尿バックにカバーをかぶせる。
注意点を説明する
カテーテルを足に引っかけないようにすること、睡眠中の寝返りは注意することを説明。
尿道の違和感はあるが、強い痛みや出血があるようであればすぐに連絡するよう伝える。