ツアーナース体験談;高校生勉強合宿の看護師としての仕事内容は?

ツアーナース 体験談

今までツアーナースで何度か働いてきましたが、先日少し珍しい行程の募集があったので、参加してみることにしました。

それは学校の勉強合宿というもの。

私立などの学校では毎年恒例行事のようです。

その行程に看護師として添乗したことついて、仕事内容を体験談としてご紹介していきます。

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今はコロナ禍で、なかなか合宿自体行われていないと思いますが、コロナ収束後、体験談としてお役に立てたらとここに残しておきます。

ツアーナース(高校生勉強合宿)行程の概要

 旅行会社からの案件で事前打ち合わせなし。
 私立高校 勉強合宿3泊4日。
 生徒数は100名(他200名ほどは宿が別のため、別の看護師が添乗)男女数は同じくらい。
 9時~12時、13時~18時、19時~21時は授業や自習、ホームルームなどの時間割。

ツアーナース初日

■7:00 駅集合

 添乗員、先生たちと顔合わせ。
 旅行会社の添乗員と簡単な打ち合わせをする。生徒名簿や行程表をもらい、持病や食物アレルギーがある生徒の申し送りなどを受ける。
 今回対応注意してほしいと言われた生徒は、1型糖尿病がある生徒、虫垂炎の手術後1週間である生徒、アレルギーによる禁止食が多くある生徒の3名でした。
 責任者(今回は学年主任の先生)と緊急時の対応方法や受診の流れなど確認。
 保健担当の先生(養護教諭ではない)がいたため、食事のチェックなど役割分担など簡単にすり合わせをする。
 救護バックの中身を確認する。

★ポイント

今回は旅行会社が食事メニューの管理を行ってくれていたので、アレルギー食に関しては添乗員さんと詳しく打ち合わせをしました。

看護師派遣サイトからの場合には、学校の責任者の先生が詳細にチェックを行っていることが多いので、少し勝手が違うかもしれません。

事前打ち合わせがあれば、細かな打ち合わせができるのですが、集合時はあまり時間がないため、最低限必要な情報からまず確認。
(後で時間があるとき、バス内などで随時確認)

事前に対応注意してほしい生徒は、顔と名前を一致させておき、適宜声掛けをします。

救護バックの中身は行程内容や学校によって、入っているものが違います。

今回は室内行程なので、体温計や冷えピタ・マスクなどがメイン。

絆創膏や包帯などは最低限のみでした。

なかには内服薬が入っていることもありますが、看護師は原則服薬は行わないので、ほとんど使いません。

■7:30 生徒集合 バスへ移動

 それぞれのクラスで出席や簡単な朝の会を行ってから、バスへ移動。
 看護師が乗るバスも元々決められていることが多いため、それに従う。

★ポイント

高校生の場合には、酔いやすい生徒はある程度自覚しているので、前の座席に座ってもらうなど最初に対応しておきます。

救護バックにエチケット袋はあれば、一緒に準備しておきます。
(あらかじめ、自分用にも1セット持っていくことが多いです)

ツアーナース 体験談

■7:40 出発

■9:00 パーキング休憩

 高校生なので、細やかな誘導などは必要ないが、車の行き来が多いところは注意する。
 看護師も行けるときにトイレを済ませておく。
 顔色が悪そうな生徒や、他のバスで体調不良者がいないかも同時に確認。

★ポイント

生徒たちはお菓子を買ったり、売店に立ち寄るることもありますが、くれぐれも一緒になってお土産を物色しないことです。

この間に先生たちで打ち合わせをすることも多いので、トイレに行ったらすぐ戻ってきます。

もし、他のバスで具合の悪い生徒がいれば、ここで乗るバスを変更することもあります。

■9:15 出発

■10:30 宿到着

 生徒たちは自室に行き、集会への準備。
 看護師は看護師部屋や保健室の準備をし、宿の設備(フロントやAEDの場所など)や近隣の病院情報(宿からの距離、診療科、診察時間など)なども確認。

★ポイント

宿についたら、まずは生徒がすぐに来ても大丈夫なように、布団を敷いたり準備します。物品が揃っている場合もあれば、一般宿の場合には、学校保健室のような設備はないので、(アイスノンなどは置いていないことも)代用できるものがあるかどうか確認。

