猫を飼っていて、絶対に猫のいる部屋に飾ってはいけない毒のある植物をまとめてみました。
猫に中毒を引き起こす危険な観葉植物をメインに挙げています。
リストアップした植物は特に危険なものです。
中毒を起こすとどうなるかも簡単にご紹介しています。
万が一中毒症状が出た場合は素人判断せずに、すぐに獣医さんに相談しましょう。
人は大丈夫でも猫には有毒な植物、また猫だけに毒性を発揮する植物などがあります。
大切な家族の一員のネコちゃん、部屋を飾る観葉植物にも気を付けて、安全、安心のキャットライフを過ごしてみましょう。
目次
猫に毒で危険な観葉植物は?中毒を起こすものから死に至るものまで
猫にとって、とっても危険な植物事情
猫に悪影響を及ぼす植物は700種類以上あると言われています。
その理由は次の章でご紹介、この章では中毒症状を引き起こす観葉植物を中心にご紹介したいと思います。
ただ、最近「観葉植物」の定義がとても広がっているようで、庭木でも用いられるオリーブやネムノキ(エバーグリーン)なども観葉植物として人気ですし、他の植物と一緒に寄せ植えして楽しむ方、野菜のコンテナガーデンを観葉植物代わりに楽しむ方も増えています。
そこで、猫にとって毒で危険な観葉植物として、園芸品種や野菜、庭木やフラワーアレンジメントなどでも扱われている植物も合わせてご紹介しています。
また、ここでリストアップされていないから絶対に大丈夫とはいえないので注意してくださいね。
猫に対しての毒性を確実に調べるのは薬品のテストと同じくらい膨大なデータやテストが必要です。
また、ネット社会の弊害の一つとして、猫と危険植物とのツーショットを知らず知らずに撮った画像がアップされていたり、安全とリストアップされたりもしています。
また、「うちは全然大丈夫よ~」と間違った経験則で安全性を断言する人もいますが、これも要注意です。
今回ご紹介するリストはアメリカのASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)でリストアップされているものとその他の文献から特に注意が必要なもの、日本でよく扱われているものを中心にご紹介しています。
※ASPCA・・・協会では24時間で中毒対応していて、中毒専門家が10年の活動から「全身症状を伴う影響、または消化器官への影響が報告されていなもの」を「毒性がないもの」健康被害の報告がなされているものを「毒性があるもの」として、データを整理しています。
https://www.aspca.org/pet-care/animal-poison-control/toxic-and-non-toxic-plants
毒性がないとリストアップされていても、健康被害が報告されれば「毒性があるもの」として変更される可能性があります。
このように、リストで安全と載っていたとしても、今まで報告されていなかったケースもあるものとして考えるほうが安心です。
猫に安全な植物リストアップはこちら!
猫の観葉植物対策、無害・安全で食べても大丈夫な観葉植物は?
猫は肉食動物です。
むやみに植物を口にする環境におかないことが、安全に第一歩。
そして、たくさんの名前や別名がある観葉植物です。
ネムノキはエバーグリーン、ドラセナ・フレグランス マッサンンゲアナは幸福の木など、素敵なネーミングで販売されているので、ちょっとややこしいかも。
猫にとって致死的な危険な毒性をもつ植物
ユリ科 (ユリ、チューリップ、スズランなど 猫にとって全草毒 葉、茎、花粉、生けている水全てが猫にとって毒性がある)
サトイモ科 (アイビー、ポトス、カラー、カラジウムなど観葉植物に特に多いサトイモ科。別名で販売されているので要注意)
スモモ属バラ科 (りんご、スモモ、杏、モモ、ウメ、チェリーなどの種子、ローレルチェリーは葉と果実)
キンポウゲ科 (ホヤ、キンポウゲ、アネモネ、クレマチス、トリカブト、オダマキ、
クリスマスローズ、キツネノボタン、オダマキなど)
ナス科 (イヌホオズキ、チョウセンアサガオ、ニオイバンマツリなど)
キク科 (クリマンセラム、デイジー、マーガレット、フジバカマ、タンゴギクなど)
上記の科の植物中には猫にとって毒性が強いものが多いです。
これらの植物は猫を飼っている人は飾らない、触れない方が安全です。
スモモ属バラ科については、種子や種なので、猫がおもちゃとして転がしてかじって・・・という観点からは、飾っていなくても、料理(例えば梅酒など)を作る場合も要注意ですね。
