日本人の食文化に発酵食品は欠かせないものです。
実は日本は発酵大国なのはご存知でしょうか?
TV番組などでも「発酵食品は体にいい」と特集が組まれ、体にいい理由や効果効能についても詳しく解説されていますよね。
そこで、知っているようで知らない発酵食品についてのご紹介、そして効果的な食べ方などをご紹介したいと思います。
実は、こんなものも発酵食品だったの?と驚かれるような食品もあるんですよ。それだけ日本人の生活に発酵食品は欠かせず、太古から現在まで身近な食品なのです。
どうせ摂取するなら、効果的な食べ方をしたいところ。そこで発酵食品の効果的な食べ方なども併せてご紹介したいと思います。
健康と美容のために発酵食品を日常のレシピに加えてみてはいかがでしょうか?
発酵食品が体にいい理由
発酵食品が体に良い理由をお話しします。
まずは、体に良いとされる、発酵食品とは?ってところからお話ししていきます。
先人の知恵 発酵食品
発酵食品の歴史は古く、ワインかヨーグルトが人類の口にした最初の発酵食品だと言われています。
ワインは5千年以上前に中東で飲まれていたそうですし、ヤギの乳を革製の水筒に入れてラクダに揺られていたら、乳酸菌が入り込んでヨーグルトができたというのが紀元前数千年前というから驚きです。
私達の住む日本においても、奈良時代の天平年間(729~749年)の木簡に瓜の塩漬けが記されているので、これが文献上は最古ということです。
島国日本では魚を獲って塩で保存することもあったので、魚醤ができたと思われます。
これが縄文時代というから、私達のDNAに発酵食品を欲するものが組み込まれていたとしても、驚かないくらいですよね。
「保存」という目的から塩などで食品を漬けた結果、発酵したのですが、それが、「体にいい」ということを、化学が発達していなくても理解していた先人の知恵があったのだと思います。
発酵食品とは?
まず、「発酵」とは何かを考えてみましょう。
発酵とは微生物の働きで有機物が分解され、「特定の物質」を生成する現象をさします。
つまり「発酵食品」とは微生物の増殖(代謝活動)によって作られた物質や酵素による働きで食材に「変化」を起こさせた食品のことなのです。
なんだか、難しく聞こえますが、要するに微生物(カビ、酵母、細菌)の代謝活動によって食材が変化したもので、
人間が食べられるものを「発酵」
食べられないものは「腐敗」となるわけです。
病原菌や腐敗生物の働きで体に有害なものとなれば「腐敗」となるのです。
「発酵」と「腐敗」の違いは微生物が「善玉菌」か「悪玉菌」かによって違います。
糸を引いた煮物は腐っていると認識しますよね?
でも納豆は糸を引いていても腐っていません。
「発酵」しているのです。これは納豆菌が「善玉菌」だからなのです。
発酵食品が体にいい理由
発酵食品は菌の種類によっても違いますが、食材によって動物性の発酵食品か植物性の発酵食品かの違いもあります。
日本はこの植物性の発酵食品が多い発酵大国なのです。
『世界五大健康食品』は
スペインのオリーブオイル
日本の大豆食品
インドのレンズ豆
ギリシャのヨーグルト
韓国のキムチ
と言われています。
この中でも発酵食品が三つ含まれていますし、日本の大豆食品は醤油や納豆、味噌など発酵食品がたくさん含まれています。
では、どうして発酵食品は体にいいのでしょう?
まず、発酵によって食材の分解が進むことで、消化吸収がしやすくなります。
腸にやさしく吸収されやすくなるのです。
そして、吸収されやすいという事は、即効性があるということですよね。
また、発酵食品自体に酵素や菌が含まれているので、それらが腸内環境を良くする効果があります。
そして、発酵食品に含まれる「善玉菌」が体内の「悪玉菌」を抑制し免疫力も高め、デトックス効果ももたらすと言われています。
そしてさらに、発酵食品に含まれる抗酸化物質が活性酸素を除去し、酵素やアミノ酸も取り入れることになるのでアンチエイジング、酵素や菌のはたらきでやピロリ菌除染、口臭予防などにも効果があると言われています。
例えば、「飲む点滴滴」の甘酒も発酵食品ですが、これはアミノ酸とブドウ糖のかたまりで、江戸時代に夏バテ回復のために飲まれていました。なので、実は甘酒は冬ではなく夏の季語なのです。
発酵食品の効果効能
発酵食品の効果や効能を見ていきましょう。こんなに効果があるのか!ってびっくりしないでくださいね。
発酵食品のあれこれ
日本にはたくさんの発酵食品があり、それぞれ発酵させる微生物が違っています。
大まかに分けていますが、それぞれ、たとえば「醤油」というだけでも「薄口」「濃い口」「たまり醤油」などたくさんの種類があるのですが、ざっくりと「醤油」と例を挙げています。
食品と発酵の元となる微生物別にご紹介したいと思います。
麹類
(調味料として使う場合もありますし、この麹菌を加えて発酵させる食品もあります)
米麹、麦麹、豆麹、塩麴、醤油麹、醤(ひしお)
麹菌を使用した発酵食品
日本酒、味噌、醤油、味噌、みりん、泡盛、焼酎、漬物
酵母類
(単細胞性の微生物で自然界のあらゆるところに存在します)
清酒酵母、ビール酵母、ワイン酵母、パン酵母
酵母類を使用した発酵食品
日本酒、ビール、ワイン、焼酎、酢、みりん、ウイスキー、パン、味噌、醤油、鰹節、漬物、キムチ、ピクルス、ヨーグルト、チーズ
酢酸菌
(アルコールを酸化させて「酢酸」という酢の成分を作りだします。)
アセドバクター・アセチ(日本酒に入れると米酢に、ワインに入れるとワインビネガーに)
アセドバクター・キシリナム(ナテデココは糖を発酵させセルロース繊維を作った発酵食品)
酢酸菌を使用した発酵食品
穀物酢、米酢、ワインビネガーモルト酢、りんご酢、バルサミコ酢
身近な発酵食品メニューあれこれ
食卓にはどういうもので並んでいるでしょうか?
