北側玄関のシンボルツリー。寒さに強くて日陰でおすすめな木は?

北側 玄関 シンボルツリー

家の印象は庭と外構で大きく変わります。
庭の植栽の緑によってさらに演出され風景画のようにもなります。

そこには家族の成長と共に物語が語られていていきます。

そんな物語を演出するのがシンボルツリー

でも、玄関の場所によっては庭が北向きや日陰になった場合は悩みますよね。

そこで寒さや日陰に強いシンボルツリーをおすすめも含めてご紹介したいと思います。

実は、北向きはスペースと日差しと風通しが十分であれば植物が綺麗に育つという一面もあります。

南向きの庭はお隣にとっては北向きの庭になるのを想像していただくと、決してマイナス面ばかりの庭ではないとおわかりでしょう。

北向きの庭でも諦めずに、素敵な庭を造りましょう。

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北側玄関にシンボルツリー おすすめは? 

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シンボルツリーとは?

シンボルツリーとは、文字通り庭と家の「シンボル」となるような樹木です。

単にシンボリックな役割だけでなく、冒頭でお話ししたように、家族と一緒に成長していく樹木で、そこには家族の歴史や思い出も刻まれていく、そんな存在がシンボルツリーなのです。

シンボルツリーが一本の場合もありますし、サブシンボルツリーなど、場所と用途、記念などによってシンボルツリーが複数本になる場合もあります。

北側玄関では、南に広い庭が面していたら、そこにシンボルツリーを植えることでしょう。

また、玄関前のアプローチにシンボルツリーを配置するかもしれません。

また、玄関が南向きでしたら、北側に広い庭が面しているかもしれません。

その場合は広い北側にシンボルツリーを植栽することになるでしょうし、南側のアプローチに配置するかもしれません。

シンボルツリーの種類を選ぶ前に「どこに植樹するか」を明確にする必要があります。

方角の向き、建物や壁の構造物、埋蔵物(ガス管、水道管など)、屋根の位置なども考慮しつつ、樹木の特性から、最適なものを選ぶことが重要です。

シラカシと家

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日陰のタイプを知る

神社仏閣の伝統的な日本庭園は、南側に高木を植え、北向きに造られているのも多いです。

また路地の庭や坪庭も日本の伝統的で有名な庭があることからわかるように、工夫次第で北向きや日陰の庭も魅力的に造ることができるのがお分かりになると思います。

また、イングリッシュガーデンでは色とりどりの草花の庭をイメージするかもしれませんが、本場イギリスは冬の四か月間ほとんど日が差さない環境、ましてや、ロンドンのような都会では建物が高く塀に囲まれている場所も多いのに、家の前庭やバックヤードは緑と春の花々が咲き乱れています。

つまり、日陰でも工夫次第で美しい庭にすることができるのです。

そのためには、植物の特性と日陰のタイプを知ることが重要です。

住宅や高い塀の北側で「空が開けている」タイプ

北側が玄関のアプローチ、前庭がこのタイプです。

太陽が高くなる夏は上から直射日光が差す時間がありますが、それ以外の季節は直射日光が差し込みません。

北側が開けて広い空に面しているので間接光や他の建物の反射光などで意外に明るさがあるのも特徴です。

北側といえ、よほど建物高が高くない限り、ほとんどの植物が使えるので安心してください。

土は湿気を帯びていることがほとんどです。
ただし、建物の外壁際は土の乾燥に注意する必要があります

北側アプローチにシンボルツリーを植える場合は他の植物を植栽することを考えて、少しでも光が当たるように高木の使用を控えめにしたり、落葉樹を植えたりして、間接光を遮らないように計画すると、北側でも明るい印象のアプローチにすることができます。

住宅の東側、西側の建物沿い

午前中もしくは午後に数時間だけ日が差し込みます。

日向ほどではないものの、建物沿いは土の乾燥に注意が必要です。

東側は半日日が当たればほとんどの植物が植栽でき、日差しが穏やかなので、葉焼けなども避けられるので、西日を嫌う植物には理想的な環境です。

一方西側は、午前中は陰になり、午後は西日がきつく当たりますので、樹木で日差しをカバーするのに適しています。その場合はシラカシなど西日にも強い樹木を選びましょう

南北を建物や塀、生垣などで囲まれた狭い場所

直射日光が差すのは夏の間だけで一日のうちの僅かな時間、暗い日陰となる環境です。

南から入る玄関の住宅の裏庭がこのタイプです。

間接光も隣家の建物の塀や生垣などで囲まれては期待できず、ジメジメした土壌環境になりやすく、うっそうとした日陰となるケースが多いです。

盛り土などで奥行きと高さを作ることで、植物の日差しと水はけを改善して日陰に適した植栽で素敵な庭にすることができます

3番

北側玄関にはどんな木がいい?

