日本におけるロック・クライミング発祥の地である、六甲山にある芦屋ロックガーデン。
この芦屋ロックガーデンは、本格的なクライマーだけでなく、初心者や小さなお子さん連れの家族でも楽しめる登山コースがあります。
そこで、芦屋ロックガーデンの初心者や小さなお子さん連れも楽しめるコースを詳しくご紹介したいと思います。
所要時間やルートの注意点なども初心者や小さなお子さん連れの方向けの情報もご紹介しているので、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
芦屋ロックガーデン 初心者やお子さん連れの家族におすすめルート
芦屋ロックガーデンとは?
日本におけるロック・クライミング発祥の地と言われている芦屋ロックガーデン。
兵庫県の芦屋市の閑静な住宅街を山手へ上がります。
そして登山口から六甲山山頂へ登る登山道に、六甲山特有の花崗岩がむき出しになった一帯があり、ここが大正時代後期からロック・クライミングのゲレンデ。
日本のロック・クライミングの先駆者、藤木九三氏がこの一帯を「ロックガーデン」と命名しました。
「ガーデン」と名がついていますが、「公園」や野外活動センターのような施設でもありません。
芦屋ロックガーデンは、上級者向けのロック・クライミングのゲレンデを含む六甲山へ登るれっきとした「登山道」のことなのです。
阪急芦屋川駅を最寄り駅とし、そこから徒歩30分で登山口に到着するというアクセスの良さ。
そして、滝あり、岩登りあり、一般登山道ありという楽しさ満載のルートで、六甲山を登る黄金ルートでもあります。
僅か1時間~1時間半で風吹岩の絶景まで満喫できるので、初心者や家族連れも気軽に楽しめることから、一年中登山客が訪れる、人気の登山スポットとなっています。
六甲山を形成する『花崗岩』がむき出しになった登山ルートは、岩場を手や足を使って登る箇所が多くそのポイントは「ロックガーデン」と呼ばれ、気軽に岩登り気分を経験できる一般登山道なのです。
最近では『芦屋ロックガーデン』というと、ロック・クライミングのゲレンデルートではなく、こちらのほうを指すことが多いようです。
でも、登山上級者にとっては「ロックガーデン」と言うと、前述の一般登山道よりも、岩登り用のゲレンデを含む上級者向けルートになりますので、くれぐれも上級者ルートへ足を踏み入れないようにしてくださいね。
この、上級者向けコースは登山口からアクセスするロック・クライミング用ゲレンデ(岩壁)があり、アルピニストはもちろん、本格的な登山をする人がザイルを使ったロック・クライミングやアイゼンワークを訓練する場として知られています。
今回ご紹介する『芦屋ロックガーデン』はそちらの本格的なゲレンデを含むコースではなく、ザイルやアイゼン、高い登山技術を必要とせず、気軽にロック・クライミング気分を味わえる、一般ルートのほうなので安心してくださいね。
芦屋ロックガーデン アクセスと所要時間
所要時間: 約4時間半
芦屋川駅から徒歩約30~40分(約2㎞)で芦屋ロックガーデン登山口である「高座の滝」に到着します。
登山口周辺には一般用駐車場がありません。
緊急車両転回用パーキングはあります。
車利用の方は阪急芦屋川駅周辺のコインパーキングを利用しましょう。
※駅に近いと当たり前ですが料金高めです。少し下った住宅街だと上限金額設定ありのパーキングが駅周辺よりも安いのでオススメ。
トイレは登山口の茶屋前にもありますが、芦屋川駅前のトイレはゆったりとしているので、こちらでトイレを済ませておきましょう。
登山口「高座の滝」までのアクセスルート
1.阪急電車 芦屋川駅の改札を出ると公衆トイレがある広場に出ます。
こちらでトイレを済ませましょう
2.芦屋川を右手に眺め、道路を山手へと進みます。
※この川沿いの道は、春は桜並木がとても美しく有名です。
花見客がたくさん訪れるので、周辺パーキングはどこも満車になる時も。
3.「高座の滝 ロックガーデン」標識を直進
駅から芦屋川沿いの道路を山方面へ進むと暫くすると橋があり道が分岐します。(高座川と芦屋川分岐点)この分岐点には「高座の滝 ロックガーデン」という標識があるのでこのまま直進します。
4.「高座の滝」標識通りに進む
何カ所か標識が出てきますが、「高座の滝」表記のあるほうへと進みます。
「会下山遺跡」という標識もあり、こちらからも六甲山へ登ることができますが、登りはより近い「高座の滝」を登山口としたルートをご紹介します。
道中は登り坂ですが、芦屋の豪邸を眺めながら、目を楽しめることができるので、あっという間に「高座の滝」へと到着すると思います。
5.「滝の茶屋」到着
芦屋ロックガーデンへの登山口にあたる「滝の茶屋」に到着します。
目的地の風吹石までは途中にトイレがないので、こちらで済ませておきましょう。
6.高座の滝
滝の茶屋を進むと、ほどなく目の前に高座の滝の姿が目に飛び込みます。
ベンチもあるので、休憩している人も多く、下山時刻には茶屋で一息ついている人も多いです。
滝のすぐそばまで下りることができます。ブラシが置いてあるので、汚れた登山靴の裏を洗うこともできますよ。
初心者や家族連れにおすすめのルートは?
