看護師の派遣サイトなどでパートやバイトの単発仕事で、ツアーナースは「旅行しながら仕事ができる」「旅行好きの看護師におすすめ」という謳い文句をみかけますが、そんなおいしい話が本当にあるのでしょうか?
実際のツアーナースとはどのようなものなのか仕事内容を体験談でご紹介していきましょう!
目次
ツアーナースの体験談(小学生の林間学校)
ツアーナースにはいろんな仕事がありますが、それは第2章で詳しく書きます。
まずは、私の体験談で、ツアーナースとはどんなものかを分かっていただけたらと思います。
タイムスケジュールで1日を追ってみます。
私はよく小学生の林間学校の添乗に行くことが多いので、その一例をご紹介しましょう。
学校情報
小学校6年生、生徒数70名(100名以上になると看護師2名体制になるところも)
2クラス、担任2人、副担2人、校長先生、補助の先生1人、旅行会社のスタッフ1人
行程先:河口湖方面、2泊3日
事前打ち合わせ
まず、小学校の林間学校の場合には事前打ち合わせというものがあります。
(中学生以上の添乗の場合にはあまりないかも)
旅行当日から1週間前前後に学校へ訪問(もしくは電話)し、責任者の先生、校長先生、担任の先生、養護教諭の先生から、しおりをもらい、行程の確認や健康面の情報交換を行います。
特に、養護教諭の先生からは健康面に注意が必要な子の情報を細かく教えてもらいます。
事前に保護者に健康面などのアンケートをとっているのでその情報を元に、アレルギーや喘息持ちの子、持病があって内服中の子、発達障害があり、見守り中の子などの申し送りを受けます。
さらに、当日使用する救護バックの中身を確認。だいたい、体温計や消毒、絆創膏、ガーゼ、テープなどは最低限入っています。
事前準備
行程先によって持ち物は少し変わりますが、林間学校の場合には山登りやハイキング、キャンプなどの大自然の中での活動が多いため、アウトドア向けの恰好がベストです。
着替えを多めに持っていく、運動靴、雨天時のレインコートなどが必須でしょう。
子どものしおりの中にある持ちものに沿って準備すれば、間違いありません。
ツアーナース当日の流れ
全体的な流れは以上のような形です。
看護師は具合が悪い子や怪我した子の対応だけでなく、前もって想定できることは事前に注意する(乗り物酔いなど)ことで、予防できることもあります。
また、子どもの中には熱があっても気づかない子や、我慢してしまう子もいるので、「あれ?なんか変だな」と思ったら声掛けしていくようにしましょう。
だいたいは担任の先生がいち早く気付いてくれますが、看護師としても注意して観察する必要があります。
そして、看護師であっても先生方のフォローをしていくことも必要です。
子どもの誘導や声掛け、場合によっては注意することもあります。
(林間学校でテンションが上がり、羽目を外してしまう子も多いので)
教育者の一員という意識を忘れずにいましょう。
時には子どもと一緒に行程に参加し楽しむことも大切ですが、常に先のことを考えて行動することが必要であり、気疲れすることも多いです。
<ツアーナースの仕事内容。そもそもツアーナースとは?
ツアーナースの仕事はほとんどが単発の派遣の仕事です。
パートやバイトに最適ですが、中には旅行会社やツアーナースを専門に行っている看護師サイトに登録している看護師もいます。
しかし大半は看護師の派遣サイトに登録し、求人に応募するという形です。
大手の看護師サイトだと、MCナースネットでは単発派遣に力を入れており、案件数も多いです。
日給で12,000~15000円程度が相場でしょう。
(数年前のものなので下記から情報を得るといいと思います。)

ツアーナースといっても旅行に添乗するというのは分かりますが、実はかなりの種類の旅行があります。
私が知っている限りでは以下の通りです。
保育園の遠足
小学校の林間学校、臨海学校
中学、高校の修学旅行(国内・海外)
部活、スポーツ合宿(中学・高校か、野球やサッカー、テニス、バスケ、剣道などのクラブ)
スキー合宿
大学や企業の新入学、新人のオリエンテーション合宿、研修
会社の慰安旅行
高齢者の旅行
身体障害のある方の同行
これだけみても年齢や行先などかなりバラバラです。
そうです、ツアーナースと一言にいっても、行先や対象年齢によって、注意するポイントが違ってくるのです。
ツアーナースは子どもの修学旅行などの添乗というイメージが強いようですが、(案件数は一番多い)大人の旅行添乗もツアーナースに含まれるのには驚きですよね。
ツアーナースに向いている人
小学生などの旅行添乗の仕事が多いため、小児科・救急外来経験者や子ども好きな人にとってはとても楽しく感じられます。
少し子どもは苦手であっても中高生以上の案件もあるため、自分に合ったツアーナースを選ぶことができるでしょう。
また、学校の先生や旅行会社、宿のスタッフなどと連携を取ることが多いため、初めてでも人見知りをしない人や適応能力が高い人は歓迎されます。
校長先生に気に入ってもらえると、来年や違う学年の生徒のツアーナースもお願いしたいと言われることもあり(いわゆる指名)、継続してツアーナースをしたい人にとっては嬉しいものです。
さらに、ツアーナースで行く先々は自然の中であったり、修学旅行などで日数が長めであったりと、体力が必要なことも多いです。
自分の体力やシフトの状況をよく確認しながら行ってほしいです。
ツアーナースの体験談・仕事内容のまとめ
ツアーナースは一見「楽しそう!」と思われることも多いですが、常に子どもの観察やケアに当たることが多いです。
大きな事故や重病人が出ることは多くはないので、だいたいは何事もなくて良かったというケースが多いですが、それは先生方や看護師のフォロー体制があってこそだと思います。
ただ、「旅行ができるから楽しそう」という軽い気持ちでいくと、夜間みっちり子どもの看病しなくてはならなくなったりと痛い目をみることもあります。
(私は最初にツアーナースをしたときは、ちょっと軽い気持ちでした)十分に自分の経験や性格などに合っているかを見極めてから応募してください。