いにしえの都、奈良には歴史のある名所と豊かな自然が織り交ざった紅葉スポットがたくさんあります。
特に奈良公園は世界遺産にも登録され、歴史的建造物、紅葉、鹿のコラボレーションを見ることができる類を見ない名所です。
ここではそんな紅葉スポットとおすすめルート、そしてライトアップ情報も加えてご紹介したいと思います。
赤く燃える葉の中に佇む古い建造物の中に踏み入れると、静寂の中、時が過ぎるのを忘れることでしょう。
その場の空気に触れて「時間」を感じることで、紅葉を一層楽しむことができます。
歴史溢れ、自然美豊かな古刹、奈良の紅葉名所、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
奈良公園の紅葉スポットは?
奈良公園
~類を見ない自然美と歴史的建造物と神の使いのコラボレーション~
奈良といえば奈良公園を思浮かべる方が多いのではないでしょうか?
観光客はもちろん、地元の人も四季折々の姿を写生したり、日々の健康と安らぎを祈願したり、奈良公園を中心に隣接の春日大社、東大寺などを訪れます。
奈良公園は660haの広大な地域にまたがり、東大寺、興福寺、などの南都七大寺と春日大社などの貴重な文化遺産の神社仏閣とそれらを取り巻く雄大な自然との調和が美しい歴史公園です。
モミジ、ナンキンハゼ、桜など紅葉の時期が違う木々を含む植物が約87種(山間部含まず)約10,000本あります。
奈良公園は10月下旬ごろからナンキンハゼが黄葉し、もみじの紅葉は例年11月~12月上旬が見頃です。
神の使いである1200頭もの野生の鹿は園内を自由に歩きまわり、春日原生林ではムササビやリスなども生息しています。
歴史的建造物、鹿、リスなどの野生動物、そして紅葉と他の場所では一緒にフレームにおさめることが難しい奇跡のショットが撮れる場所として、国内外の人が訪れます。
でも、奈良公園はとても広くて、どこが紅葉スポットなのか迷うことでしょう。
そこで、広い奈良公園でおすすめの紅葉スポットをご紹介したいと思います。
奈良公園 紅葉おすすめスポット
大仏池(正倉院大池)
東大寺大仏殿の北西に位置する大きい池で、大仏池の西側からは東大寺大仏殿の背景に若草山、
春日山を見渡すことができるので写真撮影を目的とした人気のスポットです。
また、紅葉したモミジの葉が大仏池に浮かび、池の周りに集まる鹿の風景は、まさに志賀直哉が書いたように「類を見ない美しさ」です。
大仏殿からは5分ほど、春日大社や国立博物館など観光客がひしめき合う場所から少し離れているので、他に比べて混雑もなく静かなので、「古都奈良」ではならの静寂の中の紅葉が楽しめます。
大仏殿を出て二月堂と反対、正倉院に向かう途中にあります。
道沿いには歩道橋がないので、車が往来します。ドライブウェイへ向かう車が通るので、往来には気を付けてくださいね。
水谷神社 水谷茶寮
春日大社の北側にあり、裏に流れる水谷川に朱色の「水谷橋」を歩くと頭上には赤く燃えるモミジが風に古の風に吹かれて静かな音を立てます。
水谷神社は春日大社の摂社で、「病魔から守ってくれる神様」です。
そして、本殿正面には「子授石」が「子宝」の神様としてお祀りされています。
子授け祈願のパワースポットとしても多くの参拝客が訪れます。
朱色の水谷橋を渡った先には「水谷茶寮」があります。
小さな茅葺屋根の茶店は現在も営業(水曜日定休日 10:00~16:00営業)し、和スイーツや饂飩が頂けます。奈良名物わらび餅がおすすめです。
先に落葉する赤い桜の紅葉の絨毯と青いもみじの対比、12月中旬に紅く燃えるもみじの中の水谷茶寮は「これぞ日本の原風景」と思わせるくらいの美しさです。
拝観料 春日大社の参拝は無料ですが、特別拝観の奥へ入って本殿近くを参拝して灯篭を回る場合は500円の拝観料が必要です。
手向山八幡宮
「このたびは 幣(ぬさ)もとりあえず手向山 もみじの錦神のまにまに」
と菅原道真が謳ったように、昔から紅葉の名所だったようです。
三月堂に面した鳥居の側の大銀杏の黄葉が圧巻です。
