昼寝は幼児だけではなく、大人にとってもメリットがたくさんあると最近は知られてきました。
本当にメリットだけなのでしょうか?
そこで昼寝のメリットとデメリットをまとめてみました。
大人の昼寝の効果的な方法もあわせてご紹介したいと思います。
一流企業でも昼寝スペースを設置するなど、昼寝を推奨するようになってきました。
これは昼寝にはメリットがたくさんあると、企業が認知したからです。
そこで、あなたも効果的な昼寝をして、ストレス解消、集中力を向上させ、仕事の力をアップさせてみませんか。
昼寝のメリット
「お昼寝」は幼児のためだけのものと思っていませんか?
「シエスタ」で知られる昼寝の習慣。最近日本でも、短時間睡眠が仕事の生産力を高めるとした研究結果が発表されたりして、企業で短時間の昼寝を推奨しているそうです。
そこで、昼寝のメリットについてまとめてみましょう。
眠気がスッキリ!
昼食後は本当に眠くなりますよね。
これは食事の糖質とも関係していますが、日々の仕事に追われた疲労や睡眠不足からの眠気によることも多いはず。
眠い時に何かを考えたり、適切な答えを導き出したりするなど非常に困難極まりなく、起きよう!眠るな!集中するんだ!という気持ちと反比例して、眠気が・・・・
短時間の昼寝をすることで、そんな状態から脱却できます。
集中力が高まる。
眠気のある頭では何も考えられませんし、適切な判断もできません。
集中力が散漫になるのもしょうがないわけです。
アメリカの研究において興味深い実験が行われたそうです。
英語を母国語として行われた実験で、昼寝をした生徒と昼寝をしてない生徒の2群に対して、漢字を覚えさせるという実験。
この実験結果では昼寝をした生徒の群の正答率が高かったとのこと。
また、NASAの研究でも昼寝が効果的という結果が出ているそうです。
集中力が高まるということは、仕事のスキルとして必要不可欠ですし、運転など、安全に気を付ける日常でも大切なことです。
昼寝をすることで集中力が高まることは大きなメリットといえるでしょう。
認知能力が高まる
これも前述の集中力と関係しています。
そもそも睡眠は脳を休めるためのもの。脳に休息を取らせて、リセットすることで、元気な脳にしてくれる・・・そんなイメージです。
前にも挙げたNASAの研究では、
26分間の昼寝をした結果、認知能力が34%アップし注意力も54%上がったとのこと。
この研究結果の影響もあって
Googleやマイクロソフト、アップル、ナイキなどの企業が「仮眠室」や「快眠マシーン」を設置したりしています。
この昼寝を「パワーナップ」として推奨しているとのこと。
パワーをアップさせる昼寝(NAP)ですね。
スティーブ・ジョブズも「仮眠ができないような会社は嫌だ」と言っていたといいます。
脳を酷使し、集中力や認知能力、発想や判断能力を求められるIT企業や心身ともにハードなNASAなどがいち早く昼寝を中心とした仮眠を推奨しているということは、やはり効果があると判断しているからでしょう。
脳は私達の様々な行動、感情、能力をコントロールする司令塔です。
疲れていては認知能力が弱まってしまい、ミスなどが起こってしまいます。
昼寝で疲れた脳をリフレッシュすることで認知能力が高まるメリットがあるのです。
学習効果がアップする
これは受験生必見ですね。
また、社会人も最近は資格試験、社内試験に追われている人もおおいでしょう。
先に挙げたアメリカの学生の実験結果からもわかるように、認知能力がアップすること、はつまり「学習効果がアップ」するということ。
また、集中力が高まることから、同じ時間内で進度、深度ともに充実した学習ができることでしょう。
疲れた脳にむりやり新たな知識など入りません。
少しの仮眠でリフレッシュして、学習を再開させることで学習効果をあげることができるのです。
生産性を高める
受験生なら学習効果。
社会人なら仕事の生産性ですね。
これに着目して、厚生労働省も「健康づくりのための睡眠指針2014」において、午後の早い時間の30分以内の昼寝を推奨しています。
日本の経済界、企業において、仕事のパフォーマンス、つまり個人の生産性を高めることが求められています。
昼寝をすることは、この生産性を高めることが出来るというメリットがあるのです。
心臓病のリスクを下げる
ギリシャの成人対象の調査で、週に3回以上、30分間の昼寝をすると心臓病での病死のリスクが37%低下するということがわかったそう。
睡眠は脳を休めるだけでなく、体を横たえることから、血圧にも影響を及ぼします。
睡眠時は血圧が下がるため、結果的に心臓病、脳梗塞、糖尿病の防止に効果があるそうです。
ストレス軽減、解消になる
体だけでなく心にも昼寝は効果があります。
疲れた心をリフレッシュするというメリットが。
また、ストレスがある脳では、やはり生産性、判断能力、認知能力、集中力に悪い影響があります。
昼寝でリセットすることで、ストレスを軽減、解消できるというのは大きなメリットでしょう。
昼寝のデメリット
一方デメリットはないのでしょうか?