上記の中でも特にユリ科は要注意。
観葉植物として用いる人は少ないかもしれませんが、花束などでは定番です。
チューリップや鹿の子ユリなどは猫にとって強い毒性があります。
ユリについては生けている花瓶の水を飲んだだけで死に至ったという話もあるようです。
もちろん、ヒガンバナやトリカブトなど、人間にとって毒のものは猫にも毒があって危険です。
そして、キンポウゲ科と、観葉植物に多いサトイモ科も注意が必要です。
それでも、部屋を観葉植物や花で彩りたいという方もいらっしゃることでしょう。
その場合は、今回のリストをぜひ参考になさってくださいね。
また、たくさんの難しい植物名は覚えられないという方は、上記の科や属の植物を避けるようにしてください。また、別名がある植物でもこれらの科や属の植物を避ける事で危険が避けられます。
猫にとって危険な毒のある観葉植物
アイビー 全草
アイリス 根、茎
アザレア 葉、蜂蜜、根 ※別名シャクナゲ
アジサイ 蕾 葉、花
アマリリス 葉、球根、花、花粉、生けている水全てが毒
アヤメ 根、茎
アロエ 全草
アロカシア 全草 ※別名クワズイモ サトイモ科
アンスリウム 全草 ※別名ベニウチワ サトイモ科
アンズ 未成熟の果実、種子の中身
イエロージャスミン 全草 ※別名カロライナジャスミン
イチイ 種子、葉、樹体
イチジク 枝、葉
イチヤクソウ 全草
イチョウ(銀杏) 種子
イヌサフラン 全草 ※ユリ科
イラクサ 葉、茎の棘
ウランベータ 別名フィカスベンジャミナ
ウマノアシガタ 全草 ※キンポウゲ科
ウメ 未成熟の果実、種子の中身
エゴノキ 実
オーガスタ 全草 ※バショウ科ストレリチア属
オモト 全草 ※ユリ科
オダマキ 全草 ※キンポウゲ科
カルミア 葉、蜂蜜 ※アメリカシャクナゲ
カラー 全草
カラジウム 全草 ※サトイモ科
カランコエ 全草
キキョウ 根
キク 全草※キク科
キツネノカミソリ 茎
キバナフジ 全草
キョウチクトウ 全草
クリマンセラム 全草
クリスマスローズ 全草 ※キンポウゲ科
ゲッケイジュ 全草
コバイケソウ 全草 ※ユリ科
ゴムの木 葉、樹体
コルディリネ 葉、茎 ※赤ドラセナ アレジメントでもよく使用されます。
ザミオクルカス 全草
サクラソウ 全草 ※別名プリムローズ
サツキ 全草
シキミ 葉、樹皮、果実、種子
シクラメン 全草
ジャスミン 全草
シャクヤク 根
シュロソウ 根、茎 ※ユリ科
シンゴニウム 全草 ※サトイモ科
ジンチョウゲ 全草
スイセン 茎
ストレリチア 全草 ※ゴクラクチョウ ストレチア
スパティフィルム 全草 ※サトイモ科 別名スパティフィルム、ササウチワ
スモモ 未成熟の果実、種子の中身
ソテツ 全草
タチアオウイ 全草 ※別名エイレンソウ ユリ科
タンゴギク 全草
チューリップ 全草 ※ユリ科
チョウセンアサガオ 全草 ※ナス科
ツクバネソウ 全草 ※ユリ科
ディフェンバキア 葉全体
デルフィニウム 全草 ※キンポウゲ科
デイジー 全草
トウゴマ 全草
ドクウツギ 全草
トチノキ 全草
トマト 葉、茎、未成熟果実
ドラセナ 全草 ※別名幸福の木
ナス 葉、茎
ナンテン 葉、実
ニオイバンマツリ 全草、未熟な実は要注意
ニセアカシア 全草
ニチニチソウ 全草
ネギネ 全草 ※ゴクラクチョウの一種
ヒメカズラ 全草
ヒヤシンス 全草 ※ユリ科
フクジュソウ 全草 ※キンポウゲ科
フォロデンドロン 全草 ※サトイモ科
フジ 全草
フジバカマ 全草
ヘデラ 葉
ベラドンナ 全草
ベンジャミン 全草
ボタン 根
ポインセチア 茎、葉
ポトス 全草 ※サトイモ科 別名オウゴンカズラ
マーガレット 葉
モモ 未成熟の果実 種子の中身
モンステラ 全草 ※サトイモ科
ユズリハ 葉、樹皮 ※鏡餅の飾りにも使用される。
ランタナ 未熟の種子、葉
リンゴ 未成熟の果実 種子の中身
ルピナス 全草
ロベリア 全草
上記はほんの一例です。
ここにリストアップされていないからといって、安心ではありません。
また、国や地域、またお店によって名前が変わる場合もあります。
ブランド名などで元の名前がわからない場合もあるので、その場合は最初にリストアップした科を避けるようにしましょう。
猫が中毒を起こすとどうなるの? なぜ危険?
猫にだけ中毒が起こるのはなぜ?
