イングリッシュローズの剪定の基本 花後の剪定 夏剪定 冬剪定

イングリッシュローズ 剪定

植物には適期、適切な剪定が必要です。

特にバラの剪定はバラを健康に育てるために、また樹形を整えたり花付きを良くしたりする目的があります。

イングリッシュローズでは主に冬剪定(春剪定と呼ばれる場合もあります)と花後の剪定(花がら切り)をしっかり行う必要があります。

そこで剪定の基本と、花後の剪定、夏剪定、冬剪定についてご紹介したいと思います。

強健なイングリッシュローズとはいえ、花付き、病気予防、樹形を整えるために必須となる作業です。

今回の記事をぜひ参考にしていただき、素敵なイングリッシュローズを咲かせてみて下さいね。

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剪定の基本 花後の剪定

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剪定とは

剪定とは枝を切ることの総称です。剪定はバラの栽培で欠かすことのできない作業です。

正しい剪定が、きれいな樹形と美しい花を生み出します。

また、病虫害を予防することも出来ます。

イングリッシュローズの剪定

剪定することにより、元気のない枝を切り取り、活力のある芽に養分を集中させ、大きくて立派な花を咲かせることができます。

もし、剪定しないと樹形が崩れることに加えて、風通しや日当たりが悪くなり、病虫害の発生にもつながります。

病気の枝や枯れ枝は見つけたらすぐに切除します。
植え付けた年は植え付け地の整枝と花がら切り以外の剪定は必要ありません。

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剪定方法は株の年齢で

バラの剪定は品種や系統によって方法が異なります。

イングリッシュローズは原種やオールドローズと異なり、切り込んでも花が咲く品種が多いですし、樹形別、品種別といってもなかなか面倒なものです。

そんなに細かく考えず、株の年齢によって剪定の仕方を覚えるだけで大丈夫です。

剪定方法は冬剪定の章で詳しくご紹介させていただいています。

ポイント 強剪定・・・花数が少なくなるかわりに、大輪の花になる
ポイント <弱剪定・・・花はあまり大きくならないかわりに花数が得られる。

剪定の強度による効果は上記のような特徴が一般的です。
例外として、つるタイプのものは、前年に伸びた枝の先端に花を多くつける性質があるので、枝先を軽く切り戻す程度にとどめましょう。

