シンボルツリーの選び方。育てやすいし手入れが簡単な木は?

シンボルツリー

夢のマイホーム、家は購入したけれど、さあ、庭はどうしよう?

植栽はなかなかイメージがわかない方も多いかもしれません。

造園屋に頼むのも予算が足りない。できるだけ庭は自分で造っていきたいとお考えの人も多いはず。
家と庭の象徴のシンボルツリーは重要です。

そこで、手入れが簡単で育てやすいシンボルツリーの選び方をご紹介したいと思います。

シンボルツリーは、家や家族と共に成長していく、つまり一緒に歴史を作っていく存在です。

家族の成長のシンボルとなるようなシンボルツリーは、年を経て見上げた時に、家族の想い出を心に映し出してくれる存在です。

素敵なシンボルツリーとの出会いのために、ぜひご参考になさってくださいね。

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シンボルツリーの選び方。

 

1

シンボルツリーとは?

家や内装、家具などのイメージはこだわりがあったり、簡単に浮かび上がったりする人も多いと思います。

実際に生活する中で、生活しやすい、動きやすいなどの「実益」や居心地がいいなどの「心の安らぐ場所」を元にプランニングするからでしょう。

庭も同じです。

時には、強風や日差しから家と家族を守り、時には家族の心の安らぎとなる、庭とはそういうものだとイメージすると、そんな庭の「大黒柱」的な存在も必要ですよね?

それがシンボルツリーなのです。

イングリッシュガーデン風、和風庭園、モダン庭園、どのような庭でも、シンボルツリーは四季の美しさを伝えてくれます。

そして、庭の広さに関わらず、シンボルツリーがあることで、奥行きも高さも表現してくれます。

また、家の存在をさらに演出し、邸宅としての格を上げてくれます。

そして何よりも、シンボルツリーが家や家族と共に成長することで、一緒に時を重ねて想い出を重ねることができる。

そんな存在がシンボルツリーなのです。

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家と庭を一緒にイメージしましょう。

いざシンボルツリーを植えようと思っても、何を選べばいいか迷ってしまいますよね。

家と同じと考えてみてください。

ポイント 和風にするか、現代風にするか、プロヴァンス風にするか、山荘風にするか・・・など家のデザインをイメージして建てる、もしくは購入することと思います。

同じように庭造りに対しても、全体のイメージを決めてプランニングしましょう。

ポイント できれば、家のイメージに合わせたほうが素敵です。

南欧風の家に純和風の築山庭園や枯山水の庭、なんだかハリウッド映画に出てくるような妙な日本庭園みたいと思いませんか?

反対にマッチしないように見えて、古民家風の建物にイングリッシュガーデンは素敵です。

イメージを決めてプランニングとは「和の建築」だから「洋は合わない」ではなく、家から眺める庭の眺め、反対に庭から眺める家の眺め、そして、敷地外から離れてみる家と庭の眺め、これらをイメージするといいでしょう。

3番

目的に合った選び方をしましょう。

シンボルツリーに求めるもの、役割を整理してみましょう。

ポイント 外から見た時にシンボルとなるように、つまり前庭に植えてシンボル的な役割。

存在感のあるものが良いでしょう。株立ちか単幹も考えておきましょう。

ポイント 外からの視線や日差しを遮る役割。

外からの視線や直射日光を遮る為ですから、常緑の木を選びましょう。。

ポイント 家族で楽しめるような、シンボルツリーと一緒に想い出を作られる役割。

デッキの真ん中をくり抜いて植栽し、アウトドアリビングとして利用する時の屋根代わり。

また、ブランコをぶら下げるなど、シンボルツリーを利用して楽しみたい事をイメージしてみましょう。

そして、ブランコなら強い木を選び、アウトドアリビングなら実や花が落ちない(掃除しやすい)常緑のものがいいでしょう。

ポイント 室内から眺めた時に楽しめる役割。

花や実、紅葉が楽しめるものもオススメです。もちろん常緑で緑を楽しむのも良いでしょう。

基本的にはご自身や家族のお好みで木の種類を選ぶと良いと思います。

ただし、家とのマッチングも考えてくださいね。
数寄屋造りの家に「オリーブの木をシンボルツリー」だとマッチしませんよね?

