日本人や日本で暮らす人に最も馴染みのあるお茶ナンバー1と言っても過言ではない“緑茶”。
子どもから大人まで、日常的に飲む機会がある方も多いかと思います。
とはいえ緑茶に含まれるカフェインなどを考慮して、一日〇杯まで、〇時以降は飲むことを控えている、という方も同じく多いのではないでしょうか。
今回はそんな緑茶を飲むことに関してのメリット・デメリットを解説と共に挙げて、様々な観点から考察していきたいと思います。
注意点※“緑茶”とは生のお茶の葉を発酵せずに製造したものを指す呼び名です。
「煎茶」「番茶」「玉露」「かぶせ茶」「抹茶」「ほうじ茶」など、まとめて緑茶といいます。
緑茶を飲むことのメリット
健康に良いカテキンが豊富!?
カテキンには抗酸化作用があるとされていて、体内の酸化を抑え、組織の老化を防いで免疫力を保つので、健康の維持に効果的な飲み物といえるんです。
そもそも“カテキン”とは、植物中に数千種類あるといわれているポリフェノールの一種で、緑茶を飲んだことがある方ならすぐにイメージできるあの「渋み」の主成分です。
そしてそのカテキン自体にも種類があり、加工前の茶葉には4種類、緑茶になった段階では8種類が含まれているといわれています。
カフェインの作用で覚醒効果があったり、集中力がアップしたりする!?
カフェインに含まれる成分には覚醒作用があり、寝起きでも緑茶を飲むことでスッキリとした朝を迎えられます。
そして興奮作用によって集中して物事に取り組めるので、その後の仕事や家事、勉強のパフォーマンス力 もあがるのではないでしょうか。
“カフェイン”とは、茶葉だけに限らずコーヒーにも含まれるもので、緑茶やコーヒーを飲んだ時に感じるあの「苦味」の成分ですね。
ダイエットにだって効果的!?
緑茶抽出物に一番多く含まれるEGCgという成分が特に脂肪燃焼への効果が高いとされていて、コレステロールの吸収を抑える作用もあるらしいのです。
もちろん『飲んだら痩せる~』のような事ではありません。
しかし、適度な運動も含め健康的な体型を維持する流れの一環で緑茶を飲むことで、食べたいものを我慢しすぎることがなくなって、ストレスを溜めることなくダイエットに取り組めるので良いのではないでしょうか。
口腔ケアになる!?
口臭や虫歯、歯周病などお口にまつわるトラブルは誰にも簡単に起こりうることですよね。
予防方法に毎日歯磨きやマウスウォッシュ等で取り組んでいる方が一般的かと思います。
そんな中、緑茶を飲むことも口腔トラブル対策になる事を知っていますか。
緑茶に含まれるカテキンには、歯垢の付着を抑える機能があること、歯周病を改善する効果を持つことが高いという研究結果が出ているんです。
“虫歯予防”などのコンセプト食品にお茶の成分が利用されることも多いですよね。
緑茶を飲んでお口さわやかに暮らしませんか。
抗アレルギー活性がある!?
緑茶カテキンを継続的に摂取することによってヒスタミンなどの遊離を抑える効果があるらしいんです。
簡単な例を挙げるとすれば、花粉によるアレルギー性鼻炎の症状がある人が日常的にお茶を飲んでいると、その症状が軽減することがある、というものです。
毎年季節になると比較的長期間苦しめられることになる花粉症、お薬以外でかつ簡単にできる対応法、トライする価値はあると思いませんか。
美容に効果的!?
人間というのは、生まれてからおじいちゃんおばあちゃんになるまでずっとずっと酸化し続けていく生き物なのです。
その酸化こそが“老い”に繋がる一つなわけですが、カテキンの抗酸化作用が組織の老化を防いでくれることは先にも書きましたね。
その他にも、カテキンには抗糖化とよばれる作用もあるんです。
加齢とともにくすみんでいく肌、失われるハリは、人体の糖化現象によって引き起こされるものなのですが、カテキンパワーでその糖化減少に抗えるのです。
シミ・そばかすの原因になるメラニン色素の沈着予防にもなるらしく、これは若々しい見た目への第一歩に緑 茶が大きな味方になるのではないでしょうか。
リラックス効果がある!?
食事の後、家事の合間など休憩のひと時、仕事の終わりなど、緑茶を飲んで『ほっ』としたり気分が落ち着いたりすることがありませんか。
それは休んでいるという時間がもたらす効果だけではないようですよ。
緑茶に含まれる“テアニン”という成分はα波を増大させるらしく、それが脳をリラックスさせるというわけです。
忙しい日々を送る現代人に、緑茶は大きなメリットのある飲み物だと思いませんか。
ビタミンCの吸収をサポートしてくれる!?