■11:00 集会

 生徒全員集まり、合宿スタートの挨拶など行う。
 看護師もここで自己紹介の挨拶をする。

★ポイント

生徒全員を見渡せるタイミングは少ないので、体調不良の子がいないかどうか、顔色や生徒の動きなどをみて観察。

■12:00 昼食

 最低でも食事の10分前には食堂へ行き、アレルギー食のチェックを先生たちと共に行う。
 生徒が来たら、アレルギー食を一緒に確認。
 食事中もアレルギーがある生徒の近くで食べる。
 食事終了時には内服確認の声かけを行う。

★ポイント

食事チェックも加工品などは原材料に注意して行います。食堂のスタッフと先生たち、本人とアレルギー食が入っていないか確認。

エピペン持参の場合には、食事のときに持参しているかも注意しましょう。

高校生なので、持参薬は自己管理だが、忘れてしまう生徒もいるので、声かけは必ず行います。

■13:00 授業スタート

 それぞれのクラスで授業や自習時間となるため、看護師は保健室で待機。
 生徒が保健室に来ない間は読書などして過ごす。

★ポイント

初日は体調不良を訴える生徒は少ないですが、前日~前々日まで学校を休んでいたような病み上がりの生徒がいると、注意が必要です。

また、待機中に暇だからと行って、自由に出歩いたり、寝ていたり、ゲームなどで遊ぶのはイメージが悪いです。
(場合によっては旅行会社にクレームが入ることもあります)

個人的には読書などは、先生たちから見てもイメージが悪くなく、一番暇つぶしになると思います。

こうした待機の場合には、いつも2、3冊の本を持っていくことが多いです。

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■18:00 夕食

 昼食と同様にアレルギー確認

■20:00 クラス交代で入浴

 保健室で待機

★ポイント

女性の先生がいない場合、入浴の巡視をお願いされることもあります。お風呂使用後の整理整頓はもちろん、のぼせている子などがいないかも確認します。

■22:00 授業終了 自由時間

 保健室で待機

■23:00 就寝

 就寝前後は生徒の部屋を巡視し、体調不良の生徒(咳をしていたり、顔色が悪いなど)がいないかチェック。
 対応注意の生徒も寝る前には必ず声を掛ける。

★ポイント

就寝前に体調不良を訴える生徒は多いですが、初日は誰もいませんでした。

対応注意の生徒は何もなさそうでも、声掛けは適宜行っていきます。

■23:30 職員会議

 初日の行程で問題があったことや、翌日の行程について打ち合わせ
 看護師は対応した生徒の報告(今回はほとんど対応していないので、対応注意の生徒の様子など報告)

★ポイント

対応した生徒の報告はもちろん、今後考えられる可能性や翌日どういったところに注意してほしいかなども含めて伝えます。

■24:00 職員入浴、就寝

★ポイント

夜何かあった場合には、夜中でも対応することがあるので、なるべく早めに入浴し、寝てます。

★全体を通してのポイント対応した生徒の症状

ツアーナース2日目以降

2日目以降になると頭痛や腹痛など内科的な訴えをする生徒がちらほら来ます。

寝不足や便秘などによる原因が大半ですが、大きな病気が隠れている可能性もあるので、状態変化には十分注意しましょう。

今回は別の宿(同じ学校の生徒)で初日夜にインフルエンザ疑い(39度の発熱)の生徒が出たため、その生徒と関わりがありそうな生徒を中心に、発熱がないか確認。

アルコール消毒や手洗い、マスクを勧めるなど早めに対処をしたおかげか、大事にならずに済みました。

ツアーナース 体験談

ツアーナース3日目

3日目には、37.8度の発熱者が1人出ました。

すぐに保健室で隔離しましたが、その後は体温は上昇することなく経過したため、保護者へ念のため連絡対応
(もし熱が上がったら、迎えに来てもらう可能性もあることなど状況報告)のみでした。

最終日には、虫垂炎で手術した生徒が傷口から汁のようなものが出てきたと訴えがあったので、確認。発熱や膿などはなかったので、創部を綺麗に洗い、ガーゼ保護として対応するなどしました。

ツアーナース体験談のまとめ

今回の勉強合宿の添乗は、普段の添乗と比べるとハードな行程がない分、怪我などの危険はほとんどなく、対応した生徒も少数でした。

高校生になると、自分でできることも増えるため、小学生等と比較すると看護師の負担は少ないかもしれません。

しかし、高校生のなかには、何か症状があっても自己判断で放置してしまい、症状が悪化してから保健室に来ることもあるので、日ごろから生徒とコミュニケーションを取っていくことが大切です。

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