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選ぶときに大切なのが「株立ち」か「単幹」かです。

ポイント 株立ちは木の幹が根元から分岐しているもので、木の幹が単幹に比べて細く、ナチュラルな雰囲気になります。

雑木の雰囲気なので、剪定も簡単です。

大きくなっても圧迫感がないのも株立ちの特徴なので、最近では株立ちがガーデニングの主流となっています。

ポイント 一方、単幹は根元から分岐しない一本の幹の木で、太さが太く、存在感があります。

種類と日当たりを考慮しないと、将来大きく成長しすぎることも。

根元部分のスペースは株立ちよりも少ないですが上部で枝を広げるので、屋根との距離も考えましょう。

株立ちよりも価格は低めです。庭に十分なスペースがある場合は単幹もオススメです。
また、木そのものの性質、樹形、樹高もよく知って選ぶ必要があります。

根が浅いもの、深いもの、枝が横に成長するもの、上に成長するものなど様々です。

以上のように、目的に応じて、イメージと役割、株立ちか単幹か、そして、木の性質も考えてシンボルツリーを選ぶと良いでしょう。

シンボルツリーで育てやすい木、9選 

シンボルツリー、実際に選ぶにもたくさん種類があって悩みますよね?

そこで育てやすい木を選んでみました。

これがいいかな?とピックアップしたら、植える前に要チェック。

実際に公園などに足を運んで、木の成長後の姿を確認してみて下さいね。

1

シマトネリコ(モクセイ科トネリコ属)

高木 
常緑 
耐暑性強 
耐寒性やや弱 
開花(5月~7月)白色 
日照:日向~半日陰

シマトネリコ

株立ちのシマトネリコがとても人気です。

細い幹に小さく艶のある明るい緑の葉が常緑でついていて、涼やかな木漏れ日をもたらしてくれます。

そよそよと風に揺れる美しい様は爽やかなので、どんな建築にもマッチし使いやすい木です。

-5℃くらいまでは耐えてくれますが、積雪が長く多い地域や寒波で壊死してしまう可能性があります。

温暖化の影響で使える地域が広くなっていますので、自宅周辺でシマトネリコが大きなシマトネリコが植栽されているかどうかチェックして、植栽を決められると良いでしょう。

病気も害虫も心配なく、成長も早く樹形も自然に整います

日向では枝は横に、日陰では枝が上に成長する傾向があります。

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2

ヤマボウシ(ミズキ科ヤマボウシ属)

高木 
落葉性(※最近は常緑のヒマラヤヤマボウシやガビサンヤマボウシが出回っています) 
耐暑性 普 
耐寒性 普 
開花(6~7月)白、ピンク、薄緑色 
結実(8~9月)食用可 
日照:日向~半日陰

ヤマボウシ

雑木のシンボルツリーとして人気の品種です。

ハナミズキの近縁種で良く似た花(花に見えているのは実は総苞片)を咲かせますが、ハナミズキに比べて咲く位置が高い事、咲いている時期が長いことが特徴です。

二階から見下ろすと美しいです。樹形も自然に整うのであまり剪定の必要がありません。

本州以南では庭で越冬可能です

何よりも幹が鹿の子模様になるので、重たい雰囲気にならずに美しい樹木です。

病気は風通しが悪いとうどん粉病になる恐れがありますが、放置しても深刻な状況にはなりません。

害虫もテッポウムシを気にするくらいです。

日当たりが良く水はけのよい場所適していますが、西日は避けた場所が良いでしょう。
自生地は山の谷筋です。西日が当たる場合はマルチングやグランドカバーで根元をカバーしましょう。

最近は常緑の「ホンコンエンシス」という品種も出回っていますが耐寒性は劣ります。

3番

エゴノキ(エゴノキ科エゴノキ属)

高木 
落葉性 
耐暑性強 
耐寒性強 
開花(5~6月)白 
結実(秋)実は有毒なので食用不可 
日照:日向~半日陰

エゴノキ

エゴノキの花

古くから日本全土に分布している雑木で、万葉植物としても親しまれています。

白い花を釣り鐘状に咲かせてとても可愛らしい雑木です。
有毒な種をすり潰して川に流して魚を獲る漁法が行われていたそうです。

日当たりの良い場所を好みますが西日は避けましょう。

雑木なので湿り気があり腐植性の土壌を好みますが風通しも良い方が病気を防げます。

通風、採光環境が悪いと、うどんこ病、サビ病、褐葉病が発生しやすくなります。
剪定で風通しと日あたりを良くしましょう。
害虫はカミキリムシ幼虫、エゴノキアブラムシに注意しましょう。