高座の滝~風吹岩ルート
六甲山へ登るルートはたくさんあります。
今回ご紹介するルートは数あるルートの中でも「六甲山王道ルート」である『芦屋ロックガーデン』ルートをご紹介したいと思います。
今回は初心者と小さなお子さんも連れた家族連れにおすすめのルートということで、短時間で登って下りてこられるルートをご紹介。
六甲山の最高峰は目指さず、「風吹岩」という展望スポットを目的地とし、そこで折り返して下山するルートとなります。
1.「高座の滝」スタート
ベンチ近くにレトロな案内板がありますが、その中の「一般ルート」が今回のロックガーデンルートとなります。
2.「ロックガーデン」
高座の滝から10分ほど登ると「ロックガーデン」のポイントに。
高座の滝から直ぐに急な登りがスタート
岩場は程よい起伏があり、幼稚園入園前のお子さんが登っている姿を見るくらいです。
小さなお子さんは登りでは手を使って器用に登るので、後ろに大人が控えていたら、案外簡単に登るようです。
下りの方が小さいお子さんは足がつかない場所があるのでしんどいと思います。
途中、鎖場があったり、はしごがあったりと岩登り以外にもスリリングな場所もあります。
このロックガーデンは岩がむき出しですが、とてもよく整備されており、岩が落ちないように金属杭で固定してくれてあります。
また浮石にならないように、ボルトで固定されているものも。
但し、全てがそうとは限らないことと、崩れやすく、滑りやすい花崗岩の岩場なので、慎重に足運びをしましょう。
小さな小石も落ちれば、下を登っている人を大怪我させてしまう恐れがあります。
落石に気を付けて、慎重に登り、お子さんの足元も気を付けてみるようにしましょう。
急な岩場は迂回路がある場所もあるので、無理なら迂回路を利用しましょう。
3.風吹岩(447m)
高座の滝から約60分~90分
晴れていたら大阪方面を通り過ぎ、奈良の生駒山まで見渡すことができる絶景ポイント。
風吹岩の上に上った姿を下から写真を撮ると、どんな険しい山を登った事か!というショットが撮れます。
高座の滝から風吹岩までは、前半は急斜面の岩場の登り、後半は歩きやすい一般登山道となり、途中の鉄塔の下の開けた場所にはベンチがあり小休止もできます。
この風吹岩から『六甲山最高峰』への登山道が続いています。
小さなお子さん連れや初心者の場合はこの風吹岩までの行程で、結構足を疲労していると思うので、無理せずに下山ルートを進む方が良いでしょう。
もし、最高峰のルートを進む場合は、事前に計画し、早い時間帯にスタートする事が必要です。
初心者や小さなお子さん連れだと、風吹岩から六甲最高峰までは約2時間、とつまり、芦屋川から六甲最高峰までは約4時間は観ておいた方が無難です。
下山時間に余裕を見て、安全な登山計画を立てるようにしましょう。
下山のおすすめルートと芦屋ロックガーデンの注意点
下山のおすすめルート その1 来たルートを戻る
風吹岩~ロックガーデン~高座の滝
シンプルに来た道を戻るルートになります。
ただ、岩場は下りるよりも登るほうが実は簡単。
特に小さなお子さん連れにはこのコースはおすすめできません。
小さなお子さんだと足がつかない箇所があります。
また、初心者で慣れていないと、登りの疲労が足にきているかもしれません。
下山ルートに滑りやすい岩場だと怪我をする可能性もあるので、無理せずに他のルートを取りましょう。
また、芦屋ロックガーデンの風吹岩までのルートは気候の良い平日は勿論、土日には結構な人出です。
岩場にはちょっとした渋滞もあるので、登りの人と下りの人で混む場合もあります。
混雑が嫌という人も下山は違うルートがいいかもしれません。
阪急岡本駅を目指すルート 横池ルート
風吹岩~横池~八幡谷入口~阪急岡本駅
こちらのルートは風吹岩から阪急岡本駅を目指すルートになります。
行きルートのような岩場がなく、次にご紹介するルートよりも人は少ないです。
風吹岩から約30分歩くと横池という池に到着。
山中に広がる池は、また違った六甲山の魅力を伝えてくれます。
そして、約1時間半歩くと八幡谷入口の標識に到着。
ここから岡本駅までは約30分。
阪急岡本駅を目指すルート 金烏山ルート
