病院で働く看護師は、通常シフト勤務が適応されています。
日勤や早番・遅番などの他に、夜勤として準夜・深夜とある場合(3交代制)や当直制(2交代制)を取り入れているところとあります。
その病院や病棟の特性によって、様々な働き方があるようですがどっちがいいの?
今回は夜勤に焦点をあててお話していきたいと思います。
目次
なぜ2交代制が増えてきたのか?
現在、都内の病院では2交代制が主流となりつつあります。
私が約8年前に就職した時は3交代制が主流でしたが、ここ最近で2交代のところがかなり多くなってきました。
というのは、3交代だと休みがしっかり取れない、夜勤が出来る人員不足などの理由により、2交代制への切り替えを望む声が多かったようです。
では、2交代制になることで、本当に休みが増え、人員不足が解消されるのでしょうか?
実際、一般的な病棟(40床程度)では、準夜では看護師3人、深夜で3人くらいでしょうか。
さらに、2交代に切り替われば看護師4人で当直をしても、看護師2人分の余裕ができます。
そのため休みを増やしたり、日勤の人数に加えたり出来るようになり、シフトを作る上でもかなり楽になりました。
病院側としても準夜の残業手当や夜間のタクシー代などの負担が減るので一石二鳥とのことです。
しかし、病棟によっては3交代制をそのまま続けているところもあります。
私がいた病院では小児科や救急外来などの夜間入院が多い部署が、そのまま3交代としてやっていました。
理由は、夜間救急で入院も多く、仮眠の時間が確保できないことなどがあげられています。
その後、リハビリテーション病院に転職したところでは、2交代と3交代どちらも選べるというところでした。
比較的ベテランさん(40代~50代)は3交代で身体が慣れているので、そのまま3交代を希望する人が多くいましたが、20代~30代の若い世代の看護師は2交代を選択していました。
さらには、転職条件を2交代のところとしている人もいるようです。
このように2交代がいいという人も3交代がいいという人も、実際はどうなのでしょうか?
まずは、看護師の夜勤の実態についてご紹介していきましょう!
夜勤の辛いところ、患者さんが起きている時間帯が一番忙しい!
夜勤を17時~翌朝の8時半までとしましょう。
それまでの時間で忙しいのは、患者さんが起きている時間です。
夜勤入りの【17時から消灯までの21~22時】あたり。
特に日勤の仕事で終わらなかったことを引き受けながら、緊急入院などの対応、18時前後には夕食準備や片付けという怒涛の時間が迫ってきます。
消灯間際になってようやく、椅子に座れる時間がくると思っていると、寝る前のトイレコールの嵐(笑)結局22時過ぎに自分達の夕食や一息つける時間がくるという感じでしょうか。
そして、緊急入院とかがなければ2~5時頃までは比較的落ち着く時間なので、2交代の場合は仮眠に入ることも多いです。
0時頃からの深夜のスタートも比較的落ち着いてスタートできることが多いでしょう。
そして、患者さんが起き出す【5~7時前後】は朝の採血や検温、手術準備やトイレ介助などまた怒涛の時間がやってきます。
そしてそのまま朝食準備や片付け。8時過ぎに日勤スタッフが来る頃に、ようやく一息つくといった感じです。
病棟によってはトイレ介助のナースコールが多いところや、夜間の緊急入院が多いところもあるので、一概には言えませんが、基本的には、朝食・夕食前後の時間が一番忙しいことが分かりますね。
夜勤看護師のあるあるネタ!
夜勤前
「休み→深夜」というシフトの休みじゃない感!
夜勤入りの日は午前中のんびり寝ていられるから好き。しかし、午後になると急にシャワー浴びたりご飯食べたり準備で忙しくなる。
2交代の当直時はやたらと荷物が多い。(2回分の食事と仮眠時グッズなど)
夜勤中
夜勤メンバーを見て、今日は荒れるなと思ってしまうようなメンバーがいる。(入院などを“引いてしまう人”という言い方をする)
当直の医師が誰かによって、忙しさが変わる。(すぐ入院を受け入れてしまう先生は多い)
新人さんや若い人の何気ない「今日は落ち着いてますね」はご法度!
夜間の食事休憩でカップラーメン系はかなり勇気がいる。(お湯を注いだ後にナースコールや緊急入院なんてことは多い)
仮眠が取れなかったときの、朝5~6時は地獄。採血で手が震えそうになる。患者さんと一緒に自分の血糖値を計ると70台だったりする。その後は忙しくてそれどころではない。
夜勤後
準夜明けでは、2~4時台にやっている深夜アニメや通販番組を観ながら寝るのが習慣。
当直明けで、そのままコンビニへ直行。お菓子やご飯を買って帰る。そのため、朝食を2回食べている気がする。
当直明けの通勤中の人を横目にする優越感と、ハイテンション!でそのまま街へくりだす!
さて、夜勤の流れやあるあるネタで、イメージが湧いてきたところで、2交代と3交代のメリット・デメリットについてまとめてみました!
看護師 2交代制のメリット、デメリット
メリット
夜勤明けの翌日は休みなので、ゆっくり時間が使える!(たまに日勤のこともありますが・・・)
生活リズムが作りやすい
夜勤の回数が月に4~6回なので、通勤回数が3交代よりも減る。
夜間の申し送りの時間がないため、他の仕事が出来る
デメリット
拘束時間が長く精神的にも体力的にもキツイ。(16~18時間程度)
仮眠の時間が取れないこともある。(通常は1時間半~2時間程度の仮眠)
2交代がいいと選ぶ人にとっての魅力は、夜勤明けの翌日が休みになることが多いので、2連休になったような気分になります。また、拘束時間が長くて大変ですが、「日勤→深夜」がないというのが一番の理由のようです。
看護師 3交代制のメリット、デメリット
メリット
一回の勤務が短い。(約8時間)
こまめに休みが取れる。(「深夜→準夜」などは1日半休んだような気分)
デメリット
「日勤→深夜」が辛い。日勤が定時に上がれず、自宅で仮眠が取れないまま深夜に入ることも多い。
「準夜→休み」は、休んだ感じがしない。
都内などは準夜明けでは電車やバスがないので、タクシーで帰ることも。
通勤回数が増える、何度も病院に来ている気がする。
3交代がいいと選ぶ人にとって一番ネックなのは、長時間の勤務に耐えられないということです。
「日勤→深夜」の辛さはありますが、それでも、16時間とか働くよりはマシなようです。
2交代か3交代かどちらが楽なのか?ということですが、それはどちらも楽ではありません。
答えになっていないかもしれませんが、たぶん看護師のみなさんは「夜勤は大変!」と声を揃えて言うでしょう。
そうです。夜勤は2交代であっても3交代であっても大変です。
しかし、転職をする際に2交代と3交代の病院で迷うことも多いようです。
その時に考えて欲しいのは、自分にはどちらが合っているかということです。
メリット・デメリットをご紹介しましたが、それ以外にも住んでいるところから病院までの通勤環境や一人暮らしなのか、結婚していて子どもがいるのか、などによって生活リズムが違うので、夜勤の働きやすさは変わってきます。
以前私が働いていた病院では、小さい子どもがいて、深夜や当直が出来ないので、「準夜」を希望するママさんナースもいました。
そういった体力的な面だけでなく、自身を取り巻く環境でも、2交代向きなのか3交代向きなのかが違ってきます。
まずは、自分の生活スタイルを見つめ直すところから考えてみてはいかがでしょう?
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