その多くのデメリットは間違った時間、方法によるものです。
昼寝のデメリットをまとめてみましょう。
昼寝をすると健康に悪い
あれ?どういうことでしょう?
メリットで心臓病や心筋梗塞などのリスクが軽減されると挙げたばかり。
これは「昼寝」によるものではなく「昼寝の睡眠時間」によるものが大きく関係しています。
「シエスタ」は一時間以上の睡眠をとる習慣が多く、このことから現在では効率が悪い慣習としてスペインでは廃れてきています。
また、長い昼寝は昼寝をしない人と比較して、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めることのこと。
つまり、昼寝がデメリットというよりも「長い時間の昼寝」がデメリットということです。
睡眠障害になりやすい
午後の遅い時間の昼寝は夜の寝つきや睡眠の質に影響するそう。
また、本格的にベッドなどに横になっての昼寝は「深い眠り」になってしまうこともあるようなので注意が必要ですね。
長時間寝ると生産性が落ちる
これも、「昼寝」がデメリットなのではなく「昼寝の睡眠時間」によるデメリットです。
20分以上の仮眠は眠りが深くなってしまいます。
その後に起きても、頭が働かない『睡眠慣性』という状態になってしまい、生産性のメリットに対して逆効果。
長い時間の昼寝は仕事の生産性にマイナス効果というデメリットになってしまいます。
大人の昼寝の効果的な方法は?
メリットがたくさんある昼寝。
一方デメリットはというと、それは「睡眠時間」や「睡眠のタイミング」によるものです。
つまり、大人が昼寝を効果的にする方法は
昼寝の睡眠時間に気を付ける。
昼寝をする時間帯、タイミングに気を付ける。
これが重要なポイントでしょう。
では、昼寝の効果的な方法をまとめてみましょう
昼寝の時間は20分以内!
長い睡眠はデメリットになってしまいます。
眠気が襲ってくるのは昼食後の14時~が多いことでしょう。
理想は「眠気が襲う前」に昼寝だそう。
睡魔のピークに寝ると深い眠りになるので、その前に「眠気を抑える」といいそうです。
昼寝をする時間帯は早い時間帯で
前述のように、眠気のピーク前に昼寝をすると効果的です。
眠気がピークになってからの睡眠はどうしても「深い睡眠」となるリスクがあります。
深い眠りになってしまうと「目覚め」がすっきりしない『睡眠慣性』になってしまい逆効果。
睡眠障害で有名なドクターは昼食直後を奨めておられます。
食後はしんどいという方も、昼食の時間によりますが、遅くとも14時までには寝るようにしましょう。
眠る姿勢にも気を付けよう
本格的にベッドで横になると深い眠りになってしまいます。
ここまで読まれたら『睡眠慣性になる!』とおわかりですね。
座って机に突っ伏したり、椅子の背もたれによっかかったり、壁に頭を預けたりなどがいいそう。
企業の仮眠スペースも、飛行機の座席のように傾斜のある椅子で昼寝が多いようです。
机に突っ伏してなんてできないという方は、数分目を瞑るだけでも効果があるとのこと。
昼寝をする姿勢に気を付けて深い睡眠にならないことが、昼寝をメリットとするポイントです。
昼寝の直前にコーヒーを飲んでおく。
昼寝にはメリットがあると言われても心配なのが「ちゃんと起きられるか」ですよね。
寝る直前にコーヒーを飲んでおきましょう。
カフェインは20分~30分後に効果があるので、ちょうど20分昼寝の時に効果が現れます。
もちろん、カフェインの入っているお茶でも効果がありますよ。
習慣にする
体内時計を整えておくことはストレスがかかりません。
20分で起きるように習慣づけておけば、アラームの前に起きられるようになります。
私の知り合いの社長さんが、社長室で、午後昼寝をするらしいんですが、「目覚ましのなる数秒前に目が覚める(笑)!」と言っています。
本当みたいです。
社内でできないなら場所を変えてみよう
「社内で堂々と机につっぷしてなどできない!」
そりゃそうですよね!
昼寝推奨企業でないと
「ダラダラして・・・」
「たるんでる・・・」
なんて、評価も下がってしまうかも・・・という心配も。
せっかくの昼寝のメリットがこれではデメリットになってしまいますよね。
昼食を外で取る人は昼食後の座席で少し目と脳を休めてみましょう。
20分は無理でも10分位は可能ですよね。
企業が推奨してなくても、個人で実践することで、昼寝のメリットを享受し、生産能力アップ、パフォーマンスアップできることでしょう。
昼寝のメリットデメリットのまとめ
大人にとってもメリットがたくさんの昼寝。
でも、睡眠時間を長くしたり、眠る時間帯を遅くしたりしてしまうとデメリットになってしまうので要注意です。
ポイントは「深い眠り」にならないこと。
その為にも最長20以内の昼寝と横になって本格的に寝ない姿勢がポイントです。
また、寝起きを良くし、すぐに脳を活性化させるためにも、眠る前にコーヒーを飲んだり、眠る時間帯を食後すぐにしたりすることも大切です。
適切な昼寝をすることで、集中力アップ、認知能力アップさせて、仕事の生産性とパフォーマンスを向上させてみてはいかがでしょうか。