イングリッシュローズでは主に冬剪定(春剪定ともいう)と花がら切り(花後の剪定)をしっかり行いましょう。

枝の性質に応じて大きく4つの方に分類でき、それに応じた理想的な剪定があります。
品種ごとに枝の理想的な剪定位置を確認しましょう。

コツを覚えれば、コンパクトに仕立てたり、枝を伸ばして仕立てたりすることもできるので、イングリッシュローズの楽しみ方が広がりますよ。

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剪定の基本をマスターしよう

剪定する時にはハサミを入れる前に、株全体を見渡して枝が伸びた時の姿をイメージしましょう。
剪定をすると、切ったすぐ下の芽が伸びてくるからです。

そして、良い芽を見分けてハサミを適切に入れなければなりません。
枝を傷つけたり、芽が成長しなかったりするので注意が必要です。

剪定は芽少し上を切るので、良い芽を残して切るために、良い芽を見分けることも重要です。

それでは剪定のハサミの入れ方の基本のポイントをご紹介しますね。

イングリッシュローズの剪定

ポイント① 良い芽の見分けましょう

健康な枝を成長させるためにも良い芽を見分けなければいけません。
大きく丸みがあり、しまった芽。これが良い芽です。

一方悪い芽は、細長くふかふかした芽です。
良い芽を選んで剪定しましょう。

ポイント② 芽を切る角度に注意

芽から約5㎜上を切ります。
芽の伸びる方向と同じ向き(芽の方向と平行)に切るのが正しい切り方です。

NGの切り方

ポイント 芽の方向と平行でない切り方。
ポイント 芽から遠い切り口になる。
ポイント すでに動き始めた芽(開き始めた芽)も剪定には不向き。

ポイント③ 剪定する位置も重要

バラの剪定は、外側へ向かって伸びる芽(外芽)の5~8㎜上で切るようにしましょう。

外芽で切ると株が広がって成長します。
一方、内芽で切ると、株が込み合い、病虫害の原因になります。ただし、横張り性の強い品種は内芽で切っても大丈夫です。

花後の剪定 「花がら切り」はこまめに

前述で、ハサミの入れ方はご理解いただけたことと思います。

それでは次はいよいよ、切るタイミングについてご紹介したいと思います。

バラを栽培している人ならば、たくさんの花を咲かせたいと願うことでしょう。
そして、その花をできるだけ咲いている姿で眺めていたいですよね?

でも、美しい花を次々に咲かせたいのなら、早めの花がら切りが重要なのです。

つまり、咲いたら切る、こんな矛盾と向き合わなければいけません。

花が咲くとバラは趣旨を付けるためにたくさんの体力を必要とします。
散り際にも多くのエネルギーを消費します。

そのため、花後の剪定、つまり「花がら切り」を早めにする必要があるのです。
そうすればバラの体力を温存し、次の花(二番花以降)を美しく咲かせることができるのです。

もし、こまめに花がら切りをしなければ、どうなるでしょう?
次の花が咲かなかったり、株が弱ったりする原因にもなってしまいます。
「散る前に切る」ことを目安に剪定しましょう。

バラを切ったら水上げをし(水中で水切りし、花首まで水に浸けて1時間以上置く)、部屋に飾ると、室内でもイングリッシュローズを楽しむことができますよ。

チェック 花がら切りのポイント

枝元からの5枚葉を最低3、4枚残し、葉の5~8㎜位の上部をカット。この時も葉の向きと平行に切りましょう。
房前の場合は咲き終わった花の枝先をその都度切り、房全体が咲き終わったらツルの半分程度まで切り戻します。

そのほかの必要な剪定

枯れた枝やダメージのある枝、古い枝、細い枝を切ることも必要です。

バラの枝は数年経つと古くなり、花をつけなくなるものがあります。古い枝を切ると、新しいシュートが出て、この枝が数年にわたり、花を咲かせます。
剪定と同じく管理として重要な作業が他にもあります。①と②は必ず、その他は気づいたら行ってくださいね。

①シュートピンチ

主に四季咲き性のブッシュ型の株元や主幹の途中から太い新梢(シュート)を出します。
そのままにしておくと、枝先が房前状になり蕾をつけます。

シュートは主幹になる大切な枝なので、伸びるままに伸長させると、剪定をする目が制約を受けることになります。
シュートが長さ25~30㎝に達したら先端を指で軽く摘芯(ピンチ)しましょう。

6~7月に出てくる若くて太い枝(ベイサルシュート)は、下から数えて5、6段目の葉の上で切りましょう。

②台芽かき

台木から芽がでてくる(サッカー、ひこばえ)ことがあるので、見つけたらすぐに根元からかき取りましょう。

③ブラインドの処理

ブラインドとは、先端部分の葉が成長を止め、蕾がつかない状態のことです。
見つけたらすぐに正常なところまで切り戻しましょう。

ブラインドは寒冷地に多く出るようです。

④芽かき

黒星病の温床になる可能性があるので、伸びなかった芽をかき落としましょう。

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イングリッシュローズ 夏剪定

イングリッシュローズは冬剪定と花後の剪定のみで大丈夫な品種が多いようです。
生産元のデビッド・オースチンでも冬剪定をおすすめされているようです。
ただ、品種や環境によっては夏剪定をしたほうが花付きの良い場合もあるので、夏剪定ついてもご紹介しておこうと思います。

