障害児保育園という所は、私も最近知ることができて、ここでも看護師の仕事があると聞き、子供好きの私は、とても興味を覚え、パートで仕事をするようになりました。
障害児保育園の仕事内容を1日の流れの中で、書いてみます。
看護師としても、とてもやりがいのある仕事です。
目次
障害児保育園とは
生まれながらの障害や医療的ケアが必要な子どもが通える保育園です。
公立や認可の保育園ではちょっとした発達障害であっても入園できないケースもあります。
まだまだ数は少ないですが、関東を始め少しずつ増加傾向にあるようです。
私がいたところでは人工呼吸器の子の受け入れはしていませんでしたが、気管切開や胃瘻がある子などが多くいました。
障害児保育園で働くことになりました。
私が障害児保育園の看護師となったきっかけは、以前保育園で働いていたときのこと。
保育士さんがバタバタ辞めてしまい、0歳児クラスの担任兼務となり、看護の業務が全くできずに、保育に追われていたことがありました。
当時はこのまま医療技術を忘れてしまう不安と、看護師であるはずなのに、看護が全く出来ていない自分に嫌気がさしてしまい、短い期間で辞めてしまいました。
しかし、保育園での業務は楽しいこともあったし、やっぱり子どもが好きだったので、またいつか再チャレンジできたらと思っていました。
すると、1年後にたまたま障害児保育園の記事を見かける機会がありました。
保育園の看護師という職業も最近知ったばかりなのに、障害児が通える保育園があるなんて驚きしかありませんでした。
そこには、「障害を持った子がいるというだけで、お母さんが仕事を諦める理由にはしないでほしい」という内容の言葉があり、とても感銘を受けました。
以前、小児科で働いていたときには、障害児の入院も多くありました。
その多くのお母さんは仕事をしておらず、24時間一緒にいるストレスのためか、入院すると「心も体も安らぐ」と言っていました。
当たり前のように働くという選択肢が、当時のお母さん達にはなかったのです。
その「働くという選択肢」を提供できる場が、この障害児保育園だったのです。
傷害児保育園の1日の仕事。日記です。
そんな「障害児保育園の看護師の日記」をご紹介していきましょう!
傷害児保育園の朝
私はパートなので10時からの勤務。
9時半頃までに常勤の看護師さんが子ども達のお迎えにいってくれている。
今日は久しぶりに5人揃った。
Aちゃんは先々週に気管支炎で1週間入院してしまって、復帰初日。
思ったより元気そうで、「キャッキャッ」笑っている。
申し送りでは、気管支炎の内服薬を追加で飲ませて欲しいとのことだった。
私がいた障害児保育園では、送迎バスに乗るのは看護師でした。緊急時に保育士さんだと対処できないことも多いためです。
また、園の定員は5人でしたが、毎日来る子もいれば、お母さんがパート勤務の場合には週2,3日しか来ない子もいます。
年齢にクラス分けはしておらず、障害の重い子と軽い子とクラス分けしている保育園もありました。
特に障害児保育園に来る子は、ちょっとした風邪が悪化して入院することもしばしばあります。
基礎疾患や障害に関連する内服もあり、ほとんどの子はなにかしらの薬を飲んでいました。。
障害児保育園の散歩
朝の会の後は、天気がいいので、近くの公園にお散歩へ。
ベビーカーでそれぞれ向かう。
近くの保育園の子ども達もいたので、一緒に輪の中に入る。
Bくんはここの保育園児には人気者のようで、みんながBくんに向かって話しかけたり、おもちゃを貸してあげたりしてくれる。
障害の具合によってバラバラですが、私がいたところでは、自立して歩ける子はいなかったので、基本的に移動はベビーカーでした。
看護師や保育士さんの人数も充実しているため、一対一で付き添って、散歩に行きます。
こうして、他の保育園の子ども達と触れ合えるのもとてもいい刺激になります。
