日本で良く飲まれているお茶のひとつに「紅茶」があるかと思います。
アフタヌーンティーのイメージもあって、英国を思い起こす方も多いかもしれませんね。
そんな紅茶ですが、実は世界で水の次に最もよく飲まれているお茶=紅茶だということはご存知でしたか。
お家でのティータイム、お友達とのお茶会、仕事合間のカフェでの一服などなど、紅茶との接点は世界中で多くの方の身近にあるのではないでしょうか。
今回はそのお茶界のトップ選手ともいえる紅茶について、メリットとデメリット双方を挙げながらお話していきます。
紅茶を飲むメリット
抗インフルエンザ作用がある
紅茶に含まれる“テアフラビン”にはインフルエンザウイルスを包み込んでその働きを99.9%無効化する、不活性化作用があるといわれています。
“テアフラビン”が何かというと、紅茶に含まれるポリフェノールの一種なんですね。
茶葉の製造過程で行う発酵の段階でカテキンの結合によって生成される「紅色の色素成分」となります。
同じく生成されるテアルビジンという成分の作用も相まって抗酸化作用はカテキン以上!といわれていて、スーパーカテキンなんていう呼ばれ方をすることもあるそうですよ。
オーラルケアに役立つ
紅茶に含まれている“フッ素”の力は歯を丈夫にしたり菌から守ってくれる作用があるといわれています。
紅茶ポリフェノールには口臭の原因を作り出す酵素の抑制もするとあって、口臭対策にもなるらしいんです。
世界で最も消費されているお茶である紅茶は全人類の味方だと思います。
“フッ素”というのは人間の身体に必要な栄養素のひとつです。歯の質を良くしてくれたり、歯垢の中に生息しているむし歯の原因となる菌の働きを阻害するなど、むし歯予防にもなるんです。
虫歯になりにくい歯にするために歯磨き粉なんかにも入っていますよね。
食中毒予防になる
食中毒には数種類あるのですが、紅茶を飲むことで細菌性とウイルス性の食中毒を予防できるといわれています。
気温や湿度が高くジメジメした季節には細菌性の食中毒が多く発生し、冬場などの感想する時期にはノロウイルスなどウイルス性の食中毒が発生する傾向が強いようです。
このように食中毒の危険は一年を通してあるので、自分自身の衛生管理の他、食材やキッチン回りにも気を配って対策することが大切ですね。
嗜好品である紅茶でも抗菌作用が抜群なので、自然の薬としてもとても優秀な存在として日常的に飲みたい飲み物です。
美白効果がある
紅茶ポリフェノールの抗酸化作用で身体のサビを抑制し、ハイドロキノンという成分はメラニンの生成を抑えてシワやシミの予防にもなるんです。
利尿作用で身体の老廃物も排出されて、内側からもクリーンになれますよ。
紅茶を飲んで透き通るようなお肌で暮らせるなんて考えただけでもキレイになれそうですよね。
適度な運動や良質な睡眠はもちろん必要なことだけど、身近な飲み物が美しい身体になる為のサポーターとなるならこれはもう飲むしかないでしょう。
メタボ対策になる
食事前~食後30分以内の間で摂取することにより紅茶ポリフェノールが脂肪分解を抑制して吸収を抑えるため、健康的な身体の維持に一役買ってくれるんです。
同じ発酵茶の中でも半発酵のウーロン茶よりも完全発酵の紅茶の方が酵素の活動を抑制する力が強く効果的だそうで、これで食事のお供は紅茶に決まりですね。
血圧の急上昇を抑える
血圧が上がる事は生きている人間誰にでもあることで普通の範囲内での上がり下がりは問題ではないのですが、急激に上がると身体に不調をきたすことがあるので注意なのです。
急激に上がった血圧が更に急激に下がるとそこでも問題が起きるリスクが大きくなります。
この“急激”が良くないのです。そして血圧自体が上がることは普通と書きましたが、上がりっぱなしも良くありません。
高血圧が続くと心臓にも負担が大きくなりますし、脳の血管も傷つくことによって更なる悪影響が出たりします。
適度なカフェインの摂取は動脈を広げることになり血液が流れやすくなって血圧の上昇が抑えられます。
食後の血糖値の急上昇も抑えてくれる、紅茶はとっても健康的な飲み物です。
活動のパフォーマンスがあがる
紅茶にはカフェインが含まれているのは広く知られていることと思いますが、その刺激で頭がスッキリしたり集中力が上がることによって活動の効率が上がるんです。
適度なカフェインを摂取後1時間程度経つと効果が出るらしいので、仕事や運動をする時間から逆算して飲むことによっても上手な活用ができそうですよね。
アレルギー対策に効果的
免疫系疾患によって引き起こされる症状に苦しむ人は年中通して子どもから大人までたくさんいるでしょう。
そのメカニズムをざっくり且つ非常に簡単に説明すると、アレルゲン(抗原)が体内に入り込む→過剰な免疫反応により異物として記憶され抗体がつくられる→再度同じ抗原が入ってくる→抗体が抗原を攻撃のためさまざまな化学伝達物質を放出する→身体に目のかゆみ、くしゃみや水鼻、頭が重くなったりなど様々な症状となって現れる、という流れになります。