ピンクチャイムというピンク色の花をつけるエゴノキも最近は人気です。
 
エゴノキは葉が上向きに花が下向きに無数に咲くので、木の下から観賞するのにとても良い木です。
人間には有毒な実ですが、鳥のヤマガラの大好物なので、鳥を楽しむことも出来ます。

4

カエデ(カエデ科カエデ属)

高木 
落葉性 
耐暑性弱 
耐寒性普~強 
開花(4~5月)赤

カエデ

北半球に温帯に分布するカエデ科の総称で、モミジも含まれています。

日本では葉の切れ込みの深いものを「モミジ」浅いものを「カエデ」と呼ぶようです。

葉の色、形は様々で、秋に赤くなる品種、黄色くなる品種、また春でも赤い品種など様々です。

日当たりの良い場所を好みますが適度な湿気好み土壌の乾燥を嫌います。

梅雨時期のうどんこ病、葉のすす病がまれに発生します。
新芽にアブラムシ類が発生、テッポウムシは致命的になるので特に注意しましょう。

風通しと日あたりに注意すると病気などの発生を予防できます。

ネグンドカエデは成長が早く耐寒性も強いので北海道でも栽培可能、街路樹などで使われています。

メープルシロップの原料となる樹液が取れる品種です。
斑入りのフラミンゴなどは葉の色が白っぽいので涼やかな雰囲気の樹木です。

5

ヒメシャラ(ツバキ科ナツツバキ属)

高木
落葉性 
耐暑性やや弱 
耐寒性普 
開花(6~7月)白 
日照:日向~半日陰

ヒメシャラ

ヒメシャラの花

美しい樹皮を持ち、ナツツバキ(シャラノキ)よりも小さい花をつけ、秋には葉が美しく紅葉します。

ヒメシャラはナツツバキよりも耐寒性が若干劣ります。

日向から半日陰の水はけの良い環境を好みますが日当たりが悪すぎると花付きは悪くなります。
半日程度日が当たる場所が適していますが、西日が当たる場所は適していません。

ナツツバキは福島県以南で越冬可能、ヒメシャラは神奈川県南部より以南で越冬可能です。

自然な樹形が美しいので剪定の必要はあまりありません。

稀にチャドクガが発生する場合もあるようなので、発生した時には駆除する場合は細心の注意を払いましょう。

6

カツラ(カツラ科カツラ属)

高木
落葉性
耐暑性強 
耐寒性強 
開花(5月)葯の色が赤 
日照:日向~日陰

カツラ

カツラの葉

カツラは雌雄異株の木で20mにもなる高木落葉樹です。

ハート形の愛らしい葉が新緑の時期には日差しから爽やかに守ってくれ、やがて秋には香りを放つ黄葉を楽しませてくれます。

そして樹形が整っているので、落葉後の冬もその姿を楽しませてくれます。

日当たりの良い場所から明るい日陰でも育ちますが、真夏の強い日差しでは葉焼けを起こす場合もあります。
また、一般住宅では埋蔵物(ガス管や水道管など)や住宅基礎部分などの構造物への影響も考えて植える場所を決める必要があります。

病害虫の心配はほとんどありません。
耐寒性が非常に優れているので、北海道でも平地なら栽培可能です。

7

コブシ(モクレン科モクレン属)

高木
落葉性
耐暑性強
耐寒性強
開花(4月上旬)白、ピンク
日照:日向

コブシ

モクレン(マグノリア)の近縁種で、日本と済州島に分布するコブシ、三重県、愛知県、岐阜県という限られた地域のみに自生する絶滅準危惧種のシデコブシはピンクの花をつけます。

コブシは白い花で里山を彩るので、春の訪れを知らせる花、田植えを知らせる花として山桜と同じく田打桜、田植桜、種蒔桜と呼ばれています。
モクレンよりも小ぶりな花は香りも楽しめる大きく育つのでスペースが必要です。

根の構造から移植が難しいので、植える場所を最初から考えておく必要があります。

自然に樹形が整う木で、剪定する場合は花後に剪定します。

隔年開花の性質が強いので、花が咲かない年があります。

病気に対する心配はなく、害虫もカミキリムシの幼虫に注意するくらいです。

8

シラカシ(ブナ科マテバシイ属コナラ属)