前章でリストアップした植物の多さに驚かれたことでしょう。
この中には例えば、ユリのように「猫だけに有毒」な植物もたくさんあります。
※スズランの球根などは人間を含む他の生物にも有毒。
また、同じく『肉食動物』であるフェレットも猫と同じような毒に対する特徴があると言われています。
ちょっと昔は捨て猫を保護して飼う人が多く、そんな場合は猫ちゃんも兄弟や親猫から「危険性」について教わるケースが多かったと思います。
でも、最近は最近の猫はペットショップやブリーダーなどで購入して買う人も多いですよね。
生まれてからずっと室内で過ごす猫ちゃんも多いことでしょう。
そんな猫にとっては何が危険で何が安全なのかは判断がつきません。
特に、ゆらゆらと揺れる葉っぱなどは猫ちゃんのおもちゃとしてターゲット、口に入れたらダメ!といっても後の祭りです。
700種類以上も猫にとって危険な植物がありますが、別名もあるのでとても覚えきれませんよね。
そんな時は、前章でご紹介させていただいた、特に危険な植物の科の観葉植物は避けるようにしましょう。
ところで、リストアップした植物の中には人畜共通の有毒な植物もありますが、ユリのように猫のみに有毒な植物も少なくありません。
では、なぜ、「猫にだけ有毒」な植物があるのでしょう?
猫は人間や犬と違って『肉食動物』です。
猫は肉食で生きるように進化したため、肝臓の働きが人間や犬などの『雑食動物』とは違います。
そのため、肝臓に毒物を蓄積されやすく、結果的に中毒症状を引き起こしやすいだそうです。
特にユリは、猫にのみ有毒性がありますが、その有毒成分が特定されていません。
ですから、解毒の方法がなく、対処療法のみになるそう。単なる中毒だけでなく、重い腎不全から、中毒死に至らなくても、予後がとても悪く危険な植物です。
有毒物質が特定されていないということから、様々な口コミ情報があるのもユリです。
生けている水を飲んで中毒死。
ユリを触った手で猫を撫でて中毒。(きっと花粉が手についていたのではということです)
ユリを生けているだけで中毒(これも体に花粉がついて、毛づくろいをした時に口に入って中毒と予想されています)
葉っぱをかじって中毒
・・・・などなど。
私もユリは大好ですし、花束でいただくのもユリが入っている率がかなり高いです。
そんな花束を飾る時は必ず花粉を取って、猫が入らない部屋に飾るようにしています。
また、ユリを触った時は手洗いをしてから飾るなど、細心の注意を払うようにしています。
猫特有の行動習性にも危険性を高める理由があります。
毛づくろいをする。
動くものを口にして遊ぶ。
猫草に代表されるように、緑の葉っぱを食べる。
体を擦り付ける。
手を使って遊ぶ。
顔を洗う時に手を舐める。
などなど。
遊んだり、グルーミングをすることでも、観葉植物の葉液、茎液が口に入ったり、花粉が体についてそれを舐めたり、吸いこんだり、有毒な種子を転がして遊んで口に入れたり・・・と、行動習性から中毒のリスクが高まります。
つまり、毒の侵入経路として
口から入る
呼吸で入る
体表面から入る
これらが主なものといえるでしょう。
大切な家族の一員の猫ちゃんを守るために、飼い主がすべきこと
それは、猫の中毒のリスクを下げる事。
そのためにも、猫ちゃんから猫にとって毒のある観葉植物を遠ざけることが必要なのです。
猫が中毒を起こすとどうなるの?
犬や人間に毒ではなくて、猫に毒性がある代表格、ユリは猫にとっては全草が毒で、特に気を付けなくてはならない植物の一つです。
花粉一粒でも中毒症状を引きおこします。
主な症状は下痢、嘔吐、中枢神経麻痺、循環器不全、腹痛、全身麻痺、腎不全、死亡
有効な治療法がないので、一口でも食べるととても危険です。
観葉植物に多いサトイモ科の主な中毒症状は
口内のかゆみ、爛れ、気道閉塞、痙攣などの神経症状
キンポウゲ科も毒性が強く
嘔吐、痙攣、血便、腹痛、死亡などの症状があらわれます。
その他の植物の中毒症状として、元気消失、呼吸困難、不整脈、ふるえ、よだれ、虚脱など、様々です。
まずは、猫にとって危険な植物は猫が近づくことのない環境にすることが必要です。
でも、気を付けていても、万が一ということがありますよね。
では、猫ちゃんが毒のある観葉植物を口にしてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?
次の章にまとめてみました。
猫が危険な観葉植物を食べてしまった場合は?
どれだけ気を付けていても、敏捷で利口な猫ちゃんです。
するりとすり抜けて、猫にとって毒のある観葉植物のある部屋に入ってしまって口にしたり、触れたりという事もあるかもしれません。
そんな時はどうしたらよいのでしょう?
中毒の症状は、
摂取したもの(毒物)、
量、
猫の年齢や体重、
健康状態(既往症)
など、様々な条件によって変わります。
一見元気に見えるようでも、後から中毒症状が現れる場合もあります。
口にした、花から、皮膚から吸収したと思うだけでも処置が必要です。
応急処置
無理に吐かせるのは素人には危険です。
すぐに獣医さんに電話をして、指示を仰いで応急処置をしたうえで、獣医へ連れて行きましょう。
絶対に 少し様子を見てみようと思わないでください。
獣医さんにすぐに診察してもらいましょう。
猫は体が小さい分、少量の毒物が命の危険にかかわります。