看護技術の解説です。
摘便と浣腸の手順と注意点を書きます。
手順はてきぱきと、そして、患者さんは恥ずかしさを伴います。
患者さんへの配慮を忘れずに。
目次
摘便と浣腸の必要物品
使い捨て手袋・エプロン
キシロカインゼリーなどの潤滑剤
必要があれば新しいオムツ・パット、便器、陰洗セット(陰洗ボトル、清拭タオル、トイレットペーパー)
ビニール袋
浣腸の場合には浣腸液
消臭スプレーなど
バスタオル
摘便と浣腸の前準備
摘便の場合
浣腸や下剤を使用しても効果が得られない場合、自然排便が困難な患者に行う。
消化器系に疾患がないか確認。(直腸癌や痔核などがある場合には適応外)
浣腸の場合
下剤を使用しても効果が得られない場合、検査前・手術前の処置として行う。
摘便同様に消化器疾患がないか確認。
「排便が3日以上ないときに浣腸○ml」「○○処置前に浣腸○ml」などの医師の指示があるか確認。
浣腸液は人肌程度(37~40度)に温めて、空気を抜いておく。
実施手順
患者へ摘便・浣腸を行うことを説明する
摘便・浣腸を行う理由をきちんと伝える。
羞恥心に配慮し、大部屋などの場合はカーテンをきちんと閉め、まわりの患者への配慮も忘れない。(食事前後は避ける)
下着(オムツ)を脱がせ、膝を軽く曲げて左側臥位をとる
肛門部位以外はバスタオルなどをかけておく。
臀部のところにオムツやパット、便器を敷く。
摘便の場合
便が触れるか確認
手袋を装着した指(第二指)にキシロカインゼリーなどの潤滑剤を塗り、肛門に指を入れて、便が触れるか確認する。
便が触れる場合は、指で少しずつ崩してかき出していく。
便が触れない場合は、腹部マッサージをし、便が下りてくるように促す。
患者の状態は常に観察、適宜声掛けを行う。
浣腸の場合
浣腸液を入れる
浣腸液のカテーテル先端からストッパーまでの長さが6~7㎝くらいになるようにセットする。
カテーテル先端にキシロカインゼリーなどの潤滑剤を塗り、肛門へ挿入する。
ゆっくり浣腸液を入れ、1~3分ほどは排便を我慢してもらう。
寝たきりで肛門を絞めることができない人の場合には、カテーテルをそのまま挿入しておくか、指で押さえる。
患者の状態は常に観察、適宜声掛け行う。
排便を確認
摘便の場合には、刺激で出血することもあるため、排便の性状や状態を確認する。
浣腸の場合には、その後排便があったかを確認する。(15分~30分後)
排便がない場合には、時間をあけて再度浣腸か下剤を使用することもある。
片付け
摘便やオムツ内排便の場合には、陰洗を行い、新しいオムツへ交換する。
消臭スプレーや窓を開けて換気を行う。
患者の身支度を整える。