伊勢神宮は日本全国8万社あまりあるという神社の中で最高にあたるお宮です。
人生に一度はお参りしたいお伊勢さんというように、古来より日本人の憧れの聖地として親しまれてきました。
そこで、気になる参拝のマナーやルール、順番や所要時間などについてご紹介したいと思います。
伊勢神宮は外宮、内宮を含めた125社の神社のことなので、回る順番はとても重要です。
また、広くて見逃した、どこに行ったらいいのかわからなかったと、参拝した後によく話に聞きます。
見どころ含め取りこぼしのないように、下調べや計画は必須なので、ぜひご参考になさってくださいね。
伊勢神宮参拝のマナーを教えて。
「伊勢神宮」とは?
実は『伊勢神宮』という名前の神社はないのはご存知でしょうか?
『伊勢神宮』とは伊勢・志摩周辺にある125社の総称で、正式名称は『神宮』といいます。
2000年以上も前に創建された古いお宮で、お祀りされているのは「天照大神」です。
太陽神であり、神々の頂点に立つ女神なので日本で最も尊いお宮とされてきました。
江戸時代にはなんと、全人口の5分の1が参拝した年もあったというくらい、言葉通り本当の「聖地」、つまり、伊勢神宮は古来より「別格」のお宮なのです。
「お伊勢参り」のマナー、ルールはあるの?
「一緒に一度はお伊勢参り」と言われるほどの聖地「伊勢神宮」をお参りしたいですよね。
でも、格式高い伊勢神宮、様々な事が不安な方も多いはず。
参拝のルールやマナー、順番など、知っているようで知らないことだらけですよね。
神々の頂点に立つ「天照大神」が祀られている聖地「伊勢神宮」です。
万が一、神様に失礼にあたっては・・・と心配になります。
そこで、まずは基本中の基本からご紹介したいと思います。
参拝の作法
手水(てみず)

ひしゃく一杯分の水で全部行うので、ひしゃくいっぱいに水を汲み、左手に水をかけます。
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ひしゃくの柄を左に持ち替え、右手に水をかけます。
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再び右手にひしゃくの柄を持ち、左手に水を取って口をすすぎます。ひしゃくに口をつけるのは×
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口をつけてしまった左手に水をかけて、もう一度清めます。
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最後に残った水でひしゃくの柄を清めます。ひしゃくを立てると水が柄にかかります。
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使い終わったひしゃくは元の位置に伏せて置きましょう。
拝礼(はいれい)

