ストーマ(人工肛門)の単孔式等、種類やパウチの交換方法(必要物品や手順)と管理方法の注意点を詳しく解説します。
目次
ストーマ(人工肛門)の種類
部位別
結腸ストーマ(コロストミー)・・・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸の部位がある。S状結腸に向かうにつれ便の形が整ってくるため、部位によって便性状が変わる。
回腸ストーマ(イレオストミー)・・・結腸(大腸)を経由しないストーマであり、水様~泥状便が出るため1日に5~8回パウチから出す必要がある。
開口部
単孔式ストーマ・・・肛門側の腸管を完全に切除した方法で永久的なストーマ。
双孔式ストーマ・・・腸管を長期間遮断することで機能回復を目的としているもの、将来的にストーマを塞ぐ可能性がある。
ストーマの交換方法
必要物品
使い捨て手袋・エプロン
専用リムーバー
ストーマ装具
はさみ
洗浄剤・クリーム(必要であれば洗い流すお湯)
マジック
ビニール袋
ガーゼ
清拭用タオル
ストーマの実施手順
患者にパウチ交換をすることを説明
まず仰臥位をとってもらう。(仰臥位と座位でのストーマ部と腹壁の変化は観察する)
パウチを剥がす
リムーバーを使いながら上から下へゆっくり剥がすようにしていく。
袋にはいった便は性状などを確認して破棄する。
ここでチェックすること!
剥がしたパウチの面板(皮膚接地面)の皮膚保護材がどの程度溶けているか確認。(左右上下均等でない場合には、排泄物がたまりやすい場所や交換時期などが判断できる)
ストーマ周囲の洗浄
ストーマ周囲に洗浄剤をつけ、ガーゼなどで拭き取り、洗浄する。
お湯で洗い流すか、シャワー自立であれば患者自身で洗ってもらうことも。
ストーマ周囲が綺麗になったら、皮膚に発赤や出血などがないか観察。
ストーマの径や高さを測る
ストーマのサイズを測り、面板をカットする
ストーマのサイズから0.5~1㎝程度余裕を持ってマジックで面板に下書きをし、カットする。(そり曲がったクーパーがおすすめ)
カットしたら、切り口を指でなぞるとギザギザした細かい部分が馴染む。
ストーマ部に面板を装着する
腹部がたるんだり、しわがあると面板に隙間ができるので、周りの皮膚を少し伸ばすようにして貼りつける。
袋が別になっているタイプの場合は、面板としっかり袋が固定されるように装着する。
急性期を脱した場合には自己管理へと移行するため、この手順を指導することもある。
ストーマの管理上注意すること
ストーマの場合、一番注意しなくてはいけないのはスキンケア。皮膚トラブルや感染症の予防が大事。
パウチの交換頻度は種類によって違うが、基本的に2日~5日ごとに交換することが多い。
他にもストーマの変色、便漏れ、浮腫、血便などのトラブルも考えられる。
ストーマのパウチなどの種類はさまざまあり、面板の変更、固定ベルトを使用するなど患者個人の状態に合ったものを選択するようにする。
特に運動制限はないが、腹部が持続的に圧迫されるような運動や球技はストーマ部にあたってしまう危険があるため、十分に注意する。