紅茶に含まれるポリフェノールは、このアレルギー反応を出す原因となる化学伝達物質の放出を抑える作用があるらしいのです。
もちろん紅茶は嗜好品、薬のような即効性はありませんから対処法として真っ先にお勧めするようなものではないのですが、少なくとも症状の改善を意識した生活の一つとして取り入れる対策にはなるのではないでしょうか。
ちょっとお茶^^
まあちょっとお茶しましょう^^
まあ一息入れるのにはもってこいですね(*^^)v
気分転換にも良い「紅茶」です。
紅茶を飲むデメリット
紅茶を飲むと眠れなくなる
紅茶に含まれるカフェインが睡眠物質のアデノシンの作用を抑制してしまって目がさえてしまう、中枢神経の刺激で覚醒してしまうので睡眠障害へとつながるリスクもあり良くないと思います。
特に成長が未発達の子どもにはあまり飲ませたくない飲み物です。
カフェイン中毒やアレルギーの危険性がある
紅茶以外にもコーヒーやコーラ、チョコレート等のお菓子にも含まれているカフェイン。
気が付かないうちに過剰摂取となる場合があって要注意な飲み物ですね。
アレルギーが発症してしまったらそれこそ食生活に制限が増えてしまいます。
カフェインの入っていないお茶もたくさんあるのだから、そこは紅茶以外を飲む方が健康的ではないかと思います。
乾燥肌になる
利尿作用に関係している話なのですが、紅茶を飲むことでトイレに行く機会増え、必要以上の水分や必要な成分が失われて乾燥肌になりやすい環境をつくってしまう恐れがあります。
水分補給と称して紅茶をもっと飲めばもっと排出の回数も増えるわけで、悪循環がうまれます。
その分に保湿の対策を増やしたりするくらいなら紅茶を控えるほうが結果としてコスパも良いと考えます。
乾燥肌はその後の肌トラブルを生む原因にもなるし、そういう点でも紅茶は飲まないほうがベターでしょう。
体が冷えてしまう
寒いと暖かい飲み物が飲みたくなります。
そして紅茶などはミルクやレモンを入れたりと色々な飲み方ができますし、ついつい沢山飲んでしまいますよね。
でも紅茶に含まれるカフェインは体を冷やす効果があるので温まりたいのに飲めば飲むほど冷えに繋がるのです。
『紅茶は発酵しているお茶だから身体を温める作用が~』という情報が出回っていますが、紅茶の発酵=酸化によるものであって菌を使った発酵=発酵食品とは意味合いが違うんです。言葉に惑わされてはいけません。
女性ホルモンを乱れさせる
いろんな紅茶のメリットを出してるけれど、ポリフェノールの過剰摂取で女性ホルモンの乱れを生じさせるリスクがあることにも注意を向けてほしいです。
便秘につながったりもするし、好きで飲むことは否定しないけど紅茶には悪影響の面だってあるんですよ。
自分の健康面に気を配れば配る程、紅茶=優良なものであるという強い意見には賛同しかねます。
貧血を引き起こすリスクがある
紅茶に含まれるタンニンの作用によって鉄分の吸収が阻害され、結果として貧血症状の引き金となる可能性があるらしいんです。
鉄分は私たちの身体に不足しがちな重要ミネラルなのです。
もともと不足しがちなのにあえて紅茶を飲んで鉄分の吸収の邪魔をしているようでは、健康を考える上で矛盾した飲み物に思えて仕方ありません。
慢性疲労の原因になる
カフェイン摂取で疲れを軽減させて『もうひと頑張りしよう!』と意気込む多忙な現代人。
コーヒーより紅茶の方が飲み口が軽いこともあってどんどん飲んでしまう人も多いでしょう。
その気持ちは理解できます。カフェインによって副腎から分泌される“コルチゾール”というホルモンが増加することで体内が常に戦闘態勢となり、多忙の日々を乗り越えるための手段として使われるカフェイン。
ですが、一日中ずっと働き続ける副腎は疲弊してしまって代謝は遅れるようになり、結果的にはそれが慢性的疲労を引き起こすことにもなりかねません。疲れをとるためには休養しか適切な対応はないんです。
カフェインは一時の紛らわしにしかならないし、身体を騙して後々のマイナスな結果を生み出す飲み物となる可能性を無視しないでほしいです。
肌荒れを引き起こす原因に
にも出た“コルチゾール”。俗にはストレスホルモンともいわれています。
このホルモン自体は私たちの生命維持には必要で、普通に生活しているだけでも分泌されるものです。
しかしカフェインによる過剰増加はヒアルロン酸の減少を引き起こしたり吹き出物をつくる原因にもなり、後々肌荒れのリスクが高まるというのです。
お肌のためにはカフェインの入っていない飲み物の方が安全安心だと思います。
紅茶が不安材料になる場合
上記にて紅茶を飲むことによる効果や科学的根拠の一部をご紹介しましたが、紅茶を飲むことが好きな方の中でも、例えば妊娠中や授乳中の女性にはカフェインの影響を考慮して飲むことを控えているという方もいらっしゃるかと思います。