北側玄関は全くの日陰ではなく、半日陰、もしくは明るい日陰となると思います。

前述のように大抵の植物は使えますが、あえて、半日陰や日陰でも育つ木をシンボルツリーと考える場合もあると思います。

そこで、半日陰や明るい日陰でも育つ樹木を低木から高木までピックアップしてみました。
シンボルツリー選びやアプローチの木々の参考になさってください。

ポイント アオキ
ポイント アセビ
ポイント アジサイ類(カシワバアジサイ、アナベル、アジサイなど)
ポイント イチイ
ポイント イヌマキ
ポイント ウメモドキ
ポイント エゴノキ
ポイント カクレミノ
ポイント カエデ類(イロハモミジ、ネグンドカエデ、ハウチワカエデなど)
ポイント カシ類(アラカシ、シラカシ、マテバシイ、ウバメガシなど)
ポイント カツラ
ポイント ゲッケイジュ
ポイント コウヤマキ
ポイント コクサギ

ポイント サカキ
ポイント サザンカ
ポイント シキミ
ポイント シマトネリコ
ポイント シャクナゲ
ポイント ジンチョウゲ
ポイント スグリ
ポイント センリョウ
ポイント ソヨゴ
ポイント ツバキ
ポイント ナツツバキ
ポイント ナンテン

ポイント ヒイラギ
ポイント ヒバ類(アスナロなど)
ポイント ヒメシャラ
ポイント マユミ
ポイント マンリョウ
ポイント モチノキ
ポイント モッコク
ポイント ヤツデ
ポイント ヤブコウジ
ポイント ヤマボウシ

などが代表的な日陰、半日陰に強い樹木です。

それぞれの特性を考えて、シンボルツリーを選ばれるといいと思います。低木などを組み合わせると奥行きのある庭となりますし、落葉樹を選ぶと冬にも明るい印象となるでしょう。

北側に植樹すると植物は穏やかな成長をします。
そのため、エアコン室外機や北風の影響を受けやすいので注意してくださいね。

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シンボルツリーで寒さに強いのは 

シンボルツリー選びで日照と同じくらい気になるのが耐寒性です。

そこで寒さに強い木をピックアップしてみました。

ポイント アオキ
ポイント ヒバ類(アスナロなど)
ポイント イチイ
ポイント イヌマキ
ポイント ウメモドキ
ポイント エゴノキ
ポイント シラカシ
ポイント カツラ

ポイント コウヤマキ
ポイント コクサギ
ポイント シャクナゲ
ポイント スグリ
ポイント ソヨゴ
ポイント ツバキ
ポイント ヒイラギナンテン
ポイント マユミ、

上記は耐寒性が「とても強い」品種です。

シンボルツリーとして人気のシマトネリコは半日陰でも育ちますが、寒さにはそれほど強くないので、寒風が吹く場所、積雪や降雪が多い地域では不向きです。

ヤマボウシやエゴノキ、ヒメシャラなどの雑木の耐寒性は普通か強い傾向にあります。

最初の章でご紹介したとおり、シンボルツリーを植える場所の環境と木の特性のマッチングがとても重要となります。

北側で寒風が吹く場所では不向きの植物、また西側が開けていて、北側であっても西日が差し込む場所ではカツラやヒメシャラ、シャクナゲ、ソヨゴなど乾燥や西日を嫌う木は適していません。

木の特性と植える場所の日当たり、風通しを考えピックアップして、あとは好みの木をシンボルツリーとすると良いでしょう。

シンボルツリーで日陰におすすめな木は? 

上記で北側玄関に適したシンボルツリー、また耐寒性のあるシンボルツリーの候補として、品種を挙げてみました。

そこで、それらを総合してシンボルツリー、日陰でおすすめの木をまとめてみたいと思います。

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ソヨゴ(モチノキ科モチノキ属)

 

常緑性
耐寒性強
耐暑性強 
開花(5~6月) 
耐陰性あり。

ソヨゴの花

ソヨゴの花

ソヨソヨと風に揺れて葉を揺らすことから名づけられたソヨゴは日陰のシンボルツリーとしてイチオシの木です。

日向から暗い日陰まで適応力が高く、耐寒性も抜群の常緑樹です。

花だけでなく、秋には真っ赤な実をつけるので、緑とのコンストラストも楽しめます

また、成長が遅いので剪定などの手間がいりません。

雌雄異株なので、実を楽しむ場合には雌株を植えましょう。

乾燥を嫌い、湿り気のある土壌環境に植えるのが適しているので北側のシンボルツリーとしては最適です。

病害虫はカイガラムシとスス病に気を付けるくらいです。

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カエデ類(ムクロジ科カエデ類)