まずはお賽銭を静かに入れ、姿勢正しく直立します。
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背筋を伸ばして、ゆっくりとふかくおじぎをし、姿勢を戻して、もう一度おじぎをしましょう。
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背筋を伸ばして直立、両手の平を胸の前で合わせ(右手を少し下にずらして)二回手を打つ。
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右手を戻し両手を合わせてお祈りをしましょう。具体的にお祈りするのがいいそうです。
諸説ありますが、住所や名前を心の中で唱えてからお祈りするといいそうです。
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最後にもう一度、背筋を伸ばして、深くおじぎをしましょう。
伊勢神宮参拝にルールはあるの?
参拝の作法は第一章でご紹介させていただきましたが、まだまだ心配な事、不安な事があるかと思います。
服装はどんな服装が適しているの?
携帯電話はどうしたらいい?
参道はどうやって移動したらいいのかしら?
写真はどこでも撮っていいの?
など、神社ならではのルールはもちろん、伊勢神宮ならではのルールもご紹介したいと思います。
服装
基本的にはカジュアルでOKです。
ただし、服装によっては正宮が参拝できない場合もあるので注意が必要です。
神聖な場所なので露出の多いものや、派手なものは避けましょう。
歩いての移動も多いし、場合によっては自転車で移動する人もいると思うので、動きやすい服装がいいでしょう。
また、坂道、階段、砂利道が多いのでヒールは厳しいです。歩きやすい靴で参拝しましょう。
スーツやワンピースなどあらたまった服装にしましょう。
写真撮影はOK?
神様に失礼にあたるので、写真が禁止されている場所があるので気を付けましょう。
内宮の御正宮もNGです。ただし、階段下からならOK。
その他お守りやお札などの写真撮影はNGです。
携帯は使っていいの?
携帯電話はマナーモードにしましょう。
橋を渡ったら神聖なる「聖地」です。心静かに、会話も静かにしましょう。
もちろん、イヤホンをしながら音楽を聴くのはNGです。
神域内で飲食、たばこはOK?
神域内の飲食、喫煙は禁止です。
水分補給はすませてからお参りしましょう。
ペット連れはOK?
ペット連れの旅行で参拝される方もいるかと思います。
結論から言うと、「宇治橋、火除橋」は渡れません。伊勢神宮の敷地内には入れないのです。
伊勢神宮の内宮・外宮それぞれの橋の入り口に「衛士見張所」があり、そこで預けられます。
内宮:宇治橋に向かって右手側にある衛士見張所 参宮案内所宇治橋右手の建物
外宮:火除橋に向かって右側、北御門(第一駐車場と第二駐車場の間)にある建物
「衛士見張所」は神宮の警護にあたる「衛士(えいし)」の事務所で、荷物が預けられるコインロッカーもあります。
ペットは犬や猫の小動物で(大型犬はNG)、料金は無料です。
ケージに入れてくれますが、室内で預かってもらえるわけではないので、注意が必要です。
朝の5時から預かり可能が、預かりの予約はできないのでご注意を。
参道ルール
参道は端を歩きましょう。
参道の真ん中を歩くのは神様に失礼にあたります。
内宮は右側通行
外宮は左側通行
また、鳥居の前でお辞儀をしてから、端を歩きましょう。
お願いをするのなら
正宮では日々の感謝の気持ちをお祈りするほうが良いとされています。
個人的なお願いごとは正宮ではなく、「荒祭宮」でするのがよいでしょう。
以上のように、神様に失礼にあたらないようにすることを心掛けるといいのです。心を静かに、厳かな聖地空気を五感を使って感じましょう。
では、次の章ではいよいよ、外宮、内宮の参拝の順番についてご紹介したいと思います。
伊勢神宮参拝の順番は?
伊勢神宮のお参り、いわゆる「お伊勢参り」で、みんながお参りするのが内宮、外宮です。
では、一体「内宮」「外宮」とはどのような神様をお祀りしたお宮なのでしょうか?
まずは、内宮、外宮についてご紹介したいと思います。
内宮(皇大神宮)
伊勢神宮125社の中心となるお宮です。皇室の祖先であり、日本人の大御祖神であり、太陽神にもたとえられる、天照大神をおまつりしています。
今から2000年前、垂仁天皇の控除・倭姫の地が天照大神を遷す場所を求めて全国を旅した後に、
五十鈴川の上流にたどり着いたのが始まりとされています。
広大な神域には天照大神が鎮座する、神宮で最も神聖な場所である正宮をはじめ、二つの別宮と10の所管社があります。
外宮(豊受大神宮)
高倉山の麓の深い森に正宮と3つの別宮、6つの摂社、末社、所管社があります。
天照大神の食事をつかさどる豊受大御神がおまつりされています。天照大神の食事を司る女神様なので、毎日二回、神様に食事を奉るお祭り「日別朝大御饌祭」が創建以来、絶えることなく続けられてきました。
上記のように、内宮、外宮のまつられている神様が違うので、参拝する順番が重要となります。
伊勢神宮の参拝の順番は?
参拝の順番なんて知らなかった!という人も少なからずいるようで、帰ってから「順番があるのよ」と知り、焦る人もいるようです。
伊勢神宮の参拝の順番は
外宮⇒内宮
この順番が古来のならわしとされています。
なので、このルートを中心に別宮、摂社などのお参りを、所要時間を吟味して組み立てましょう。
外宮
内宮よりも先にお参りしましょう。
内宮よりも参拝客が少なく落ち着いてお参りができると思います。
内宮
外宮の次にお参りをしましょう。
付近にはお土産屋さん、食べ物店もたくさんあり、広大な敷地の奥にある御正宮まではかなり歩かなければいけません。
外宮から内宮へはどうやって移動するの?
外宮→内宮は約4kmあります。
昼間は10分間隔で出ている路線バスや時間を気にせず移動できるレンタサイクルが便利です。
特に、参拝でおすすめの時間は朝一番。
そんな時間帯はタクシー、バス共に使えませんが、レンタサイクルを前日から借りていると、早朝から使えるので便利ですよ。
伊勢神宮参拝の所要時間は?
伊勢神宮の参拝は、初めての参拝、時間がないから日帰りで、別宮や遥宮まで足を運びたいなど、人それぞれによって時間や目的が違うと思います。
なので、様々な目的や都合でコースを決めるといいでしょう。
コースによって所要時間が変わりますが、今回はスタンダードに日帰りのスタンダードなコースでお参りした場合の所要時間をご紹介しようと思います。
外宮(約50分)

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時間に余裕があれば、上記にプラスして式年遷宮記念せんぐう館もまわるのもおすすめです。
外宮⇒内宮 バス乗車約15分 大人430円 外宮を出て道路向かい側、目の前がバス停です。
タクシー利用だと1600円くらいです。
内宮(約90分)
宇治橋鳥居
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宇治橋
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五十鈴川御手洗場
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瀧祭神
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風日祈宮
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御正宮
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荒祭宮
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四至神
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子安神社
門前のおはらい町とおかげ横丁にはグルメスポット、お土産屋さんなどたくさんあります。
参拝後にゆっくり楽しむも良し、参拝前の昼食にも良しなので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
また、伊勢神宮は週末、連休などは道路も参道も大勢の人で大渋滞する時があります。
おすすめの時間帯は朝一番です。
大体9時半くらいから参拝客が増え始めます。
伊勢神宮の参拝のまとめ
「一生に一度はお伊勢参り」と古来より「聖地」として参拝客が途絶えない伊勢神宮。
広大な敷地の内宮、天照大神の食事の神様がおまつりされた外宮は離れた場所にあるため、下調べと計画をすることで、無理なく、とりこぼしのない参拝ができると思います。
参拝の順番は外宮→内宮で。
それぞれの宮の回る順番も効率よく。
そして何よりも大切なのは、伊勢神宮は神様のお住まいだということを心に、マナーを守って、静かに感謝の気持ちを持って参拝をすることです。
もちろん、神聖な場所なので、移動中に迷ったり、所要時間が足りなかったりして焦って走るのはタブーです。
その為にも今回ご紹介したルートなどを参考に穏やかで、充実した参拝となれば幸いです。