参拝料 無料
参拝時間 7:00~16:30※先は通常時間なのでシーズン毎の時間は要チェック
浮雲園地
この園地は奈良公園のイベント「燈花会」「ムジークフェスト」「瑠璃絵」の会場としても賑わう場所です。
園内の「奈良春日野国際フォーラム・甍」にはトイレもあるので、ここで一旦トイレ休憩してもいいですし、広い芝生でゆっくりと紅葉を眺めながらお弁当を食べるのもいいと思います。
月曜日休館
浮御堂のある浅茅ヶ原園地、春日野園地、浮雲園地は広大な芝生が広がる園地なので、早朝に訪れると放射冷却で朝靄の中の神秘的な紅葉と鹿の様子が見られます。
泊りで奈良を訪れる方にはぜひ、この時間帯の紅葉散策もおすすめです。
城川から春日野園地へ
若草山と春日山の間から東大寺の南側を流れる水量の少ない小川です。
この城川に覆い被さるように紅葉したモミジを見ることができます。
東大寺の表参道の橋、東側の川沿いは美しい紅葉が楽しめます。
河原に下りている鹿もいるので、紅葉、川、鹿のショットが狙えます。
東方向川沿いに歩いて行くとモミジの紅葉が見事です。
ベンチやあずまやがあるので、ゆっくりと休憩しながら紅葉を眺めるのもおすすめです。
春日野園地まで進むと芝生の広場が広がります。
桜が多く、赤く色づいた紅葉が楽しめます。
ここもお弁当を広げて紅葉を楽しむのにぴったりの場所です。
東大寺東塔跡
東大寺にあった七重塔の跡です。
春日野園地の隣にある、人が少ない穴場の紅葉スポットです。
塔は600年以上前に無くなり、土台のみ残っていて、この周辺のイチョウがとても美しく黄葉します。
ヤエザクラを中心とした桜も見事に紅葉します。
依水園
東大寺の西側にある依水園は、東大寺などの表参道の賑わいと全く違う、静寂の時があります。
依水園の入り口は少しわかりにくいかもしれません。
大仏殿、鏡池から西方向へ進むと小さな小道と前述の城川があります。
ここの橋のところに依水園の入り口があります。園内地図などで確認してから移動されるといいですよ。
右手前に江戸時代にできた「前庭」、池があり、「三秀亭」というかやぶきのお食事処があります。奥には明治時代にできた「後庭」があり、中心に池で歩いて回れる「池泉回遊式庭園」があります。
四季折々の草木、桜はもちろん、紅葉も日本庭園を一層魅力的なものにしています。

一般900円
大学生810円
中・高生500円
小学生300円
障害者500円(介添一名無料)
奈良市はなまるカード(老春手帳)所持の方500円
※土曜日に限り保護者同伴の小、中学生は無料
休園日 毎火曜日(祝日の場合水曜日休園)4、5、10、11月は無休、年末年始は休園
浮御堂(浅茅ヶ原園地)
奈良公園から南に位置する浅茅ヶ原の鷺池に浮かぶ六角堂です。
少し離れた場所に位置するので、観光客の往来も少なく、紅葉の穴場スポットです。
大正5年に建てられた檜皮葺き(ひわだぶき)の六角堂が池にかかる橋の先に浮かび、周囲の紅葉との調和がとても美しいです。
また、奈良公園周辺の鹿せんべいを催促する鹿とは違い、浮御堂周辺の鹿はおとなしく、風景の一部に溶け込んでいて、古都奈良の自然美を感じることができます。
ここも朝靄の中の紅葉、池、浮御堂、鹿のコラボレーションをぜひご覧いただきたいスポットです。
また、ライトアップされた風景も幻想的なので夜もおすすめです。
メインの場所から離れているので、とても静かで穏やかな時間の中で紅葉を楽しめます。
奈良公園紅葉スポットアクセス情報
JR・近鉄奈良駅からバス乗車「春日大社本殿バス停」下車
バス乗車「春日大社本殿バス停」から徒歩3分で春日大社まで到着
ぐるっとバス(土日祝、観光シーズンのみ 100円)で「若草山麓」下車、南に徒歩3分から下りて回るルートでも回れます。
近鉄電車奈良駅から徒歩で春日大社へ向かう場合は歩いて30分くらいかかります。
奈良公園内の紅葉や鹿を見る場合は徒歩、効率よく紅葉巡りならバス利用がおすすめ。
バス利用お得情報:奈良交通スマホアフリー乗車券「バスもり!」500円/日