 

落葉性 
耐寒性普 
耐暑性やや弱 
開花(4~5月)
耐陰性 ややあり

カエデ

イロハモミジ、ヤマモミジ、ネグンドカエデなど様々なカエデ類があります。

日当たりを好みますが、ネグンドカエデやイロハモミジは乾燥しない適湿土であれば住宅の陰でも育ちます。

秋に紅葉する種類が多いので、四季を感じることができます。

玄関アプローチで四季の変化を感じることは、家の外観イメージと共に、落葉した際に、薄暗い冬の日差しを庭と玄関に取り入れて明るくさせる効果もあります。

切れ込みが深いものをモモジ、浅いものをカエデと日本では分類しているようで、日本産のものは200~400種ほどあると言われています。

害虫は、カミキリムシ、アブラムシ、ミノムシなど、病気はスス病やウドンコ病に注意しましょう。

北側であっても風通しをよくしたら上記の病害虫を防ぐのに有効です。

下草や他の低木との組み合わせを考えて、土の乾燥を防ぐと共に、風通しも良くするようにプランニングしましょう。

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アスナロ(ヒノキ科アスナロ属)

常緑性 
耐寒性強 
耐暑性強 
開花(4月) 
耐陰性あり

アスナロ

アスナロの葉

アスナロの葉

翌檜、明日檜という別名が別名で、ヒバとして知られています

青森では青森ヒバとして建具、材木として有名で、湿気と虫に強いので、水周りにも使われる材です。

樹高は高くなりますが、品種改良されたヒメアスナロは庭木様に高くならない様になっています。

耐寒性も耐陰性も強いので、生垣にも適していますが、円錐状に育つ樹形から、シンボルツリーとしても、洋風建築などでは冬にイルミネーションをつけるのにもぴったりの樹木です。

風通しが悪いと他の樹木と同じように、病害虫のハダニが発生することがあります。

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カツラ(カツラ科カツラ属)

 

落葉性 
耐寒性強 
耐暑性強 
開花(5月)
耐陰性ややあり

カツラ

カツラの葉

カツラの葉

カツラは雄雌異株の落葉樹です。

ハート形の葉がとても可愛らしく秋には黄葉してとても美しく目を楽しませてくれると同時に、香りも良いので本当におすすめの樹木です。

広円錐の樹形は育つと20m以上になりますが、北側に植えるとそこまで成長が早くないのと、もともとが西日と乾燥を嫌うので、明るい日陰や北側のシンボルツリーとしても最適です。

ただ高木という性質上、建物の基礎や埋蔵物(ガス管、水道管など)への影響も考える必要があります。

広いスペースのシンボルツリーとしてはとてもオススメの樹木です。

5

シラカシ(ブナ科コナラ属)

常緑性 
耐寒性強 
耐暑性強 
開花(4~5月) 
耐陰性ややあり

シラカシと家

シラカシと家


シラカシの実
シラカシの実

古くから生垣にも利用されているシラカシは、耐陰性もあり強健な種類なのでシンボルツリーとしても適しています。

株立ちのものを選ぶと、灰褐色の幹の色と常緑の葉のコンストラストが美しく、洋風にも和風にも合う、優れた樹木です。

どんぐりの木としても知られていて、リース作りなども楽しめます。

耐陰性もあり、根は下に伸ばす性質があるので、北側玄関に株立ちのシラカシを植えるのもおすすめです。

風通し、日当たりが悪くなるとアブラムシやカイガラムシが発生し、関連してスス病も発生します。

枝が密集しないような株立ちのものを選び、剪定で風通しをよくする必要があります。

北側玄関におすすめのシンボルツリーのまとめ

北側玄関におすすめのシンボルツリーとして高木中心に5種類挙げてみました。

最初の章で挙げた樹木を参考に、サブシンボルツリーを選んだり、側に植える低木を選んだりして、北側玄関のメットを活かしてみて下さい。

湿気に関しては湿気を好む樹木や草花を植えることで活かされますし、それでも気なる場合は飛び石や砂利を活用して、その間に山野草などを植栽するとナチュラルな雰囲気でいながら、湿気を感じさせないモダンな庭になると思います。

北側の庭造りも可能性と楽しみがたくさんあるのをおわかりいただけたことと思います。

このように北側玄関にシンボルツリーを植樹して、家に帰ることがますます楽しみになるような、庭造りを、ぜひ実践してみてくださいね。

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