障害児保育園のお昼ごはん
散歩から帰ってきて、ひと段落すると、11時頃から食事の子もいる。
口唇口蓋裂があるCくんはごはんを食べる時に眠くて機嫌が悪くなってしまうと、なかなか食べないので、お散歩後の機嫌のいいうちに早めにご飯を食べる。
その後、経管栄養の子と続き、経口摂取の子という順番であげる。
内服薬の投薬忘れがないようにもう一人の看護師さんとダブルチェックをし、空袋を取っておく。
基本的に給食ではなく、お家からお昼を持ってきてもらいます。
さらに、胃瘻や鼻からの経管栄養でご飯の子もいれば、経口でのご飯の子も様々です。経管栄養の子や投薬は看護師が担当して行うので、一緒に身体観察や胃瘻や経管のチェックをします。
また、障害児保育園の場合には、一人で食べれる子が少ないため、ほとんどが介助するケースが多いです。
上手く食べれない飲み込めない子も多いので、ポジショニングに気をつけたり、少量ずつあげて状態を観察したりします。
このようにお昼時は子どものケアがいろいろあるので、普通の保育園よりもお昼の時間は余裕を持って行います。
障害児保育園のお昼寝
13時くらいになると、お昼寝の時間。
いつも食事中に寝落ちしてしまうCくんは、一番に布団へ。
Aちゃんは久しぶりの保育園で興奮しているのか、なかなか寝る気配なし。
うるさくならないように、別室で絵本を読むことにした。
5分ごとの睡眠チェックも欠かせない。
普通の保育園のように、みんなが揃って寝るわけではないので、眠たくなさそうな子は、少し離れて遊んでいたりします。
子どものペースに合わせてというのが基本です。
また、子どもそれぞれで寝るときのポジショニングが違うため、クッションやタオルなどを使って、お家に近い状態で寝れるように工夫します。
普通の保育園のお昼寝でも使用しますが、SIDS(乳児突然死症候群)の予防で、きちんと呼吸をしているか睡眠チェックをします。
お昼寝中に交替で休憩をとり、保育日誌や看護日誌を書きます。
障害児保育園の検温、保育、帰りの時間
15時くらいになると子ども達が起きるので、起きた子から検温をする。
Aちゃんは特に問題なく、元気。
午後の保育ではリハビリスタッフ(PT・OT)が来てくれるので、Aちゃんが退院して今復帰初日であることや、最近首が据わるようになってきたDちゃんの椅子のポジショニングを相談した。
私は16時に仕事が終わるが、16時すぎると帰りの準備をして、また看護師がバスで送迎する。
普通の保育園でも検温は行いますが、障害児保育園の場合はより全身のチェックを行います。(吸引が必要な子には聴診器で肺音を聞いたりします)
また、週に1~2回はリハビリスタッフが来てくれて、保育園にいながらリハビリが受けられます。
それ以外の日には園内で音楽をかけて踊ったり、楽器を叩いたり、絵本を読んだりして過ごします。
障害児の場合、上手く座ったり、立ったりができない子が多いので、椅子や装具などの相談をすることもあります。
朝と同じように帰りも看護師がバスに乗り送迎します。
障害児保育園の看護師の一日のまとめ
障害児保育園の看護師も普通の保育園のように子どもの健康管理を行うことには変わりありません。
しかし、障害児のために必要なケアや注意することなどは多いため、看護師としての知識がとても役に立ちます。
また、普通の保育園のように保育士さん主導というよりは、看護師の人数が1~3人であることが多いため、あまり職種間のトラブルのようなものは感じませんでした。
また、保育士さんも障害児保育園で働くために、いろいろと研修等を受けて入職するそうです。
少し特殊な看護師の働き方ではあると思いますが、普通の保育園よりも看護師らしい働き方ができ、より子どもとの繋がりが強く感じられるので、私はとても好きな仕事です。
もっと日本中にこのような施設が増えて欲しいと思っています。