奈良公園紅葉スポット駐車場情報
基本的には公共交通機関がおすすめです。
土日祝でしたら100円でバスが乗れるので、時間短縮のためにもご利用をおすすめします。
正倉院展が10月下旬から11月中旬まで催され、この時期は車が特に込み合います。
主要建造物に近い駐車場は満車が多いと思います。
駐車場の穴場情報としては
NHK側の民間駐車場
県庁裏の一方通行道路沿いのコインパーキングなどは比較的空いているのでおすすめです。
休日やハイシーズンなどは終日最大料金がないパーキングもあるので停める前にご確認を。
春日大社駐車場はバス、乗用車合わせて100台駐車可能 普通車1000円
おすすめランチ情報
住所:奈良市春日野町158 ℡0742-26-8707
定休日:毎週火曜日、最終月曜日定休 ※キッシュ無くなり次第閉店
営業時間:11:30~13:00/13:30~15:00 いずれかでランチ予約
15:00~16:00 単品キッシュ、タルト+ドリンク
スープセット1,250円やキッシュランチA1,650円がおすすめ
テイクアウトランチは前日15:00まで予約
ランチボックス1,100円で用意してもらえますので、園内散策で紅葉を見ながらランチタイムでもいいですね。ここのキッシュはバターの香が豊かな生地に奈良の旬の野菜がふんだんに使われていて、本当に美味しいです。
水谷茶屋の前の小川を右手にみながら進むとすぐに見つかります。春日大社駐車場から5分
休日は予約が埋まりやすいので、早めに予約をとるほうがベターです。
奈良公園の紅葉 おすすめコース
前述のようにたくさんの紅葉スポット、名所がある奈良公園です。
広いので春日大社前までの移動をバスがおすすめです。
おすすめルートをご紹介しますので参考になさってくださいね。
おすすめコース(約4時間)
↓
「春日大社前」下車(8分)
↓
徒歩5分
↓
水谷神社、水谷橋、水谷茶寮
↓
徒歩10分
↓
浮雲園地(奈良春日野国際フォーラム甍@トイレ)
↓
徒歩10分
↓
城川沿い
↓
徒歩25分
↓
東大寺東塔跡
↓
徒歩10分
↓
手向山八幡宮
↓
徒歩20分
↓
正倉院宮内庁事務所前
↓
徒歩5分
↓
大仏池
↓
徒歩8分
↓
転害門バス停「近鉄・JR奈良駅行き」
↓
乗車5分
おすすめルートをめぐるには
NPO法人「奈良・観光ボランティアガイドの会」に申し込む
上記三カ所を巡るルートを案内してもらえます。
春日原生林やむささびについても詳しく説明いただけます。
希望に沿ってルートを自由に決められるので、穴場やその日一番の紅葉スポットなど、レアな現地情報を元に効率よく紅葉を見ることができると思います。
一人からでもOK
7日前申し込み要
ガイド料無料
※一回あたり10名以内なら運営料として1,000円必要、夜間ガイド2000円
私は奈良公園や神社仏閣を訪れた時に、観光ボランティアガイドの方が誰かを案内されていたら、説明を聞くために、さりげなく側に近寄ります。
それほど、レアで詳しい説明が聞けますよ。
奈良公園 紅葉 ライトアップ情報
奈良公園の紅葉イベントや特別ライトアップは残念ながらありません。
ただ、東大寺以外は通年ライトアップされています。
時間 19:00~22:00(9月は18:00~)
建造物へのライトアップですが、薄明かりの紅葉も楽しめる場所があります。
奈良公園のライトアップイベントは
夏に「ライトアッププロムナード・奈良」や「燈花会」
冬に「なら瑠璃絵」があります。
奈良公園 紅葉おすすめスポット、おすすめコース ライトアップ情報まとめ
古都奈良には自然美、歴史的建造物の造形美、野生の鹿、そして黄色、赤に色づく紅葉のコラボレーションが楽しめる、類を見ない美しい公園です。
観光客がたくさん訪れる奈良公園ですが、大仏池や浮御堂など穴場スポットもご紹介したので、ぜひ、ゆっくりと奈良の紅葉を楽しまれてはいかがでしょうか?
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