心電図検査のマニュアル(3誘導,5誘導,12誘導)手順と注意事項は?

産婦人科 看護師 やりがい

心電図検査のマニュアルです。手順とやり方を順を追って解説します。

3誘導・5誘導・12誘導心電図の場合に分けて、書いていきます。 

看護技術には欠かせない検査です。

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心電図検査に必要物品

携帯用送信機orベッドサイドモニター(3誘導、5誘導)の場合

ポイント 携帯用送信機orベッドサイドモニター、専用のリード、電極

ポイント アルコール綿(清拭用タオルでも可)or皮膚前処理剤とガーゼ

12誘導心電図の場合

ポイント 12誘導心電図計(専用用紙、電極、胸部・肢誘導)

ポイント 四肢用の専用クリーム・ジェル(濡れたガーゼやアルコール綿などで代用することも)

ポイント アルコール綿(清拭用タオルでも可)or皮膚前処置剤とガーゼ

心電図 手順

心電図検査の前準備

携帯用送信機orベッドサイドモニター(3誘導、5誘導)の場合

ポイント 携帯用送信機orベッドサイドモニターの電源を入れ、作動するか確認

ポイント 携帯用送信機はナースステーションの本体モニターときちんと接続しているか確認

ポイント 本体モニター、ベッドサイドモニターへ部屋番号・患者名、設定(アラーム設定など)を入力

ポイント 本体モニター、ベッドサイドモニターの記録用紙がセットされているか確認(異常波形が出たときにすぐ印刷できるように)

12誘導心電図の場合

ポイント 心電図計の電源を入れ、用紙が足りるか確認

ポイント 患者指名や設定を入力

ポイント 患者には手首足首の出ている、胸部がめくりやすい服装を(ストッキングや下着などは着替えてもらう)

心電図検査の実施手順

1

患者へ心電図検査の目的、手順などを説明する

ポイント 特に12誘導の場合には、安静時の波形をとらなくてはいけないため、運動後ではないかを確認。

ポイント 今までテープかぶれなど、皮膚のトラブルがあるかどうか、アルコール綿を使用する場合にはアルコールかぶれがないか確認。

ポイント 12誘導の種類によってディスポタイプか吸盤タイプの電極か違いがあり、ディスポタイプの中でもメッシュ状のものからジェル付きのシールタイプなどがある。吸盤タイプのものは、少し跡が残りやすいことを伝えておく。

ポイント メッシュ状のシールの場合には、一度貼っておけば、何度か12誘導を使用するときにも便利。

2

電極をつける位置の前処理

ポイント 病院によってやり方はさまざまで、皮脂や汗が付着しているとうまく電極が張り付かないため、清拭タオルやアルコール綿できれいに拭き取る。

ポイント 専用の皮膚前処置剤があえば、ガーゼで2、3回こすって角質をとることもある。

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電極を装着する

3誘導の場合(誘導の種類)

ポイント 第II誘導・・・一般的に用いられる方法。全壁や側壁に虚血がある場合には分かりにくい。

※貼る位置と電極の色・・・右鎖骨下(赤)、左鎖骨下(黄)、左第10肋骨下(緑)

頭文字を取って、「あきみちゃん」と覚える。
ポイント MCL1誘導・・・V1波形でP波の波形が分かりやすいこと、脚ブロックや心室期外収縮などの不整脈が起きたポイントが分かりやすい。

ポイント MCL5誘導・・・心筋虚血などのSTやT波の波形変化が分かりやすい。

ポイント NASA誘導・・・筋電図の混入が一番少ない方法。、MCL1同様に不整脈が分かりやすい。

5誘導の場合

赤黄緑は第II誘導の部位と同じだが、白い電極を胸部誘導部位に貼り、黒い電極をアースとして使用する。

ポイント 共通して注意するポイント

電極は鎖骨や肋骨から少し下に装着することで筋電図の混入が防げ、綺麗な波形が出る。

心電図

12誘導の場合

肢誘導・・・右手(赤)、左手(黄)、右足(黒)、左足(緑)の内側に装着。

ポイント 電極の色は「あ(赤)き(黄)よしく(黒)み(緑)こ」頭文字を取って「秋吉久美子」と覚える。

クリップの金属部分と皮膚との隙間がないように、専用のクリームかジェルを塗る、アルコール綿、濡れたガーゼを挟むこともある。

胸部誘導・・・貼る位置と電極の色は、以下の通り。

ポイント C1「右第四肋間胸骨」・・・赤

ポイント C2「左第四肋間胸骨」・・・黄

ポイント C3「C2とC4の中間」・・・緑

ポイント C4「第五肋間と左鎖骨中央線の交わる部分」・・・茶

ポイント C5「左前腋窩線上(C4と平行)」・・・黒

ポイント C6「左中腋窩線上(C4と平行)」・・・紫

覚え方はいろいろ・・・「あきみちゃんブラ紫」「せきぐちくん」などがある。

以上のことからまず、第四肋間胸骨を探し、C1、C2、C4、C6を貼り、C3とC5は中間(C2とC4の間、C4とC6の間)に貼るという流れになる。

ポイント 脂肪が厚い人や女性などの場合にはうまく肋骨が触れないこともあるため、「乳首の高さが第四肋間、乳首の下がC4」と覚える方法もある。
多少ずれることがあるので、実際に波形できちんと確認する。

波形を確認する

ポイント 筋電図が混入していないか、見やすい波形かを確認。

ポイント 電極がうまくくっついていなかったり、貼り場所が間違っているとうまく波形が出ない。

ポイント 波形をみて詳細の設定を調整する。(左心室肥大などがあると波形が大きく出るので、振幅値を調整するなど)

5

波形を印刷

ポイント 12誘導の場合には患者に動かないように伝え、印刷ボタンを押す。

ポイント 最後まで紙が出てきたこと、印刷された波形が乱れていないことを確認。

ポイント 3誘導、5誘導装着時にも、本体モニターで基本波形として印刷することもある。(病院のルールによる)

6

電極を外す

ポイント 3誘導、5誘導などの場合には、長時間電極を装着しているので、はがすときにリムーバーなどを使用し、皮膚トラブルがないか注意する。

ポイント 12誘導の場合には電極部にクリームやジェルがついていれば、きちんと拭き取りをする。

7

衣服を整える

ポイント 電極を装着するときに衣服を着替えたり、めくっていた部分を戻す。

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