風吹岩の北側を回り込んで下ります。下り切ったら左、そのまま進みT字路を右。
そのまま道なりに進みます。
このルートは王道ルートなので、多くの家族連れが下山に使います。
道も緩やかなので、初心者や小さなお子さん連れの下山にはこのルートがおすすめ。
分岐点に到着すると、直進すると魚屋道~蛙岩~会下山遺跡を通って芦屋川駅へ戻るルートになります。
車を芦屋川周辺に置いている人はこのルートを進むのもいいですが、ここでは右に曲がって『金烏山・保久良山方面』へと進みます。
なだらかな下り坂を下山するルートで、風吹岩から阪急岡本駅までは約1時間半。
人通りが多いルートなので、迷うことなく下山できるコースです。
芦屋ロックガーデンの注意点
初心者や小さなお子さん連れの家族も気軽に楽しめる芦屋ロックガーデンです。
傾斜の岩場は大人の心配をよそに、小さなお子さんでも、上手に登ります。
でも、この人気の芦屋ロックガーデンも注意点がいくつかあるのでまとめてみました。
必ず地図や登山アプリを準備しておく
六甲山系は入山者が多いこともあり、実は遭難も多い山です。
トレッキング気分で地図もなく登ると、危険です。
登山準備をして登りましょう。
装備、服装は万全に
街中のデートでそのまま登ってきた人もたまに見かけることも。
服装は勿論、特に足元は滑りやすいので、トレッキングシューズなどで登るようにしましょう。
スニーカーでも登れないことはありませんが、トレイルランニング用シューズのような滑りにくく足をホールドしてくれる靴の方が安全です。
気軽に登れる芦屋ロックガーデンですが、登山用の装備は必要不可欠です。
落石、滑落に気を付けましょう
とても整備されている登山道です。
一見、ちょっと怖い岩場のロックガーデンでも、浮石にならないよう、落石しないように杭が打たれて固定してくれています
ただ、自然が相手なので、その固定も常に万全とは限りません。
また、傾斜部分を登る際には、足運びを雑にして、小石を落としてしまっても、下を登っている人は怪我をしてしまう可能性があります。
特に岩場では、慎重に足を進めましょう。
また、体力など無理がある場合は迂回路を探して、安全に登りましょう。
イノシシに注意!
登山口にも注意書きが書かれていますが、六甲山はイノシシがたくさんいます。
風吹岩には猫もいますが、イノシシもほぼ必ずいます。
日向ぼっこして寝ているように見えても、しっかり起きています。
ザックや上着を下に置いたり、イノシシが視界に入っているところで食事をしたりしないようにしましょう。
下山ルートは慎重に
登りは目的地も見えますし、標識もあるのでわかりやすいですが、下山ルートは時には迷いやすいもの。
六甲山はメインのルート以外にも、たくさんのルートが存在します。
踏み跡や小道がたくさんあるので、そちらに迷い込まないように、地図や地図アプリ、標識などを確認しながら、下山ルートから外れないようにしましょう。
下山時刻は3時まで
遅くとも3時までには下山完了するようにしましょう。
冬場は2時までに下山できるように計画しておく方が安全です。
入山して、思い立って違うルートを取ったり、追加のポイントに立ち寄ったりすると下山が遅れて危険です。
単独行はしないこと
遭難で特に怖いのが道迷い。
六甲山に行き慣れた人も行方不明になって戻ってこない・・・ということもあるようです。
健康面や怪我などのトラブルで身動き取れないケースも考えられます。
単独行は様々なリスクがあるので、人が多い芦屋ロックガーデンとはいえ、危険と隣り合わせということを頭に入れておく必要があります。
もし、道に迷ったら、下ることはせずに、来た道を引き返す、登り返すようにしましょう。
芦屋ロックガーデンおすすめコースのまとめ
初心者や小さなお子さん連れの家族でも気軽に楽しめる芦屋ロックガーデンをご紹介させていただきました。
最寄りの駅から登山口までも近く、素晴らしい眺望の風吹岩までの所要時間も1時間半くらいなので、体力面でも安心です。
でも、気軽に登れる芦屋ロックガーデンですが、登山の準備は必要不可欠、帰りのルートにも注意して、余裕のある計画を立てて、安全に登ってみてくださいね。