漬物
奈良漬、ぬか漬け、味噌漬け、すぐき、ザワークラフト、ピクルス、ザーサイ、メンマ、ベッタラ漬け、野沢菜、すんき等。
豆類
納豆。日本が誇るスーパーフードの代表です!豆腐よう(沖縄県)腐乳(中国)、テンペ(インドネシア)バニラビーンズも実は発酵食品で、種なので豆製品として入れてみました。
動物性発酵食品
カツオ節、生ハム、サラミ、ペパロニ、くさや、塩辛、めふん、このわた、フグの卵巣のぬか漬け、へしこ、アンチョビ、シュールストレミング(スウェーデンのニシンの塩漬け。世界一臭い食べ物)、ホンオフェ(エイの発酵食品。世界で二番目に臭い食べ物らしいですよ)
なれ寿司(ふな寿司、かぶら寿司、ハタハタ寿司、飯寿司など)。
パン
天然酵母、イースト菌、どれを使っていても、発酵させて膨らませている発酵食品です。
乳製品
チーズ、ヨーグルト、発酵バター、サワークリーム
調味料
醤油、味噌、酢類、バルサミコ酢、タバスコ、かんずり、魚醤(しょっつるやナンプラーなど)、コチュジャン、チョングッシャン、甜面醤、豆板醤、
酒類
日本酒、焼酎、ワイン、ビール、甘酒、みりん、泡酒、まっこり
お茶類
紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、阿波番茶(徳島県)、碁石茶(高知県)
発酵食品の効果のほどは?
発酵食品の色々な効果を見ていきましょう。
発酵食品の健康効果
発酵食品が体にいいというのは第1章でも触れました。
発酵食品は微生物の働きによって食品が変化したもので、その微生物によって効果が違ってきます。
日本で使われている微生物は以下のものになります
麹菌(こうじきん)
納豆菌(なっとうきん)
酢酸菌(さくさんきん)
酵母菌(こうぼきん)
乳酸菌(乳酸菌)
ではそれぞれの菌の効果をご紹介します。
麹菌
食品の消化吸収アップ、疲労回復、美肌効果、ダイエット効果、リラックス効果、乳酸菌の増殖の補助など
納豆菌
動脈硬化など血管病の予防、特に脳梗塞や心筋梗塞予防に効果あり、抗酸化作用、アンチエイジング、がん抑制、感染症予防、骨粗鬆症の予防、乳酸菌の増殖の補助など
酢酸菌
疲労回復、高血圧予防、夏バテ回復、冷え性改善、二日酔い予防、内臓脂肪削減効果など
酵母菌
糖尿病予防、美肌効果、ダイエット効果、血液の流れの改善、整腸、免疫力アップ
乳酸菌
整腸、体内フローラ、がん予防、ピロリ菌削減、コレステロール低下、口臭予防、高血圧予防、花粉症予防と削減など
発酵食品肌への効果
コウジ酸
杜氏(お酒を造る人)のお肌をご覧になったことがあるでしょうか?つやつやピカピカです。
米の発酵過程でできるこうじ酸にはメラニン生成を抑える作用があり、くすみがなく透明感のある白いお肌になるということです。
化粧品にも成分が加えられて発売されていますが、杜氏は熱い湯気を直に肌に触れているので、ある意味エステのスチームをしている状況です。
お肌がつやつやなのが納得です。
甘酒はこうじ酸が含まれているので(麹でできた甘酒)、美肌効果があると言われています。
大豆イソフラボン、酒粕
メラニンを生成させる物質を阻害する働きがある。またこう酸化物質によりエイジングケアとしての効果もある。
納豆の「ポリグルタミン酸」
保湿効果、肌の代謝に欠かせないビタミンB群含有、美肌に不可欠なたんぱく質も豊富。
ぬか漬けの「乳酸菌と酵素」
ビタミンとミネラルが豊富、乳酸菌が腸内環境を整えるので美肌効果につながる。
とりあえず、何でもぬかに漬けて食べてみるのもオススメです。
ほうれん草のぬか漬け、美味しいですし、ビタミンが壊れないので栄養を丸ごと取れます。
我が家では朝食のお漬物として登場のぬか漬けです。
発酵食品のダイエット効果
お酢
中性脂肪を減らす効果があると知られています。酢の物だけでなく、お酢をドリンクとして飲むと効果があるようです。
甘酒
リパーゼという酵素があり、それが代謝アップの働きを助けます。
リパーゼだけでなく、脂肪燃焼に必要なビタミンB群も豊富に含まれているので、体内の糖質をエネルギーに変えてくれます。
この糖質が蓄積されると脂肪となるので、甘酒で糖質をエネルギーとして燃焼してくれるのは嬉しい働きです。