健康的な生活をおくるうえで、様々な栄養素を取り込むことは大切ですよね。
ビタミンCもそのひとつ。栄養内容や詳しいことは分からなくても『ビタミンCで風邪予防~』というようなざっくりした知識はたくさんの方がもっているのではないでしょうか。
ビタミンCの豊富な野菜や果物を食べて健康に!そう思っても実はこの成分、熱が加わることによって酸化してしまい、壊れやすいという難点があります。
だからといって生野菜や果物で充分に摂取しようとしても限界がありますよね。
そこで緑茶の登場です。緑茶に含まれるカテキンの抗酸化作用はビタミンCの酸化を防いでくれるので、一緒に摂ることでビタミンCが壊れないまま体内で吸収することができるんです。
因みに緑茶自体にもレモンの3~5倍といわれるビタミンCが含まれているんですよ。
緑茶は良いことだらけじゃありませんか。
緑茶を飲むことのデメリット
緑茶の苦みと渋みが飲みにくい!?
シンプルに、緑茶の味が好きじゃない。
苦さと渋みが相まって、飲みやすい飲み物だと思えません。
カテキンにおけるがん予防に関する確固とした推奨を行うまでのエビデンスはまだ不十分!?
緑茶が健康に良いというのはよく聞くはなしだけど、まだ信ぴょう性にかける話だと思います。
例えば『カテキンがガン予防になる』などという話も、すべてのがんに対しての予防が認められた研究結果はいまだなく、矛盾点を排斥するまでに至っていないからです。
それなのに絶対的に良いものだという理論だけで話されても逆効果、飲むものは救われるみたいな話に聞こえてより怖いです。
カフェインは体に悪影響を及ぼすことがある!?
緑茶が良いと信じて飲みすぎると、カフェインの過剰摂取になって睡眠障害や神経過敏などにつながる恐れもあります。
そういう点では特に妊婦さんやまだ体の小さなお子さんはカフェイン入りの飲み物に対して多少なりとも配慮するべきだと思うし、老若男女全ての人にお勧めできる飲み物ではないはずです。
胃が荒れる!?
緑茶に含まれる成分(カテキンやカフェイン)は胃を刺激するので、特に空腹時に飲んだりすると胃液が分泌されて胃酸と粘液のバランスが崩れてしまい、気持ち悪くなったり腹痛を引き起こしたりもします。
お腹が弱い人だとなおさら、緑茶を飲むのはデメリットしかないでしょう。
緑茶に含まれるシュウ酸が尿路結石のリスクを高める!?
もちろん『飲んだら危険~』というレベルではないけれと、そのリスクを知ったうえであえて緑茶を選ぶ程緑 茶に対して魅力を感じません。
そして健康に良いとされる飲み物や食べ物はほかにいくらでもあるので、あえて緑茶にこだわらないでほかの飲み物を飲んだ方がいいと思います。
新鮮でない緑茶(最初に淹れてから時間が経ったもの)を飲むとお腹をこわす!?
緑茶を淹れて時間が経つと、茶葉に含まれたタンパク質はどんどん腐敗します。
そしてそのお茶を飲むと、特に胃腸の弱い人は消化不良を起こしてしまったり、下痢になってしまう場合もあるようです。
もちろん淹れたての緑茶なら大丈夫という事ですが、ではいつまでが“新鮮なお茶”と呼べるのでしょうか。
今自分の目の前で初めて淹れたお茶以外、鮮度を見極められる程目利きではない場合、水とか飲んでいた方がよっぽど安心できるのではないでしょうか。
歯が黄ばむ!?
緑茶に含まれるカテキンという成分は歯の着色汚れの原因になります。
そして一旦着色すると普通の歯磨きでは中々落ちないという大きな問題がありますね。
では毎度緑茶を飲み終わったらすぐに歯磨きをしたら良いのでは、と思うかもしれませんが、その予防策はある程度にしかなりませんし、尚且つ毎度緑飲んですぐに歯を磨ける環境にいることもないし、完璧な結果も出ないのに面倒なだけではないでしょうか。
それに、緑茶を飲む場面にいたときいつでも一杯(二杯でも)、ぐびぐび飲んでハイ終わり~というような状況は稀ではないでしょうか。
白い歯は人生において大きな意味をもつもの。それを保ちたい人にはやっぱり緑茶はおすすめできる飲み物ではありませんよね。
幼児の脳の発育を邪魔する!?