高木
常緑
耐暑性強
耐寒性強
開花(4~6月)
日照:日向~日陰

シラカシの実

シラカシは昔から家を守る木として使われ、防風、防塵、防火の役割を果たす木として親しまれてきました。

アラカシと違う点は葉の形と色で葉の幅が細く、繊細な雰囲気なので家のシンボルツリーとしても適しています。
どんぐりの生る木としても知られていて、リースづくり等も楽しめます。

また、常緑なので、暑い日差しや外からの視線を遮る目的にも適しています。
また日陰でも育ち、強い剪定にも耐える強健種なので、初心者にも扱いやすい木でもあります。

移植は難しい品種なので、植える場所を最初から考えておきましょう。

害虫はカイガラムシやアブラムシの発生があります。病気は害虫に関連してスス病、またウドンコ病の発症もありますが、総合して扱いやすく用途も多様なのでおすすめのシンボルツリーです。
樹皮が灰褐色なので、和風建築だけでなく現代建築、洋風と様々な洋式建築にマッチします。

9

オリーブ(モクセイ科オリーブ属)

中高木
常緑
耐暑性強
耐寒性強
開花(4~5月)白 
日照:日向

オリーブ

洋風のシンボルツリーとしてオススメのオリーブです。

銀緑色の葉が爽やかな樹木で1000種以上あると言われていますが、マンザニロ、ルッカ、ネバディロブロンコ、ミッションが出回っています。

ミッションはオリーブオイルに使われる品種で直立するタイプなので、狭い庭にも植えられます

自家受粉しにくい場合は側に「ネバディロブロンコ」を植えてみましょう。
ルッカは自家結実しやすい種類でオイル用の実ですが塩漬けにすると美味しいです。

マンザニロは低い樹高で結実しやすく塩漬け用に適した品種です。
耐寒性も強く、やせ地にも耐えますが、根が浅いので支柱で支えましょう
樹齢が長いのも特徴です。

花は目立ちませんがほのかに香ります。

実はオリーブオイルやピクルスなどに利用されます。

暖かく雨の少ない気候を好み、樹形は自然にまとまりますが、強い剪定にも耐える強健種です。
害虫はハマキムシやオリーブゾウムシ、病気には炭疽病に注意しましょう。

シンボルツリーで手入れが簡単な木は? 

シンボルツリーで選ぶときにはどの種類を選ぼうと悩んでしまいますよね。

選ぶ際には出来るだけ手入れが簡単なほうが良いと思います。

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手入れが簡単とは?

手入れが簡単といっても様々です。

チェック 害虫や病気に強い・・・殺虫や殺菌の手間が省ける。
チェック 剪定しやすい・・・・・素人の強い剪定にも耐えてくれ、樹形や花付きに影響しにくい。
チェック 掃除がしやすい・・・・落ち葉や落花、落果が気になる場合は植える場所に注意。

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手入れの簡単なシンボルツリーの選び方

オススメのシンボルツリーの性質をご紹介したので、自宅の庭の植えたい場所を考えて選びましょう。

例えば、コブシは花が落ちるのでお隣の敷地に迷惑をかけないような場所に植える必要があります。

オススメの例には挙げませんでしたが、桜や杏も花びらや実が落下するのでそれらが落ちる場所も考慮する必要があります。

また、桜は剪定する際には枝が痛むので注意が必要です。
同じようにオリーブは強い剪定に耐えますが、伸びたところを剪定していると結実しにくくなります。

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手入れの簡単なシンボルツリーの木は?

温暖な気候ならシマトネリコがイチオシです。

花や実を楽しむならヤマボウシがオススメです。

常緑で日陰も考慮するならシラカシがオススメです。

シンボルツリーの選び方のまとめ

家の印象を決める、家族や家と共に成長していくシンボルツリーは選び方を間違えなければ、手入れも簡単で、生活をより豊かにしてくれる存在となります。

また家からの眺め、外から家を見た眺めも変化させます。

いわば、家と家族の強い味方である存在、それがシンボルツリーです。

これから庭造りを検討している方、今の庭を変えたいと思っている方も庭造りの際には是非、シンボルツリー選びから始めてみてくださいね。

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