オリゴ糖、植物性乳酸菌が含まれているので整腸作用があり、内臓が活性化、結果代謝機能がアップしダイエット効果があると言われています。
カテキン
紅茶や日本茶に含まれるカテキンは脂肪燃焼を助けます。
カツオ節
カツオ節には脂肪を分解する酵素のリパーゼの材料となるアミノ酸がたっぷり含まれています。
アルギニン、リジン、プロリン、アラニン、などのアミノ酸が脂肪の燃焼を効率よくします。
納豆
脂質代謝を高めてくれるビタミンB2が豊富。食物繊維も豊富なので整腸作用もあり。
納豆は日本のスーパーフードです。
うちの子は冷房の中ではお腹が痛くなるそうなのですが、納豆を食べた日と食べない日は明らかにお腹の調子が違っています。
納豆を食べた日はトイレに行く回数が少なくなるので、やはり効果絶大なのだと感じています。
キムチ
乳酸菌が豊富で、ビタミンB2で脂質代謝、ビタミンB6でタンパク質代謝を促してくれます。
焼肉にキムチは納得の組み合わせですね。
唐辛子のカプサイシンも代謝アップ効果あり。
ヨーグルト
整腸作用があり、便秘改善に効果あり。
冷え症への効果
甘酒
ここでもスーパーフードの甘酒の登場です。
甘酒のブドウ糖は体温を保ってくれる働きもあります。
ドクターが冷え防止に甘酒を飲んでいると紹介されました。
この甘酒、発酵食品で私のイチオシです。
冷え性解消で飲み始めたのですが、冷え性改善はもちろん、美肌にかなり効果がありました。
肌の状態がとても良くなったのです。冬の乾燥肌がしっとり肌に。ぜひお試しくださいね。
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発酵食品の効果的な食べ方
数え上げたらキリがない発酵食品の効能。
例えば、甘酒はショウガと一緒に飲むと相乗効果で一層体を温めます。
このように組み合わせで発酵食品のパワーをさらにアップさせ、効果的に吸収できるのです。
そこで発酵食品の効果的な食べ方をご紹介したいと思います。
肉類は味噌漬けや麹漬け、粕漬がオススメ。
味噌汁は決して沸騰させない(50℃=火を止めてから10分後に溶くと菌の死滅を防げる)
納豆+ゴマ油、朝よりも夜に摂ると効果的(納豆を医師に禁止されている人はNG)
おにぎりの具は鰹節がおすすめ
キムチ+納豆を豆腐にかけるは最強の組み合わせ
ヨーグルト+バナナ(+きなこもグッド!)
ヨーグルト+甘酒
海藻の酢の物 ダイエット効果抜群
酢の物は日本食の定番ですが、これもさすがですよね。
鰻ときゅうりの酢の物のうざくは疲労回復のベストマッチな組み合わせですし、海藻と酢も食物繊維から整腸作用、夏バテ防止にいいです。
疲れた時は酢の物を食べたくなりませんか?
私はレモンやすだちの風味(果汁や輪切り)をプラスして食べます。
食欲がない夏場には特にオススメですよ。
発酵食品の効果的な食べ方は「菌を殺さないこと」
菌は50℃で死滅するのが多いので、過熱による効果減少を防ぎましょう。
また、食物繊維と摂ることで、善玉菌のエサとなることで効果がアップします。
登山で数日山に行くときに、豚肉や鶏肉を味噌漬けにして持っていきました。
鍋の具材として肉を使用し、仕上げに味噌を溶いて入れると味噌鍋の出来上がりです。
保存目的で味噌漬けにして持って行っていたのですが、疲労回復が豚肉のビタミンBと味噌の麹菌の働きの相乗効果があったと感じています。
異常に美味しく感じましたし、疲れが取れました。
これは日常の献立でも使えると思いますのでぜひお試しください。
発酵食品が体に良い理由のまとめ
発酵食品は
アンチエイジング
ダイエット効果
美肌効果
冷え防止
口臭予防
疲労回復
内臓脂肪を減らす
高血圧予防
がん抑制
免疫力アップ
感染症予防
花粉症予防や軽減
コレステロール低下
整腸作用
糖尿病予防効果
など、本当に様々な健康効果があると言われ
ています。
日本人は古来より植物性発酵食品を豊富に、日常的に取り入れていたのですが、食生活の欧米化で変化したことから、がんや成人病などの疾病も増加していいます。
賢く効果的に発酵食品を摂って、心身ともに健康的な食生活を送ってはいかがでしょうか?
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