しかし、専門機関や専門家の見解では多少の数字こそ変われど、1日に数杯程度飲む分では問題ないとされている場合がほとんどです。
興味深いことに、紅茶の茶葉そのもの(一杯分の量)に含まれるカフェインはコーヒー一杯分のそれよりも多いのですが、実際飲みものとして提供される段階の紅茶(抽出されたもの)ではコーヒーの半分の量まで下がるのです。
カフェインの効果を考えるときは実際にどれくらいの量の茶葉と温度のお湯で、どれくらいの抽出時間で、という部分も踏まえた上での話が適切ですよね。
外国の専門機関で計測された数値をそのまま日本人に置き換えても、体格の違いや代謝の違いなどでも影響には個人差があるはずです。
『紅茶は不安材料だけど、それでもお茶類は飲みたいな。』という場合は、ルイボスティーや黒豆茶などのノンカフェインのお茶を選ぶことで安心できるかと思います。
そしてお腹の弱い方や敏感な方も、空腹時の飲茶を避けたり睡眠への影響を考えて○時以降は控える、などの工夫をすることによって悪影響を回避する手立てともなるでしょう。
紅茶を飲むことのメリット・デメリットのまとめ
これまでの章を経て、紅茶を飲むことで得られる良い点・そうでない点を数々挙げてきましたが、察しの良い方はもうお気づきのように、同じ成分でも良好な効能とそうでない効能の両方があるんですね。
茶葉の違い、状態(質や製法)、抽出方法や飲む本人の健康状態によっても効能の出方は変わってくるでしょう。
例えば紅茶に含まれるタンニンの量などは茶葉の抽出時間にも左右されますし、元をたどればその茶葉がとれる「茶の樹の種類」によっても違います。
ここでは深くは触れませんが、アッサムの茶葉がつくられる“アッサム種”はダージリティー(一部)の茶葉がとれる“中国種”に比べて茶葉に含まれるタンニンの量が元々多いといわれています。
「紅茶」と一括りにしても種類万別、上記に書かれているような科学的根拠や研究結果はその成分を使って出たものが大多数で、全ての紅茶(飲み物になった状態)を対象に飲んだ結果とは話が違いますよね。
その時の身体、ひいては心の健康状態によっても得られる効果の程度は変わってくるでしょう。
市販の茶葉もメーカーによって配合が違ったり、ミキシングされていることもあるので、厳密にいえば一つ一つ効能の程度は違う、または効果自体出にくい、などまちまちだと思ったほうが適切かもしれません。
もちろん信じてこそ効果が発揮される場合もあるでしょうし、解釈の仕方は人それぞれだと思います。
ただ効能を狙って飲む場合においてはっきりしていることは、「バランスは大事、飲みすぎ(過剰摂取)はよくない」「ミルクティーで飲むよりストレートで飲んだ方が効果が出やすい」ということ。
そして「ペットボトルの紅茶より茶葉やティーバッグで淹れた紅茶の方がよい」ということです。
牛乳でつくるミルクティーでは、牛乳のタンパク質が紅茶ポリフェノールの働きを抑制するので効能が失われてしまうんですね。
ペットボトルの紅茶の場合は製造工程で成分が壊されていたりもするというのも理由となります。ミルクティーだってほっとするしいいんですけどね。
効果を求めて飲む場合はやはり茶葉やティーバックから淹れたてのストレートティーを飲むのが望ましいそうですよ。あとは紅茶だけでなく、その他の飲み物や食べ物にもカフェインが含まれているものはあるわけなので、1日の摂取量や1度に飲む量に気を配ることも大事かと思います。
しかし飲むのも影響が出るのも結局自分の身体(妊婦さんや授乳中の方はご自身の赤ちゃんも)のはなし、専門機関の数値や周りの人の意見を踏まえた上で自分の中に不安や心配があるのなら、やっぱりカフェインの含まれないものを摂取してストレスレスな生活をおくる方が逆に健康的ではありませんか。
様々なメリットデメリットはあれど、紅茶一杯が絶対的な善でも悪でもないわけで、自分の身体や心と相談しつつ飲むこと(またその量の調整)、飲まないことを考えることが一番大切なことではないでしょうか。
余談ですが、「ミルクティー」という言い方は和製英語だという事実はご存知でしたでしょうか。
「ロイヤルミルクティー」も右に同じく和製英語です。
私は大人になるまでミルクティーは英語でもMilkteaというものだと思っていました。
英語では「Tea with milk」といいます(ティー・ウィズ・ミルク/お茶~ミルクを添えて~。
直訳だとフレンチ料理並みの洒落っ気すら感じますね)。
もし本場英国でアフタヌーンティーを体験する際、ここぞとばかりに『ロイヤルミルクティーをください』なんて頼んでも、残念ながら通じない場合が多いかと思います。
察しの良いスタッフさんなら当ててくれるはずですが。
それにしても度々混乱させてくる日本人のネーミングセンス。
因みに紅茶はBlack tea…紅くても黒茶。
それではまた。
ハーブティーのメリット・デメリット。健康飲料!?でも過信しないで!