特に3、4歳までの小さなお子さんにはカフェインを含む緑茶はNGだと思います。
身体の大きさでも差異が生じるはずですが、学童期までは気を付けて飲ませるべき飲み物の一つではないでしょうか。
というのも、成分研究にて結果として出ているものの中に、カフェインが幼児に与える影響として不安症状、頭痛、疲労感などを起こすリスクが提示されているからです。
脳を刺激するという点は有効にみえるかもしれませんが、全体としては睡眠の質が落ちたり、知性や理性をつかさどる前頭前野に影響するなどしてあまりよくないものとして緑茶の名前が挙げられているようです。
発育真っ盛りのお子さんにとても大きなデメリットとなる飲み物でしょう。
緑茶のおいしい淹れかた
これまで緑茶を飲んで良いことそうでない事にフォーカスして話を進めてきましたが、今後緑茶を飲むか飲まないかは別として、この章では飲むために知っておいて損はない緑茶の適切な淹れかた(茶葉使用)についてお話していきたいと思います。
一般家庭で普段使いの緑茶としてメンバー入りするであろう“普通煎茶”のおいしい淹れかたをご紹介します。
用意するもの(2人分)
お茶の葉 4g(小さじ2くらい)
適量の水 200ml
急須 1つ
湯呑み 2つ(常温で保管しているもの)
お水ですが、おいしい緑茶を淹れるには“軟水”が適しています。水道水でも問題ありませんが、購入したお水を使う場合は外国製の硬度の高いお水などは避けて、軟水のものを選んでほしいです。
まずお水を湯沸し器ややかんに入れて沸騰させる
沸騰したお湯を、湯吞みに注ぐ
茶葉を急須に入れる
湯呑みに注いだお湯を、ゆっくり急須に移す
約60秒抽出するまでそのまま待つ(心配な方は急須の中を覗き葉が膨らむのを確認してもOK)
茶碗に少しずつ廻し注ぎ、最後の一滴まで注ぎきる。
(廻し注ぎ:1つめの茶碗→2つめの茶碗→2〃→1〃→1→2の順)
*ポイント*
水道水を使う場合は、カルキを除く為に一旦しっかり沸騰させることが必要です。
普通煎茶の場合70~80度程のお湯で淹れるのが適当なので、沸騰したお湯を湯呑みに移すことで湯冷ましになり、かつ湯呑み自体を温められるので大事なポイントです。
同じ普通煎茶でも茶葉の産地や製造工程によって推奨される抽出時間やお湯の温度等が変わることがありますので、パッケージ等の表記を優先して淹れるといいと思います。
一回注ぎ切ったら急須の蓋を開けておくことで過剰な蒸れを抑えられ、二回目もおいしく淹れることができます。
二回目は抽出時間はほとんど必要ないと思っていいでしょう。一度入れた茶葉で二度はおいしく飲めるはずです。
渋みや色合いという部分は同じ茶葉を使っても淹れかたでコントロールできます。
80度以上の高温で淹れる緑茶はしっかりとした味に、少しぬるめのお湯で淹れた緑茶はまろやかな味となります。
同じく、抽出時間が短ければさっぱりとした味わいに、長ければ渋みを強く感じる味わいになります。
ここでは登場しませんでしたが、例えば香りを特徴とするほうじ茶や玄米茶では沸騰したお湯でさっと淹れると香りが引き立ちます。
上記で紹介した普通煎茶の淹れ方を参考に試して、自分好みの味をみつけて煎茶を楽しめると何よりです。
●緑茶を飲むメリットとデメリットのまとめ●
さて、日常的に緑茶を飲む方も飲まない方も、緑茶に対して好意的な方も批判的な方も、両方の目線で綴ってきましたメリット・デメリット、いかがでしたでしょうか。
しかし良い点も良くない点どちらの情報に対しても、一杯二杯飲んですぐに身体に影響が出るような例はそうそうないと見受けられました。
つまるところ緑茶もコーヒーやソフトドリンクと同じ嗜好品の仲間なんです。
色々なメリットや人体への良い影響があるという研究も進んでいるようですが、薬とは役目が違いますし、生命維持に必要な要素を含む飲料ではないのです。
それでも飲んで気分がほぐれ心が安らいだり、人との出会いやコミュニケーションの場を円滑にするものだったりするわけで、人生には必要な嗜好品のひとつだと思うのです。
どんなに身体に良いと言われている食べ物や飲み物だって、自分の身体に合っているのか、どのくらいの量を摂取するかで善にも悪にもなってしまいますよね。
緑茶も自身の体調や気分に合わせながら飲むことが大事なのではないでしょうか。
一つの情報や偏った意見に固執せず、視野を広げて緑茶を楽しみましょう。
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