夏は冬の剪定程深くは切り詰めないのが一般的です。

枝の込み合いをなくして、風通しを良くする程度で良いでしょう。

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夏剪定の目的

春は開花時期がほぼ決まっているイングリッシュローズ。
四季咲き性の強いイングリッシュローズは長く花を楽しめます。

前述のように花後の剪定である花がら切りと冬剪定がイングリッシュローズでは重要ですが、夏剪定をするメリットもあります。

秋の冷涼な気候により、春の一番花よりも花色、香り、花もちがよく、質の高い良花が楽しめます。

夏剪定はバラの花をもっとも美しく咲かせるための剪定といえるでしょう。
秋の花は夏剪定によってコントロールされるともいえます。

ただし、気温が下降していく時期に剪定を行うので気候の影響を受けやすく、剪定の時期が遅すぎると、花が咲かないこともあります。

ですから、イングリッシュローズは夏剪定はいらないという人が多いのでしょうね。

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夏剪定の時期

平地であればおおよそ、8月25日から9月5日の間になります。

北の地方ほど早く剪定します。
関東では9月1日が基準日です。

開花までに要する日数が、早咲き品種で45日ほど、遅咲き品種で60日ほどかかります。

イングリッシュローズ 冬剪定

イングリッシュローズは冬の剪定をしっかりとすることがポイントです。

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冬剪定の時期

冬剪定は新芽が動き出す前には終わらせることが必要です。

1月中旬~3月の間ですが、気温や居住地によって変わってきます。

早すぎても問題はありませんが、枝の落とす場所が判断しにくく、悩むと思います。
3月末の時期に剪定を終えていない場合はすぐに行いましょう。

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イングリッシュローズの冬剪定の仕方

品種や樹形によって剪定の仕方が変わってきますが、私は面倒なのでざっくりと剪定しています。

整えたい形は植えている場所や環境にもよるので、ここでは冬剪定の重要なポイントをお伝えしようと思います。

ポイント① 剪定の仕方ははバラの年数によって変わる

春に一度開花させた株を1年目といいます。
それを基準にバラの年数に応じた剪定をご紹介したいと思います。

ポイント 1年目
バランスを損ねるくらいに伸びた枝、枯れた枝、ダメージがある枝を切る程度でOK。
残っている葉は全て取り除きます。

ポイント 2年目
全体を3分の2程度になる位に切り戻しましょう。バランスを損ねるくらいに伸びた枝、枯れた枝、ダメージがある枝を切りましょう。 残っている葉は全て取り除きます。

ポイント 3年目

剪定の強弱、樹形は好みで行えます。
つまり、本格的な冬剪定は3年目からスタートとなります。

チェック 背の高いシュラブにしたい場合
切り戻すのは3分の1以下(切った後のサイズが元の3分の2)

チェック 現状を維持したい場合
切り戻すのは3分の1

チェック 小さいサイズにしたい場合
切り戻すのは2分の1、もしくは3.分の2

上記に加えて、枯れた枝、ダメージのある枝を切り落とし、残った葉は全て落としましょう。

ポイント② 樹形は神経質にならなくてOK

こんもりと丸くなるようなイメージで整えましょう。
剪定の基本でご紹介したように、良い芽を選んで、込み合わないように外芽の上で切り戻すようにするのを意識するだけで十分です。

ポイント③葉の扱いは慎重に

葉は全て落としましょう。落葉した葉も含めて、全ての葉は捨てましょう。
この葉は栄養にならず、病気の原因となります。

イングリッシュローズ剪定のまとめ

イングリッシュローズを美しく元気なバラへ成長させるために不可欠な剪定についてご紹介しました。
イングリッシュローズの剪定は、冬剪定と花後の剪定である花がら切りが重要なので剪定の基本と夏剪定と一緒にご紹介させていただきました。

またその他のバラと同じく、台芽かきやシュートピンチも重要なのでご紹介させていただきましたが、そんなに難しくないので大丈夫です。

ご自分なりの剪定を試して、花の咲き方や枝の伸び方、株の広がり方を楽しんでみて下さいね。

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